◆展覧会についての最新情報は、各ギャラリーのサイトでご確認ください。

イムラアートギャラリー京都 imura art gallery Kyoto

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田嶋悦子
「Hydrangea -水の器-」


《花々》
陶、再生ガラス
H12×W30×D27cm
2022年

2025.5.17 (土) ~ 6.7 (土)

この度イムラアートギャラリーは、13年ぶりとなる田嶋悦子による個展「 Hydrangea -水の器- 」を開催いたします。

田嶋悦子は1980年代、旧来の美術の枠に囚われないパワフルな表現を特徴とする女性作家たち「超少女」を代表するアーティストとしてデビューを果たします。女性の体を象徴する造形と力強い原色で構成される作品は大きな注目を浴びました。1988年頃からは植物のイメージを伴う有機的でうねるようなフォルムが現れます。同時に作品表面の派手で艶やかな色彩は影をひそめ、質感さらには作品の周りに存在する空気を含めたかたちを意識する制作へ移っていきます。この流れを汲むように1992年頃から田嶋の作品は白化粧のみを施した一連の白い作品へと変化を遂げます。記号化されたフォルムは心の奥底に潜む精神性のシンボルのようで静謐な世界観を感じさせます。間もなく田嶋は、ガラスの細片を石膏型に詰め窯で成形するモールド・キャストと呼ばれる手法で生まれる、半透明のガラスを組み合わせる新たな表現へと到達します。タタラで造形し色化粧を加え焼成した陶、それに呼応するようにガラスが融合し、洗礼されたしなやかな勢いを感じさせます。

本展では新作を中心に、晩春から梅雨にかけての季節にふさわしい作品をご紹介します。空間の中央を覗き込むと、そこには黄色い花々が広がり、花弁の内側に水を湛えて、さらなる生命の豊かさへとその姿を伸ばしています。また、陶とガラス、それぞれの収縮率の違いによって生まれる貫入(かんにゅう)は、時間の経過を物質の表面に刻みつけるようにして、素材の生きた時間を静かに語りかけてくるかのようです。ガラスの透明感がもたらすみずみずしさとともに、やわらかな明るい黄色の陶の表情は、品を備えながら、力強い生命力に溢れています。

田嶋が交わす素材との静かな対話に耳を傾けながら、つつましくも華やかな花々の賑わいをどうぞご高覧ください。

◆ギャラリートーク:6.4(水)14:00 ~ 17:00

京都市左京区丸太町通川端東入東丸太町31 Tel:075-761-7372 休廊日:日・月曜日&祝日

同時代ギャラリー DOHJIDAI GALLERY of ART

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〈ギャラリー〉

 

TRANSIT
amu design 写真教室 第30期生卒業制作展メンバー


2025.5.20(火)〜 5.25(日)

出身も年齢も職業もバラバラだけど、「写真が好き」という気持ちは一緒。
そんなわたしたちは、それぞれが持つ「好き」を大事にしながら旅を続け、今回の卒業制作展に到着しました。

— でもここは、あくまで通過点。
この場所を出発した後も続いていく、わたしたちの旅。
14通りの行き先へ、ご案内します。

 

機械の中の幽霊
ヤマゲンイワオ


2025.5.27(火)〜 6.1(日)

京都市中京区三条御幸町南東角 1928ビル2階 Tel:075-256-6155 休廊日:月曜日

エンアーツ eN arts

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showcase #13
“ひとの気配 – Human signs”
curated by minoru shimizu


宮下五郎


山崎雄策

2025.4.11(金)〜 5.11(日)
開廊日時:上記会期中の金・土・日 12:00-18:00
月〜木曜日はアポイントメントを承ります。
KG + 2025参加

eN arts では、清水穣氏のキュレーションによります、写真・映像に特化したグループ展 “showcase #13” を開催いたします。写真及び映像の現代若手作家のショーケースとなるこの展覧会は2012年からスタートし、シリーズ13回目を迎えます。 清水氏が「showcase#13 “ひとの気配 – human signs”」のために選出したのは、2014年キヤノン写真新世紀で優秀賞を受賞した山崎雄策と、2017年キヤノン写真新世紀佳作賞受賞の宮下五郎。

「ひとの気配」とは、視覚では確認できないけれど、微小な音やその遮り、空気の動きなどで感じられるもの。見ることのできない「ひとの気配」を、見なければならない写真作品でどのように表現してくれるのでしょう。どうぞお楽しみに。

eN arts

eN artsは 本年もKYOTOGRAPHIE2025に KG+ for Collectorsとして参加致します。


ひとの気配

ここ数年来、showcaseは、初登場の新人と、過去に登場した作家の2人展という形を取っている。二人の作家を選ぶ際に、とくに共通のコンセプトとか相性というものは考えない。むしろ二人の写真家を組み合わせることで、コンセプトはあとからあぶり出されてくる。あるコンセプトをいかに表現するかにおいて、二人の写真家が相補的であることもあれば、対照的であることもある。

宮下五郎は、2017年にキヤノン写真新世紀佳作(清水穣選)を受賞して注目された。今回は、「目は口ほどにものを言い」とか「ふと視線を感じる」とか言うときの「眼」であり、宮下はそれを文字通り被写体とする。撮影された眼はカメラ目線ではなく、その瞳が開いているので、暗がりにいる被写体の眼にピンポイントで光を当てて撮影していることがわかる。つまり、これらは口ほどに物を言う眼、視線を向ける眼を、観察した写真なのである。機械としての写真の力が存分に発揮される。無言の雄弁さを奪われ、何を見ているわけでもない、ただの即物的な眼が並んでいる。

山崎雄策は、ちょうど10年前、2015年のshowcase #4にも登場してもらった。2013年キヤノン写真新世紀佳作(清水穣選)で注目され、翌年には優秀賞を獲得した。今回は、デビュー作「さい子」シリーズのリニューアル&リミックスバージョンとのことである。ヒッチコック監督の「サイコ」に掛けた「さい子」は、写真が好んで生み出す、目に見えないもの(とりわけ人間)の気配、痕跡、視線を主題として、前兆と痕跡、未来と過去をめぐるそのレトリックを、写真によって問い続けている。

2025年4月、清水 穣

EYES TALK

眼は、嘘が苦手だ。
眼は、無防備で、正直だ。
他人に自分の内面を悟られたくないという心理とは逆に、
どれほど隠そうとしても、眼は、人間の心をありのままに映し出す。
喜び、悲しみ、怒り、驚き。
愛、憎しみ、妬み。
孤独、嫌悪、困惑、焦燥、恐怖。
人間のありとあらゆる複雑な感情は、二つの眼球に精密に映し出される。

写真を撮るという行為が、人間の本質を炙り出すものだとしたら、
究極のポートレートとは、人間の眼である。
人間を人間たらしめる究極の臓器。それは、むきだしの眼をおいて他にない。
年齢・ジェンダー・職業・障害・国籍。
そのすべての境界を乗り越えて、写真家、宮下五郎が、
多様な108人の眼のポートレート撮影に挑んだ。

宮下五郎

女子高生が77日ぶり発見、「神隠し」騒動の謎深まる

「2013年7月11日から行方不明だった千葉県茂原市の女子高生(17)が、9月26日に自宅近くの神社の社で発見された。衰弱し体重は半分に減少、軽い脱水症状を示すが怪我はなし。本人は社に隠れ、畑の野菜を食べていたと説明。しかし、過酷な環境で77日間過ごせたのか、発見の遅れや証言に矛盾があることから、ネットでは「神隠し」の噂が広まり、真相は未だ解明されていない。」

山崎雄策

京都市東山区祇園北側627 円山公園内八坂神社北側 Tel:075-525-2355 開廊日:金・土・日曜日

ギャラリー16 galerie16

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藤友陽子 銅版画展


2025.5.13(火)〜 5.24(土)

風景を描く日が続いています
いつもの道にふと見る影を探しながら

京都市東山区三条通白川橋上ル石泉院町394 戸川ビル3階 Tel:075-751-9238 休廊日:月曜日

ヴォイス・ギャラリー MATSUO MEGUMI+VOICE GALLERY pfs/w

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KG+
酒井一貴
"You are not I"


「夢見る2本の足 Two Dreaming Legs」
(2024)


「オレンジ色に光る穴 Orange glowing hole」
(2022)

2025.4.30(水)~ 5.11(日) 13~19時
休廊日:5.5(月・祝)・6(火・祝)

You are not I.
この言葉は38年前、カセットテープの最後に偶然録音された深夜映画のはじまりのセリフだ。「あなたは私ではない」と話す女性の声を、16歳の私が耳にして以来、この言葉は私の記憶の片隅に残り続けた。それはサラ・ドライヴァーの同名の映画の冒頭の音声だった。私はこの映画を未だ観ていないし、この言葉がどんな理由で生まれた言葉なのかも知らないが、この言葉は今の私に、いくらかの勇気を与えてくれる。
あなたは私ではない、それはつまりあなたは私と同一の存在ではないということだ。その当たり前の事実は、あらゆる表現に価値を与え、そして写真家にとって自らの視野を授かる根元となる。私にとって写真とは永遠なる客観であり、けっして交わることのない関係から生まれるもので、撮られた1枚の写真の奥には、静かで暴力的な野生が眠っている。それは写真の資質につながることであり、その事実は不思議に面白い。
私は自分が撮った写真に多くを求めないが、そこに写った事実の中に潜む「何か」を凝視することで、人間という存在を少しでも浮き彫りにしたいと望んでいる。(酒井一貴)

1970年滋賀県生まれ。夜明けの時間に見る風景をはじめとして、人という存在を客観する視点を探りながら写真作品を制作している。
*作品集「それでも写真が好き」電子版・紙版同時刊行/2025年4月30日予定(発行=ヴォイスギャラリー/デザイン・制作=クラフティヴ電子出版株式会社)

 

特別展
日下部一司

2025.4.30(水)~ 5.11(日)

*常設コーナーにて、KG+参加展「酒井一貴 You are not I」と同時開催。

京都市下京区筋屋町147-1 Tel:075-341-0222 営業時間:13時~19時 休廊日:HPにてご確認ください。

京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA

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SPECIAL EXHIBITIONS
スキマをひらく
乾久美子 小山田徹
田中功起 副産物産店


Koki Tanaka, Provisional Studies:
Workshop #7 How to Live Together
and Sharing the Unknown, 2017.


乾久美子|ねれる公共/横浜美術館
(撮影:川又修平)


副産物産店 ACKキッズプログラム


小山田徹「いま、バリアとはなにか」
展示風景(せんだいメディアテーク、2010)

2025.5.3(土)〜 6.22(日)
休館日:月曜日
5.5(月・祝)は開館、翌平日の5.7(水)を休館

主催:京都市立芸術大学
企画:藤田瑞穂(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
チーフキュレーター/プログラムディレクター)

世界のあちこちで分断と対立が深刻化し、先行きが不透明な時代にわたしたちは生きています。そうしたなかで、多様な背景をもち、考え方もそれぞれに異なる人々が歩み寄り、共に生きていくためにはどうすればよいのでしょうか。コロナ禍に起きたさまざまな変化は、社会の効率化を加速させました。しかし、過剰な効率主義は、人と人との関係性を少しずつ、希薄にしてしまいます。共に生きることを目指すためには、まず、場を共にすることからはじめなければなりません。丁寧に時間をかけ、対話を重ねておたがいを知ろうとし、学び合い、認め合うことの大切さを、いま、あらためて考える必要があります。

本企画では、人々が時間と場所を共にし、対話を重ねることによって広がる可能性について、4組の作品や実践を通して考察します。田中功起は、「共に生きるとは何か」というテーマのもと、人々の協働や共同体のあり方を問い直す活動を長年続けてきました。本企画では、2017年にミュンスター彫刻プロジェクトで発表された《Provisional Studies: Workshop #7 How To Live Together, And Sharing The Unknown》(一時的なスタディ︰ワークショップ7 未知なものを共有し、いかにしてともに生きるか)をとりあげます。この作品は、さまざまな文化的背景を持った近隣住民8名が参加した9日間のワークショップの記録映像を中心に構成されています。このワークショップは、ロラン・バルトがコレージュ・ド・フランスで行った講義のノート『いかにしてともに生きるか』に着想を得たものです。バルトは、ギリシアのアトス山にある修道院の、同じ空間にありながら、それぞれのリズムを保った生活形態「イディオリトミー(固有のリズム)」に共生の可能性を見出していました。ワークショップの参加者たちは、数名のファシリテーターとの協働による複数のプログラムに取り組み、議論を交わします。合計で4時間半を超える記録映像からは、むしろ共に生きることの難しさが感じられるかもしれません。はたして本当に共に生きることはできるのか、映像の前に立つ鑑賞者は、あらためてその問いに向き合うことになるでしょう。

京都市立芸術大学及び京都市立美術工芸高校移転整備工事乾・RING・フジワラボ・o+h・吉村設計共同企業体(以下、京芸設計JV)の代表である建築家の乾久美子は、日常で、また仕事先で出会った、誰がつくったのかわからないけれど、生き生きとして、人の温もりを感じることのできるささやかな場所を「小さな風景」と呼び、協力者と共に膨大な数の記録を撮りためてきました。本企画で紹介するこれらの「小さな風景」に、乾はコモンズ的なもの、場所への愛着、居心地、共有の感覚の源泉などを見出し、日々の学びとしています。なかには、あるコモンズのなかに、また別のコモンズが生まれ、共存しているものもあります。このように一時的に発生するコモンズは、コモニングと呼ばれます。こうした日常的でローカルなコモンズ/コモニングの事例を蓄積しながら活動してきた乾は、建築をつくるのではなく「おく」と表現しています。その言葉には、建築とは空間を与えるものではなく、その場に生きる人々と相互に関係し、その人々が生み出す「小さな風景」と共にあるものと考える建築家の思考が表れています。

矢津吉隆、山田毅による「副産物産店」は、京芸設計JVの機運醸成・リサーチチームの活動から生まれたアーティストユニットです。制作の現場から出る廃材など、いずれは捨てられる運命にあったモノたちを「副産物」と呼び、それらを回収・活用・販売する活動を行ってきました。また、資材の循環を目指した「芸術資源循環センター」、副産物の楽器を用いて演奏を行う「副産物楽団ゾンビーズ」など、基本の活動から派生した複数のプロジェクトを手がけています。本企画では、乾の「小さな風景」と、元の素材の周囲にかつてあったもの、あるいは用途に着目しながら新たな風景を作ろうとする副産物産店の作品が重なり合うコラボレーションのゾーンを入り口として、「副産物」の循環と活用をさまざまな角度から体験できる場を展開します。

昨年度まで本学美術学部彫刻専攻の教員を務め、この4月に本学理事長兼学長に就任した小山田徹は、数十年にわたって、「共有空間の獲得」をテーマとした活動を続けてきました。ホームパーティーが外に広がっていったかのような、人々がゆるやかに集う「カフェ」、小さな焚き火のもとに集う場などの共有空間は、対話や議論が生まれ、育まれていく場所となっています。それらはすべて与えられた空間ではなく、ばらばらな人々が集い、それぞれ固有のリズムを保ちながら、自分たちがつくったものとして愛する空間です。これらもまた、イディオリトミックな共生の場ということができるでしょう。本企画では、約15年間ものあいだ、小山田が作り続けてきた共有空間で、その役割を変化させながら寄り添ってきた小屋状の立体作品《浮遊博物館》を、新キャンパスに「おく」ところからはじめます。実はこの作品は、ようやくその使命を全うして「副産物」になりかけていたところを修復され、復活したものです。そして展覧会会期中の週末には、誰もにひらかれ、それぞれが思い思いに過ごすことによって育つ共有空間「ウィークエンドカフェ」が出現します。

社会の隙間をひらくことで共有空間が生まれ、その場に集ってきた人々によって社会とのつながりができていきます。そして一時的にでも共にいることで、学び合い、認め合い、委ね合う関係性が築かれていくのです。共に生きることの可能性や未来を、本当の意味でひらいていくのは、そうして生まれてくる共有空間を、人々が愛をもって「小さな風景」に育てていくことの積み重ねなのかもしれません。

京都市下京区下之町57-1 京都市立芸術大学 C棟1F Tel:075-585-2010  休廊日:月曜日

MORI YU GALLERY 京都

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浦郷仁子 個展
「RECONNECTION」


2025.4.19(土)~ 5.18(日)
休廊日:月・火・祝日

MORI YU GALLERYは4月19日(土) - 5月18日(日)まで、浦郷仁子個展「RECONNECTION」を開催いたします。
どうぞご高覧下さい。

絵画とは無意識への窓であり、絵画を成立させるためには偶然、直感が必要だと語る浦郷。
例えば、アンフォルメルの代表的な画家のひとりジョルジュ・マチウは偶然を肯定する。マチウによって描かれたもの。それをフォルムと言おう。マチウの絵画におけるフォルムは、作品に先行して存在するなにものにも還元されることはない。それは、絵画の外部にある事物の写しとしての「像」ではない。マチウは、シュルレアリスムの自動筆記と同じく、「偶然」を取り入れながら、フォルムの背後に何ごとかを連想させてしまうシュルレアリスム絵画とは異なって、「何ものの表象(représentation)でもないフォルム」を描いた。これに対して浦郷はどうだろう。浦郷の描く絵画には完全なる抽象的で、植物のようなフォルムが描かれるのだが、時として浦郷の描くそれは、日常に隠れたフォルムと、なにものの表象でもないフォルムとの組合せなのだ。RECONNECTIONというタイトルは、無意識の窓から外にあるものを浦郷が、引き寄せ、それらをつなぎあわせ(RECONNECTION)ることを意味しているのかもしれない。キャンバス上でそれぞれのフォルムが音楽やリズムと共に空間で関係し合い、共鳴し、表象以上のネオ・フォルムとして生成され、我々鑑賞者に新たなる世界観と音楽のジャングルに誘い込まれ、時間の経過をも我々に感じさせてくれる。

京都市左京区聖護院蓮華蔵町4-19 Tel:075-950-5230 休廊日:月曜日・火曜日・祝日

ギャラリー ヒルゲート  Gallery Hillgate

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〈1F〉
黒田冨紀子 展(二紀会委員)
(油彩・銅版画・ドローイング)

2025.5.20 (火) ~ 5.25 (日)

2021年の卒寿記念展から4年が過ぎましたが、黒田冨紀子先生の画家魂は変わることなく、作品は益々明るさを増しています。
戦争を乗りこえ、焼け跡の神戸から初期の女子学生として京都美大(現・芸大)に通った少女の心は、年を経て更に生きる喜びに満ち溢れているようです。
今回は同時期の上階で長女の真里さんが夫の濱田弘明先生と二人展を開催されます。
一・二階ともに充実した作品の数々を、どうぞお楽しみくださいませ。

ギャラリーヒルゲート

 

〈2F〉
濱田弘明(版画)・黒田真里(日本画)2人展

2025.5.20 (火) ~ 5.25 (日)

 

〈1F〉
増田常徳 展 -島は風の起点-
(油彩 他)東京・永井画廊との巡回展

2025.5.27 (火) ~ 6.1 (日)

近年、絵画が規制概念や軽薄な表現が好まれ流行する中にあって、油絵本来の醍醐味である画家自身の葛藤から絞り出された重厚で艶の在る表現が陰を潜め、美術業界全般が痩せ細ってゆく現実に私たちは直面してはいないだろうか。
豊な創造芸術の究極は、自然界を貫く神秘的精神性に裏打された幽玄の世界であると想われる。観る者を誘う創造芸術の深淵こそが待たれている、と日々の創作で起る呼びかけである。

Jotoku

2011年以来当画廊では6回目となる増田常徳展を企画致しました。
厳しい自然と向きあい、人間存在の深奥にまで掘り進むような増田先生の作品は、見る者の心に深く訴えてきます。
今回は東京・銀座の永井画廊さんとの巡回展となります。奇しくも永井画廊さんとは故・丸木位里・俊夫妻に関わる御縁があり、1995年に位里先生、2000年に俊先生がお亡くなりになった際、先代の永井巳喜男社長と共に膨大な数の遺作の鑑定評価をさせていただいたことは忘れられない思い出です。その後、東京の作家たちを中心に企画された「青木繁〈海の幸〉オマージュ展」でも三回にわたり永井画廊さんとの巡回展の一翼を担わせていただきました。
このような時代に、益々存在意義を感じさせる増田先生の作品を、東京又は京都で御高覧いただけましたら幸いに存じます。

ギャラリーヒルゲート

 

〈2F〉
長尾紀壽 型絵染 小品展 1995~2024

2025.5.27 (火) ~ 6.8 (日)

30年に及ぶ沖縄暮らしを終えて、長尾先生が京都に帰還されました。
それを記念して「染・清流館」で大作の個展が開催される時に合わせ、小品展を企画いたしました。当画廊では4度目の個展となりますが、先生の大胆にして繊細な作風は、小品の中にも変らず表現されています。何卒御高覧いただきたく、ご案内申し上げます。

ギャラリーヒルゲート

 

〈奥庭空間〉
菊地伸治 展 時空の旅人
(彫刻) (国画会会員・日本美術家連盟会員)

2025.1.13 (月・祝) ~ 6.15 (日)

神の法則を知ろうとする人類の営みはいつしか限界を忘れ、畏れることを忘れた。
石の前で瞑想する。

京都市中京区寺町通三条上る天性寺前町535番地 Tel:075-231-3702 休廊日:月曜日

京都芸術センター Kyoto Art Center

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<ギャラリー南・北ほか>

 

京都芸術センター開設25周年記念展
「そのへんにあるもの」


2025.4.12(土)〜 6.8(日)
休館:4.23(水)、5.27(火)・28(水)

出品作家:赤瀬川原平 岡田真由美 伊達伸明
     田中功起 寺岡波瑠 葭村太一
主催:京都芸術センター(公益財団法人京都市芸術文化協会)
ギャラリー南「京トマソン マラソン!」企画:
  龍谷大学カルドネルゼミ
「そのへんにあるもの」企画アドバイザー:
  平芳幸浩(京都工芸繊維大学教員)
特別協力:トマソン観測センター、路上観察学会[ROJO]
     赤瀬川尚子
共同制作:KYOTOGRAPHIE京都国際写真際

京都芸術センターでは2025年4月12日(土)から6月8日(日)まで、開設25周年記念展『そのへんにあるもの』を開催します。

ギャラリー南の「京トマソン マラソン!」(KyOtOmAsOn MArAthOn!)展は、「超芸術トマソン」の概念を学び、体験しながら探究する参加型の展覧会です。「超芸術トマソン」とは、赤瀬川原平 (1937-2014) が提唱した「不動産に付着し、美しく保存されている無用の長物」です。トマソンは、芸術作品と同じく、あるいはそれ以上に、無用なものであるに関わらず、建築物に付着し意図的に保存されているかのように見えます。作者が存在しないにもかかわらず、それは見る者にとって芸術作品のように映ります。本展では、展示資料、写真、ワークショップ、朗読会、「トマソン公開報告会」 などの参加型イベントを通じて、観察の視点を養う機会を提供します。街を観察する楽しみを共有することが、本展の目的です。
一方、ギャラリー北や館内各所では、「トマソン」を見出した赤瀬川原平と似た視点を持つと思われるアーティスト5名の作品を展覧します。映像、彫刻、あるいは考現学的な調査資料のような多彩な作品は、そのへんにある風景を新たな視点で楽しむ方法を示してくれるでしょう。
遠くにある高尚なものではなく、身近にあるささやかなものへ―。こうした視点の転換が、アートワールドにおいて繰り返されてきたことは承知しています。しかし、25周年という節目を迎えた今、改めて私たちは身近な風景を見つめ直したいと考えています。
どうぞ気軽にこの展覧会をお楽しみください。皆様のご来場を心よりお待ちしております。

京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2 Tel:075-213-1000

GALLERY TOMO

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Permanent exhibition

誠に勝手ながら現在はアポイントオンリーの営業とさせていただいております。

作家:
近藤大祐、篠原猛史、こうす系、石原 孟、杉谷一考、
藤田 薫、町田藻映子、山本真也、宮岡貴泉、吉田延泰、
家山美祈

京都市中京区寺町通丸太町東入る南側下御霊前町633 青山ビル1F Tel:075-585-4160 休廊日:月・火曜日

KUNST ARZT

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赤坂侑花 個展
はなしたいこと


2025.5.17(土)〜 5.25(日)

KUNST ARZT では、2年振り、5度目となる 赤坂侑花の個展を開催します。
赤坂侑花は、自身の経験を元に、 ピュアでカラフル、かつメランコリックな イメージを油彩と立体表現するアーティストです。
初期は、子ども時代の楽しかった記憶を 制作動機としていましたが、近年は、 愛猫の死などの経験を経て、 まさに「今」感じる幸せを表現しています。
展示は絵画をベースに、立体化させた 絵画世界の住人を空間に配した 立体曼荼羅のような独特のインスタレーションです。

(KUNST ARZT 岡本光博)

【アーティストステートメント】

6年間通った小学校はもうすぐ廃校になります。
鬼ごっこをして遊んだ森は立ち入り禁止に。
公園の遊具は老朽化ですべて撤去されてしまいました。
一緒に遊んだ友達も今は遠くに、
自転車でぐんぐん走り回れるエネルギーもどこかへ。

単純で無邪気な明るい時代でした。
過ぎ去った時間は今でも私の中に存在しています。
それはとても心地のいい場所となって私を守ってくれます。

 

水野智鶴 個展
Please find Ghost


2025.5.27(火)〜 6.1(日)

KUNST ARZTでは、昨年に引き続き、2度目となる 水野智鶴の個展を開催します。
水野智鶴は、シルクスクリーン技法を通して、 信仰の在り方や宗教を考察するアーティストです。
アーティスト自身の信仰体験に基づいたモチーフを、 実体感のない独特のスタティックな ドット描写で表現しています。
本展では、印刷物を裁断する際に用いられる 「トリムマーク」を大きなレリーフとして “存在”させる構想です。

(KUNST ARZT 岡本光博)

【アーティスト・ステートメント+展覧会コンセプト】

私の価値観や物事の判断基準は、 生まれ持った性質が影響しながら教義によって 良いと定義された習慣や、 信仰や宗教コミュニティによって 形成されているわけであるが、その信仰が 絶対的な存在になり得なかった時、 自分自身をどのように定義できるのだろうか。
これまで扱ってきたテーマは、 私を含む家族が信仰する宗教や、 俯瞰的に自分自身を捉えようと試みることであった。
宗教に関わるものを「主体性の無いもの」として 表したものもあった。
しかし、絶対的なものとしてのシンボルや、 時には極端で強引にも思える文章も、 まだ未完成な価値観や、未熟な人格を 支えるような役割があるのではないか という考えに至った。
今回の展覧会では、 俯瞰的に自身を見つめるという試みはそのままに、 ほんの少し愛おしさを感じられるような 展示になれば良いと思う。

 

山下茜里 個展
-UNSTOPPABLE-


2025.6.6(金)〜 6.15(日)

KUNST ARZTでは、2年振り、4度目となる 山下茜里の個展を開催します。
山下茜里は、蝋染技法を駆使し、眼球や皮膚を 剥がされたような「人」のモチーフを通して、 ヒトの本質を考察するアーティストです。
本展では、時間をテーマに「過去」「現在」「未来」 についての3種類の新シリーズで構成予定です。

(KUNST ARZT 岡本光博)

【アーティスト・ステートメント】

身体の先まで張り巡らされている無数の管 血液を通して様々なものが行き交うこの身体は、 常に熱を帯びている。
真っ白な布の上に熱い蝋が走り、幾層にも重なり、 やがて思い描く形に見えてくるその様は、 およそ40週間の時間をかけ、何もなかった母体から みるみるうちに形作られていく人間のようだ。
私は、重ねた熱の痕跡で「人」を作っている。
「人」を作るのに適した方法がこれだと思っている。
自分、そしてこれまでに出会った人々、 その誰しもが「ヒト」という単一の生き物だ。
その明白な事実と、自分が「人間」であることへの執着、 生き物としての「ヒト」への強い興味から、 「人間」を表現し続けている。
かつて遭遇した、ヒト特有の「ことば」や「ふるまい」「おもい」を 基に作品を制作している。そして、それを誰かに見られている 光景をわたしが見つめ、そうした行為の流れの中に わたしの作品は存在している。
また「目」はわたしが「人間」を表現する上で不可欠な要素だ。
人の目は、他の生物にはない独特な眼差しと、 その内にある個人性を強く覗かせている。 それは「目」が人体で唯一むき出しにされた 透明の臓器だからかもしれない。
自身の内と外を通ずる唯一の窓だからかもしれない。

 

小坂美鈴 個展
編集すること


my asterism_piece_laundry
2025
写真用光沢紙、ナイロン糸
W3000×H1080 (mm)

2025.6.17(火)〜 6.22(日)

KUNST ARZTでは、初となる 小坂美鈴の個展を開催します。
小坂美鈴は、写真で捉えた 日常目にするモノを糸のようにカットし、 編むことで再構成するアーティストです。
作品は、縦糸、横糸のように 2つのイメージが重なるだけでなく、 レリーフ的なボリュームも内包します。
幼い頃に、散らかった部屋を 写真を通して諭された経験があり、 作品は一貫して“見る”ことへの考察でもあります。

(KUNST ARZT 岡本光博)

【アーティスト・ステートメント/展覧会コンセプト】

小坂美鈴は、一貫して「編む」行為に 着目しながら制作をおこなう。
「編む」ことを、ものを別の存在に変換させる 原始的な方法と捉え、そこに内包されている 時間や労働に着目している。
工業製品や写真などの日常にありふれている 人工的な素材を用いて、ものが行為によって 分解・再構成されていくプロセスと、 社会生活を自分なりに解釈するために向ける プライベートなまなざしを重ね合わせている。

京都市東山区夷町155-7 2F Tel:090-9697-3786 休廊日:月曜日

ギャラリー恵風  Gallery Keifu

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*今後周囲の状況を鑑み、変更することもございますので、ご来場の際はホームページやFacebookでご確認くださいませ。

 

〈1F〉
約束の地
邵 婷如


2025.5.15(木)~ 5.25(日)
※ 5.19(月)休廊

前回の展覧会「静かに花を抱いて」に引き続き、人間の精神的な成長の過程において、花、鳥、鉱物はすべて人間の意識の進化を促す素材であるということをテーマにしています。
花は、人類が実用的価値のないものの魂に触れた最初のものである可能性が高く、人類の祖先は、物質が乏しい環境にいたとき、身近にある美しい花を愛でていました。また、空を飛ぶ鳥を見上げたり、鉱物や宝石に心を惹かれたりしました。実用的な価値を持たないこれらの物質が、人間そのものの深い美を目覚めさせたのです。人類が地上に出現する以前から存在していたこれらの物質が、進化過程の人間の魂に触れ、人はようやく自然の不思議で神秘的な恵みを感じることができるのです。すべての人の心の中に「約束の地」を見出すことができたとき、それは私たちの心がようやく本来の平和に戻ったことを意味します。(邵)

 

〈2F〉
宮本ルリ子 個展
さわる手の物語


2025.5.15(木)~ 5.25(日)
※ 5.19(月)休廊

2021年に国立民族学博物館で開催された、特別展「ユニバーサル・ミュージアム-さわる!“触”の大博覧会」 は、私が「さわる」ことを意識して作品づくりに取り組んだ初めての展覧会でした。
その後、さわれる作品をもっと展開していってみたいという気持ちが強くなり、今回の作品ができました。
この作品は「信楽透土」を素材として、点字を配置しています。点字のもつ意味と本の形状にはイメージの繋がりがあります。また、鑑賞者のみなさんにさわっていただくことで完成する作品でもあります。
磨きあげた信楽透土は想像以上の艶を見せ、その感触をさわって感じていただければと思っています。(宮本)

 

〈1F〉
矢野瑞季 個展
透明の色


2025.5.27(火)~ 6.1(日)

今回はコップに入った水やガラスをモチーフにしています。
水やガラスを色と形で確かめたら、透明ってこんな感じだったかなと新しいものを発見した気持ちになりました。
描くことでものの見方がかわったり増えたりする楽しさを大事にしながら制作しました。(矢野)

 

〈2F〉
岸田尚子 日本画展
- 追憶の季 -


2025.5.27(火)~ 6.1(日)

私はいつも、⾃然の中に存在する光や影、揺らぐ⽔⾯、⽊漏れ⽇等をモチーフに、抽象と具象の狭間で揺れ動く丁度良いと感じられるバランスを模索しながら描いています。
それらは、うつろい揺らぎ、刻⼀刻と変化し続け、⼆度と同じ表情や姿に出逢える事はなく、 深く魅了され、飽く事はありません。
光と影は共存し、時に⾃然の⽣み出す⽊漏れ⽇や葉蔭、⽣と死、⼼に潜む闇と光という様々な存在として、私の⼼象⾵景に組み込まれてゆきます。
私の絵から何か⼼に響くものを感じて頂けたなら幸いです。(岸田)

京都市左京区聖護院山王町21-3 TEL:075-771-1011 休廊日:月曜日

2kw gallery

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薬師川千晴 個展
ヴェールの彼方、摩擦をこえて


2025.5.3(土) 〜 5.25(日)
休廊:月・火・水​
13時―19時(最終日は17時終了)

滋賀県大津市音羽台3-29-1 TEL:090-5241-8096 休廊日:月・火・水曜日

Gallery G-77

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Yasuyo
「原始的未来の優雅なリズム」


2025.5.20(火)〜 6.8(日)
11:00~18:00

Yasuyo の新作シリーズでは、「今」という瞬間へのまなざしが向けられています。色調を和らげ、画面の密度を抑えることで、絵画のリズムは穏やかに流れ、より瞑想的な鑑賞体験へと誘います。
余白のある構図と柔らかな間合いを通じて、時間が広がる感覚と、心の奥に響くような感情の余韻が生まれます。落ち着いた色彩は静かな内省を促し、共感や直感的なつながりが立ち上がる空間を開いてくれます。
この優美なリズムの変化をぜひご体感いただき、ご自身の内なる世界に語りかける作品との出会いをお楽しみください。

京都市中京区中之町73-3 Tel:090-9419-2326 休廊日:月・火曜日

艸居

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<艸居>

 

道川省三 & トレイ・トレイハン:山の音
2025年大阪・関西万博のアメリカパビリオンを設計した建築家、 トレイ・トレイハンによるコラボレーション展


トレイ・トレイハン 展覧会のスケッチ
2025
提供:トレイハン・アーキテクツ


道川省三, Volcano Sculptural Form, 2025
陶, H43.5 × W15 × D15 cm
写真: 今村裕司
画像提供: 艸居

2025.4.26(土)〜 6.11(水)

道川省三の作品は、土と石のライフサイクルについて深く美しく私たちに教えてくれます。彼は火山地帯の北海道で生まれ、岩が形成される場所で育ち、猿投山での日々の散策で地元の石を感じ取り、集め、土に優しさとエネルギーを込め、手で形作る。まるで大地の使者のようです。

展示会を企画するにあたり、私たちは自然を展示室に招き入れることで彼の作品とその歩みを映し出そうと考えました。時が経つにつれて、巨石は石となり、石は小石へと砕け、やがて小石は粘土の粒子へと分解されます。これらの作品は、本質的に石の原形を尊重し、敬意を込めた彫刻作品なのです。
ートレイ・トレイハン(トレイハン・アーキテクツの創業者CEO)


艸居(古門前)にて、陶芸家、道川省三と建築家、トレイ・トレイハンによるコラボレーション展「山の音」を開催致します。展示では、道川の最新作の陶芸作品29点と、トレイハンによって配置される自然石11点を展示いたします。本展は、芸術と建築において、二者が共通して根源的な要素とする、造形、自然、空間、素材、環境など観点から創造性と革新に満ちた対話を重ね構築されたものです。それは「山の音」のように、山中の静けさの中で、二者の美意識が呼応し、作品と石が対話する形で具現化されています。

道川の作品は螺旋状の力強さと孤高の静けさを併せ持ったフォルムで知られています。それは、作家が生まれ育った北海道の洞爺湖や有珠山の風景を表し、自然の雄大さや優美さ、それと相反して、静寂や脅威を肌で感じながら育った作家の自然への畏怖の念を感じさせます。

これまでの道川の制作方法は、土の塊の外側にワイヤーで切り込みを入れ、轆轤を回転させながらフォルムを形成していくものでした。本展では、土の塊の内部にワイヤーで切り込みを入れるという、これまでにない画期的な方法で、《Volcano Sculptural Form》《Kohiki Sculptural Form》《Kohiki Natural Ash Sculptural Form》《Tanka with Silver Sculptural Form》の代表的な作品シリーズを完成させました。

道川の土との向き合い方は非常に真摯で、土が本来持ち合わせている形状に耳を傾けながら、最大限の可能性を瞬時に引き出します。それはインプロヴィゼーション的で、道川の楽観的な人生観を暗示しているようでもあります。

トレイハンは、道川の彫刻作品と自然との調和を象徴する自然石をギャラリー空間に展示いたします。本展の空間設計にあたり、龍安寺の石の配置を参照しています。入って直ぐの日本建築の部屋には自然の雄大さと力強さを感じさせる大型の石を3石、後ろホワイトキューブの空間には、桂川の投石を5石配置します。そして、前と後ろの部屋を繋ぐ床の間には円柱の束石を、階段下の空間や通路には小川治兵衛の守山石を置き、その上に作品を展示いたします。今展は、石から生まれる粘土の生命循環を観る者に思い起こさせ、自然の中での芸術の存在を再認識させるものです。

トレイハンは2025年大阪・関西万博のアメリカ館のパビリオンの建築をデザインし、本展は万博と同時開催いたします。不確実で複雑、不透明で曖昧な時代において、アートを通して、アメリカと日本、大阪と京都、そして、世界の人々が国境を越えて交流し、よりよい未来を形成することを目指します。

艸居:京都市東山区元町381-2 Tel: 075-746-4456 開廊時間:11:00AM - 6:00PM 休廊日: 日・月曜日

艸居アネックス: 京都市中京区一之船入町375 SSSビル3F Tel: 080-9745-8452 開廊時間:1:00PM - 6:30PM
休廊日: 日・月曜日

京都 蔦屋書店

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<6F アートスクエア>

 

佐藤幸恵・佐瀬梓
「Traces of scenes」


佐藤幸恵
《気色(ケシキ)/ Scene》(画像左)
《もっけのこ》(画像右)


佐瀬梓
《Ichirin》

2025.4.17(木) ~ 6.1(日)

主催:京都 蔦屋書店

佐藤幸恵は、ガラスや木、石、針金、化石、木の実など、さまざまな素材を組み合わせて作品を制作しています。鋳造ガラスを主な素材とした代表シリーズ《気色/Scene》は、「気配」を抽象化した立体作品です。近年では、土器や化石などの欠片(かけら)を触り、なぞり、想像し、繋げることで作り上げた《残片》シリーズも手掛けています。これは、作る起点を自分自身ではなく他の物にゆだねる試みです。
佐瀬梓は、金属を叩いて造形する「鍛金」と、焼付けの技法を用いています。一輪の花のように暮らしに彩りを添える《Ichirin》、「まだ何ものでもない、ただただ無垢なもののけの子」というテーマで制作した《もっけのこ》など、シンプルでありながらも日常に寄り添うあたたかみのある作品を手掛けています。
ふたりの作品には、使用素材は異なるものの、共通して優しい雰囲気や凛とした佇まいが感じられます。元の質感を残しながらも、組み合わせや加工によって、新たな作品世界を作り出す作家たちの共演を、本展にてお楽しみください。

<6F ギャラリー>

 

サイトウナオコ 個展
「雨まじりもスロウなテンポはただ無造作に消える」


《雨まじりのとき》2025

2025.5.3(土) ~ 5.27(火)

主催:京都 蔦屋書店

アンニュイな⼥性とそこに寄り添う猫。植物や暮らしの中のひとかけら。
サイトウナオコは、「ふつうの日々」をテーマに、なにげない日常のワンシーンを柔らかな筆致で描いているアーティストです。和紙や、ストックしているという包装紙やノートといった古い紙に岩絵の具等の顔料、パステルなどを使って描かれた作品は、鮮やかでありながら優しい色彩や触れたくなるような質感で、鑑賞者の記憶の風景とリンクし、どこか懐かしい気持ちを呼び起こします。
本展では、100号の作品3点を含むパネル張りの作品とドローイングの、合わせて新作約20点を中⼼に展⽰します。色と質感に心地よく没入できるサイトウナオコの作品世界をどうぞお楽しみください。

【アーティストステートメント】

作品は、静止画というよりは線や色面を介した揺らぎのある余韻を感じるものとして表現したいと思っています。
とても曖昧だけど確実な記憶の断片を持っていたりします。
たとえば雨のにおいや整髪料のにおいが 胸をざわつかせたり、特に好きでもないメロディーが 子供の頃の記憶を鮮明に呼び戻したり。
私の描くモチーフは、曖昧だけど確実な何かでありたいと思っています。
そのためにあえて具体的な環境設定や詳細を削ぎ落とすこともしていくのですが、質感としてリアリティを追求していくことは絶対的に不可欠なのです。
顔料や日常から生まれた材料、古くから存在する支持体などに触れ、一見混ざりあうようで互いの存在を見せ付け合いながら変化する粒たちと紙を眺め、その広がってゆく様や定着に向かうまでの揺らぎ、沈殿の時差など、こうしたことがイメージするシーンと折り合いがついてくる瞬間はその度にゾクゾクします。
私自身の興味や感触によりあらわれた作品たちがどれだけ見てくれる方々のリアリティと共鳴できるのか、ということが私の今の表現活動なのだと思います。

京都市下京区四条通寺町東入ニ丁目御旅町35 京都髙島屋S.C.[T8]5・6階
Tel: 075-606-4525 営業時間:10:00~20:00 (不定休)

美術館情報

京都市京セラ美術館
本館 北回廊1F
本館 南回廊1F

モネ 睡蓮のとき
2025.3.7(金)-
6.8(日)



京都市京セラ美術館
新館 東山キューブ

松本市美術館所蔵
草間彌生
版画の世界
―反復と増殖―
2025.4.25(金)-
9.7(日)



京都市京セラ美術館
ザ・トライアングル

迎英里子
approach 3.1
2025.3.29(土)-
6.1(日)



京都国立近代美術館

〈若きポーランド〉
ー色彩と魂の詩(うた)
1890-1918
2025.3.25(火)-
6.29(日)



美術館「えき」KYOTO

中村征夫写真展
海中顔面大博覧会
2025.4.19(土)– 5.25(日)



京都文化博物館

<4・3階展示室>

特別展
「和食
〜日本の自然、
人々の知恵〜」
2025.4.26(土)-
7.6(日)



京都国立博物館

大阪・関西万博開催記念
特別展
日本、美のるつぼ
―異文化交流の軌跡―
2025.4.19(土)–
6.15(日)



特別展
宋元仏画
─蒼海(うみ)を
越えたほとけたち
2025.9.20(土)–
11.16(日)



細見美術館

広がる屛風、
語る絵巻
2025.5.24(土)-
8.3(日)