◆展覧会についての最新情報は、各ギャラリーのサイトでご確認ください。

イムラアートギャラリー京都 imura art gallery Kyoto

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松浦圭祐
「resonance」


2024.10.19 (土) ~ 11.9 (土)

この度イムラアートギャラリーは、京都では初めてとなる松浦圭祐の個展を開催いたします。

松浦は、1970年京都生まれ、多摩美術大学院の修士課程修了後に渡独、デュッセルフドルフ芸術アカデミーを卒業しました。以降、デュッセルドルフを拠点に、ヨーロッパ各地で展覧会を開催、また、大規模な野外インスタレーションを発表してきました。本展では、松浦の代表作である《jiba》シリーズとあわせて、《resonance》シリーズの新作、新たに取り組んでいる《ku》シリーズを展覧いたします。

松浦の作品は、物質と環境、可視と不可視の境界を探求することをコンセプトに、線や正方形、円、幾何学的形状や色彩といった要素を用いて制作されます。それらを特定の空間に配置することで、視覚的に認識可能な形として提示しますが、この形は単なる物質的存在にとどまらず、空気の流動、振動、磁力、重力、光などの非物質的エネルギーと共鳴し、新たな視覚的および物質的変化をもたらします。

こうした変化は、新たな空間とエネルギーの対話を生み出し、偶然と必然の交わる領域で、作家の予測を超えた現象が起こります。例えば、《resonance》シリーズでは、線と線の組み合わせによる視覚的効果が顕れ、《jiba》シリーズでは、磁力によって目に見えない磁場が視覚化されます。このように、自然界の現象に人工的に介入し、その空間にもたらされる変化を通して新しい世界を捉えようとしているのです。

視覚もまた、絶え間なく動くエネルギーのように変化し続けています。「物質とエネルギーの対比や調和を通じて視覚的リズムを創り出し、そのリズムによって物質と環境の相互作用から新たな秩序や調和を生み出すことを目指しています。」と松浦が言うように、エネルギー同士が共鳴し、衝突することで生まれるダイナミズムを、作品から感じ取っていただければ幸いです。

京都市左京区丸太町通川端東入東丸太町31 Tel:075-761-7372 休廊日:日・月曜日&祝日

同時代ギャラリー DOHJIDAI GALLERY of ART

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〈ギャラリー〉

 

CACA京都展
Part 1『文字の人体図』~漢字のデザインと幾何学~
Part 2『Be water 』~Freestyle works~


2024.12.4(水)〜 12.8(日)

漢字の正体は幾何学にあり!

「文字の人体図」は書の名筆の造形の本質に迫るものです。
書かれた時代、作者、書体にかかわらず、いずれの字形もある一定のデザイン・フォーマットに当てはまる画期的な新事実を発表いたします。
「書」の基本である漢字造形の幾何学的法則を発見し、バランス美の正体を明らかにした証例を歴代の古典のなかから各書体を選んで解析いたしました。
解析図は黄金比、3分割法、5分割法、9分割法、3種類の三角形、正円、正方形、また横画角度の規則性、画面構成などわかりやすく図示した24点の作品を展覧いたします。

京都市中京区三条御幸町南東角 1928ビル2階 Tel:075-256-6155 休廊日:月曜日

エンアーツ eN arts

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eeny, meeny, miny, moe | blue
麥生田兵吾 シュヴァーブ トム


シュヴァーブ トム


麥生田兵吾

2024.11.1(金)〜 11.30(土)
上記会期中 金・土・日 12:00-18:00 開廊
アポイントメント承ります

2024年11月1日より シュヴァーブ トム と 麥生田兵吾 による “ eeny, meeny, miny, moe | blue ” を開催致します。「色」は アーティストが作品を制作する際にとても重要な役割を果たします。そして 無数の色彩の中から選択する一色が、ときには その作品の運命をも決めてしまう要因とも成り得るのです。本展では、そのタイトルが示すように、出展作家が「青」をテーマに作品を発表致します。作家が自発的に選択するのではなく、決められた共通の一色を課題とし、作品を創り上げていただくという取り組みです。シュヴァーブ 麥生田 両氏にとって「青」は何を想起させ、どのように使い、どう魅せてくれるのでしょう。

おのおのの「青」を存分にお楽しみ下さい。

eN arts


Ultramarine Infinite

見晴らしのきく地点が、その現実を定義する。これらの写真のように、振り子の波動は独立した部品の集まりとしても、連続した波の動きとしても見ることができる。ラインスキャンカメラでは、振り子の揺れは忠実に記録されるのだが、カメラを縦にするか横にするかでは、全く異なったイメージが表れる。どちらの視点も、光の本質的な性質であるエネルギーを反映したリズムとピッチを明らかにしてくれる。振り子は長い、短いでそれぞれ光の周波数に高低差があり、我々が感じる色にも影響を及ぼすが、その中でも青色は最もエネルギッシュで、目に見えない 「化学的な光 」へと移り変わっていく。これらの振り子は光の二重性を模倣しているが、その波動は実は4兆倍以上に減速されている。

こうした光の速度に比べ、この鈍化した世界では、まるで夢から覚めたかのように、かつて私の幼少期の2つの別々の世界を分断していた夜のプルシアンブルーの領域から、時間が淡々と伸びていく。青い顔料はセルリアン(空色)の影を作り、それは私が記憶している初めて感じた自由の象徴であり、目に見えるものと同じくらい、私の中を通り抜けたウルトラマリンブルー(群青)であった。黄灰色をした石畳から、私は突然、目に見えない境界線によって区切られた大地を横切り、波の上を飛行機によって移動し、ターコイズブルー(青緑)の海を目指した。一コマ一コマ、夜明けは広大な希望を見せてくれたのである。

シュヴァーブ トム


「Artificial S」という一つの主題に専念し制作活動している。「S」は複数の意味と複数性そのものを包含する。

主題は全5章で構成され、全章を通して「生と死」が互いに溶け合うさまを表現する。

また 2010年より写真活動「 pile of photographys 」をweb上で更新開始(現在も継続中)。

麥生田兵吾

京都市東山区祇園北側627 円山公園内八坂神社北側 Tel:075-525-2355 開廊日:金・土・日曜日

ギャラリー16 galerie16

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小林伸雄 展
The Wrinkles


2024.11.26(火) 〜 12.7(土)

紙を無造作にクシャっと皺(しわ)を寄せた形をつくり、そこから3Dプリンターで版を作り、 紙、綿布、アルミ箔、金網、塩化ビニルなど素材やサイズを変えて増産された、インスタレーション。

 

松本誠史 展
SEIJI MATSUMOTO SPECTACLE FANTASY
『地中宇宙塊』


2024.12.10(火) 〜 12.21(土)

ステイトメント
この物語は人類の滅亡から地球崩壊までを描いたファンタジーだが、現実世界への問いかけでもある。私はこの物語を通して、新たな未来の「展望」と「希望」を表している。
2020年、人類は混乱し、心身は侵され、世界は一変した。
迫り来る危機感から「地中宇宙塊」の物語を構想し、私の作品の主題である「塊の彫刻」とリンクさせて展開した。2021年に第1章を発表してから現在第5章に至る。
第1章「地中宇宙塊」・第2章「新塊陸」・第3章「塊人の庭」・第4章「新塊人と塊獣」・第5章「さよなら地球塊」
私たち人間も、地球や宇宙も、互いに物理的もしくは精神的に影響し合い、循環し、今この瞬間も気づかないほどにゆっくりと進化している。

京都市東山区三条通白川橋上ル石泉院町394 戸川ビル3階 Tel:075-751-9238 休廊日:月曜日

ヴォイス・ギャラリー MATSUO MEGUMI+VOICE GALLERY pfs/w

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近藤千晶
「記憶を照射する Illuminate Memories」
インスタレーション


「記憶の家」
*撮影:草間茂樹
2023

2024.12.1(日)~ 12.12(木)13~19時
休廊日:12.9(月)・10(火)

2023年、24年と長野県安曇野市でのアートプロジェクトに携わってきました。地域に入り、その場所の風景や風土を体感し、土地や人々が刻んできた歴史や、関わることで生まれてきた記憶を、どれだけ鮮烈に作品として焼き付けることができるのか模索しています。
斯の地を離れ、彼の地で照らし出される光景が、見てくださった方々の頭の中に、どのような風景を浮かび上がらせ、どんな記憶を残すことができるのだろうか想像しています。(近藤千晶)

 

現代美術二等兵
「駄美術は今」


「どこでもローソン」2024

前半:2024.12.18(水)~ 26(木)13~19時
後半:2025.1.8(水)〜 12(日)13~19時
休廊日:2024.12.23(月)・24(火)
   および 12.27(金)~ 2025.1.7.(火)

今年の気候は頭のネジが何本か飛んでしまったかと思うくらい老体にとって厳しく長い夏でした。そして突然秋が来て冬、気がついたら年末に。
そんな中細々と制作を続けてきたアートユニット現代美術二等兵が恒例の新作展を行います。30年以上に亘って駄美術を作り続けた現在地を脈絡とか関係なく展示します。新しい取り組みとしてビン入り駄美術にもチャレンジしました。
何それ?という皆様ぜひお越しいただき「駄美術の今」を感じてください。(現代美術二等兵)

京都市下京区筋屋町147-1 Tel:075-341-0222 営業時間:13時~19時 休廊日:HPにてご確認ください。

京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA

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SPECIAL EXHIBITIONS
イザドラ・ネヴェス・マルケス
「ヴァンパイア・イン・スペース」



2024.11.4(月)〜 12.22(日)
休館日:月曜日  11.4(月・振休)は開館

主催:京都市立芸術大学
協力:Galleria Umberto di Marino
後援:在日ポルトガル大使館
   カモンイス言語国際協力機構
企画:岸本光大
   京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA

エコロジー、身体の定義、新たなテクノロジーの可能性と限界、クィアの権利といった現代社会が抱えるテーマに鋭く迫るイザドラ・ネヴェス・マルケス(Isadora Neves Marques/1984年ポルトガル生まれ)の作品は、現在、国際的な舞台で大きな注目を集めています。映画、詩、小説、インスタレーションなど多彩な手法を用いて、フェミニズムや性の多様性、植民地後の社会文化などに対する関心をSF的アプローチと巧みに融合させた彼女の作品は、進行中のグローバルな課題に深い思索を通じて応答します。それらは包括的な社会を築くための議論や行動の必要性を問いかけると同時に、未来に向かう私たちに新たな視点と想像力を呼び起こします。

ネヴェス・マルケスの活動を日本で初めて紹介する機会となる本展では、第59回ヴェネツィア・ビエンナーレで話題を呼んだ映像インスタレーション《Vampires in Space》(2022)を@KCUAの展示空間に合わせて再構成します。また、同作品と響き合う短編映像作品《The Ovary》(2021)や《Meat is Not Murder》(2021)もあわせて上映することで、彼女の作品世界をより多層的に紹介します。

《Vampires in Space》あらすじ
「宇宙はいつでも夜。」未知の目的地を目指す宇宙船に乗り込んだのは、さまざまな事情を抱えた5人のヴァンパイアたち。地球での社会的な制約や期待から逃れるようにして新たな旅へ出発する。答えのない孤独な宇宙を漂い、より良い生き方を模索するオープンエンドな物語である。
(3チャンネル・ビデオ・インスタレーション、サラウンドサウンド、38分、22 分、20 分、ループ再生)

*本展英題|Isadora Neves Marques: Vampires in Space and Other Fictions

京都市下京区下之町57-1 京都市立芸術大学 C棟1F Tel:075-585-2010  休廊日:月曜日

MORI YU GALLERY 京都

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黒田アキ 個展
「/I/ CHI-KYU / CITY /」


"untitled"
acrylic and mixed media on canvas
194×162cm , 2024

2024.12.8(日)~ 2025.2.2(日)
オープニングレセプション:12.8(日)15:30-18:30

MORI YU GALLERYは12月8日(日) より、黒田アキ個展「/I/CHI-KYU/CITY/」を開催いたします。
1970年代から黒田アキが連綿と続けてきた重要なタイトルやモチーフである球や都市、子宮や楕円、私、愛…を中心に据えた作品を選び、70年代初頭の作品と最新作のみの作品群を展示いたします。
どうぞ御高覧下さい。

黒田アキ Aki Kuroda
1980年にパリ国際ビエンナーレのフランス部門から出品したのと前後して、ボナールやマティス、ミロやジャコメッティ、カルダー等をパトロナイズしヨーロッパのアートをリードしてきた、フランスのマーグ・ギャラリーと契約しました。(「マーグ・コレクション展」 横浜美術館、1994年) 以降、ヨーロッパ、アメリカを中心に、日本では二十数年間MORI YU GALLERY にて個展を多数開催し続けています。

日本では1993年に東京国立近代美術館において当時最年少で個展を開催(1994年、大阪の国立国際美術館へ巡回)、翌95年にはサンパウロ・ビエンナーレ(ブラジル)に参加することで世界的な評価を受けました。また、1993年にはロシアバレエの傑作『Parade (パラード) 』の再演にあたり舞台美術を担当しました。(パリのオペラ座、アヴィニョン国際演劇祭で上演)この『Parade (パラード)』は、1917年にジャン・コクトー(台本)、エリック・サティ(音楽)、パブロ・ピカソ(舞台美術・衣装)という組み合わせで、パリのシャトレ座にて初演された伝説的バレエ作品です。

黒田の美的関心は広く、1985年から哲学者のジャック・デリダやミシェル・セールが寄稿する美術文芸誌『NOISE(ノワズ)』を編集、創刊しています。1991年には、より私的な『COSMISSIMO (コスミッシモ) 』という美術誌を創刊し、その誌上ではヴィム・ヴェンダースやソニア・リキエルの作品が黒田の絵とともに戯れています。

また、建築家の安藤忠雄やリチャード・ロジャースとのコラボレーション、TOKYO DOME MEETS PORT HALLにおいて数十メートルのWALLアートワークや高さ9mのオブジェを制作する(2008年、東京)など、他分野との交流も多い作家です。(2003年に黒田が全アート・ワークスを担当した京都の南山城小学校は、イギリス王立英国建築家協会「ワールドワイド・アワード」(2004年)を受賞)

このように黒田は、一枚のカンヴァスと対峙する画家であると同時に、不安定で予期しがたい状況を軽やかに且つ確実に足跡を残しながら、 総合的な表現を続けている希有な作家なのです。

<MORI YU GALLERY VIEWING ROOM>

 

黒田アキ 個展
「ORGANIC CITY BREAKING」


2024.11.30(土)~ 2025.2.1(土)
アポイントメント制
OPEN:金・土 13:00 - 17:00

黒田アキ Aki Kuroda
1944年 京都に生まれる
1970年 渡仏、パリ在住

黒田が考える都市CITYは黒田アキのコンセプトの一つCOSMOGARDEN(宇宙庭園)の変容体であった。COSMOGARDEN(宇宙庭園)とは、京町家のような小さな庭やキャンヴァスには計り知れないほどの大きな宇宙が詰まっているのだと語られているのかもしれない。

1996年に黒田は、このように語っている。
「いま宇宙にすごく興味があるんです。ロマンティックな宇宙ではなくて、宇宙科学者が考えている具体的な宇宙を知りたい。それから人間の肉体、とりわけ脳を知りたい。そういう科学の海みたいなところに、自分の子供の頃からの美術史というか、美的経験を隕石のようにポーンと落としていく。そうすると波ができるでしょう。そういう空間をつくってみたい。」(1)

黒田アキの最新作は、縦3.2m×横4mの『Organic City Breaking』。そこには激しくダイナミックな筆跡によって描かれた有機的なCITY、顔や人型、兎や象といったミュータントのようなかたち(フィギュール)が存在する。しばらく目を凝らして作品をみていると、こうした「フィギュール」は、その背後の線に溶け込むように存在していて、時折、その線の亀裂や抜け道のような部分へと流れ動き、時折それがバチっと凍るように固まるのだ(「Crystallize=Breaking」と黒田は呼ぶ)。キャンヴァスの平面的な世界と、そこに穿たれた真っ黒な深淵にも似た溝の異次元との往還の途中で、それらの「フィギュール」は、動き(Organic)ながら、一瞬「Crystallize=Breaking」する。東京ドームCITYには「Crystallize=Breaking」したオブジェが多数ある。黒田が作った9mのオブジェは「Cosmoflower」、「マリリン」、「ジェームス」などと名付けられ鎮座している(2008年、東京ドーム MEETS PORT ホールでのアートワーク)。まさに黒田のキャンバスからこぼれ落ちた隕石のように存在するそれらは、絵画の中に時折呼び戻され形を変えて黒田の宇宙、CITYに登場している。

宇宙について、黒田はこのようにも述べている。
「宇宙は海綿、スポンジのような形をしているといわれていて・・・たえず、パッサージュ、穴が開いている。・・・アートは結局ラビラントのようなもので、問題はそこから逃れるためにものをつくるわけなんですが、ミニマル・アートなんかは、スッキリとね、逃れられるわけです。・・・だけど生身の人間というのは、やはりそれじゃまんぞくできなくて、もうひとつのラビラントをつくらなければいけない。」(2)

黒田が考える宇宙、OrganicでBreakingなCITY、ミュータントが描かれた新作をどうぞご高覧ください。


(1)-黒田アキ+小林康夫「反逆する手」p.12

(2)-『黒田アキ、日本の画家』Aki Kuroda, Quoted in F. Will-Levaillant, "Aki Kuroda, peintre japonais・Paris", Critique, no. 428-29(janvier. - février. 1983), p. 155.

〒602-0007 京都市上京区下清蔵口町133−17

京都市左京区聖護院蓮華蔵町4-19 Tel:075-950-5230 休廊日:月曜日・火曜日・祝日

ギャラリー ヒルゲート  Gallery Hillgate

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〈1F・2F〉
廣田政生 展(独立美術協会会員)
群青図

2024.12.3 (火) ~ 12.8 (日)

私の絵で多用している美しく強い青色は「ウルトラマリン」という色で、私の作品に再三登場している好みの色材である。最近はこの色だけで絵を描きたいと想うほどにすっかり魅了されて、ついに「群青図」というタイトルを付けるに至った。
一般に「青」のイメージはと問えば、澄んで透明感のある「空」や「海」、あるいは「地球」の色を思い浮かべるだろうか。
美しく澄んだ「青い地球」が、戦争や災害、環境汚染などにより「毒色」に染められていく昨今、この地球がいつまでも美しく強い「青色」であるようにという想いを込めて「群青図」を描く。

 

〈1F・2F〉
池田良則 展
-海からの微風と砂の香りと-
(日展特別会員・白日会常任委員)

2024.12.10 (火) ~ 12.15 (日)

「アラブの春」の発端(ジャスミン革命)となったチュニジアを旅したのが2018年、(その昔カルタゴがあった北アフリカの国です。)その直後からの世界的パンデミックで世の中は変わってしまいました。出歩く事もままならず、美術館も閉鎖、公募展も無観客開催という事が続きました。
京都ではお目に掛けていないその間の作品も含めてチュニジアとポルトガル南端アルガルヴェ地方の風と光を感じて頂ければ幸いです。

 

〈1F・2F〉
キノプリント 展
2025京都精華大学版画コース
3回生・4回生・院生・教員による版画展

2024.12.17 (火) ~ 12.22 (日)

「KINO PRINT」とは、京都精華大学版画専攻に所属する4回生・大学院生・教員による版画集です。版画の特徴である複数性(エディション)について考え、26.5㎝角の画面に木版画、銅版画、リトグラフ、シルクスクリーン、写真などの版画技法を使い制作した作品たちが一つの箱に集約されています。版画専攻の設立以来続いてKINO PRINT出版を記念した展覧会を今年は例年より早い12月に開催いたします。

 

〈奥庭展示〉
松本誠史展 新塊人と塊獣

2024.7.4 (火) ~ 12.22 (日)

「侵蝕と再生」をテーマに作品を制作。主にセメント、モルタルをはじめ石膏、樹脂なども扱う。 表面には指の跡を積極的に残し、外側から刮ぎ取ったへこみと、内側からの圧力による盛り上がりを造形の要素として取り入れたプリミティブでユニークな形態を生み出している。近年、架空の未来を描いた「地中宇宙塊」シリーズを発表し、立体のほか、ドローイングや動画を使って表現の幅を広げている。本展はシリーズ第四章となる。

京都市中京区寺町通三条上る天性寺前町535番地 Tel:075-231-3702 休廊日:月曜日

京都芸術センター Kyoto Art Center

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<ギャラリー北・南>

 

「Body Buddy Baby」


2024.11.5(火)〜 12.22(日)

出品作家:吉川永祐 高橋順平 内田望美
     川松康徳 吉野 靫
主催:川松康徳
   京都芸術センター(財団法人京都市芸術文化協会)

群馬を拠点に活動するアーティストの川松康徳と京都芸術センターが共同で主催する本展覧会は、「身体と実存」をテーマにしています。乳幼児(Baby)が自らの身体(Body)を起点に他者や世界と絆(Buddy)を結ぶように、川松を含む4名のアーティストたちは、本展で、自らの身体を起点に世界を捉え返そうとします。展示のほか、パフォーマンスやレクチャーも実施します。どうぞご覧ください。

ドラマのワンシーンが流れている。犯人を追跡する警察。GPS、監視カメラ、口座履歴、電子決算、通話記録、IPアドレス、、、四六時中記録され、離散したログに残るバラバラになった犯人を時空間で関連付けることで、身体の在処をトラッキングしていく。いくつもあったタイムラインがひとつに集約していくドラマとは反対に、現実はパーソナルなタイムラインの中で、デジタライズされたログの羅列が主体を物語っていく。ひとつである必要がなくなった時間、同じである必要がなくなった空間には、語りやすく加工して切り出された私と、そのためのランダムに離散した身体が浮いている。それは本来身体が持っていた自由になる制約への所作を、記述され続ける現実の中に閉じこめてしまう。閉じられた所作はコストになってしまい、コストパフォーマンス/タイムパフォーマンスとして支払いの対象となる。そうやって社会的構築物となったアイデンティティに、私たちの実存はあるだろうか?本展では身体の在処、そのプリミティブな制約を再起動するために、デジタライズされる身体/現実への反応として、バイオメトリクス(生体認証)における情報処理過程を参照しながら、それぞれのアーティストの実践の先に、これからの在り方を見つけていく展覧会です。(川松康徳)

■オーディオガイド
展覧会では、各作品の近くに、身体を基準とした作品の見方を示すオーディオによるガイドバイアスが設置されています。それは作品の見方を案内するよりも、特定の基準に照らし合わせ、むしろ鑑賞者の認知を誘導するものとなってしまうでしょう。その認知バイアスをすり抜けて、独自の身体を見つけることができるでしょうか?

京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2 Tel:075-213-1000

ギャラリー・パルク Gallery PARC

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木村亜津・冨田秀一郎・前川紘士
滞留
STAGNATE


2024.8.24 (土) ~ 9.15 (日)
13:00 ~ 19:00 水・木休廊

主催:滞留展プロジェクトチーム
協力:Gallery PARC、ファンダメンタルズ プログラム

「滞留」は、美術作家の木村亜津と前川紘士、生物学者の冨田秀一郎による自主企画展です。本企画のメンバーは、2021年からの3年間、科学者と美術作家の交流を促すプログラム「ファンダメンタルズ プログラム」に参加した際に出会い、木村と冨田、前川と冨田のそれぞれがペアを組み、個別に交流を重ねてきました。交流のペースや内容はそれぞれのペアで異なりますが、手探りのやり取りの中から少しずつ他者と共有できる/してみたいと思う断片が生まれて来ています。

展覧会タイトルの「滞留」とは、本企画を表す言葉として3者が共通して適っていると捉えた言葉です。英語に訳した“STAGNATE”には、”停滞”や”淀み”といったネガティブな印象を与える意味もありますが、元の流れから一旦距離を取り、アイディアやイメージを漂わせることは、新たな想像や実践を育む機会にも繋がります。本展では、それぞれの交流から生まれたものを来場者と共有すると共に、通常のスピードでは流れ過ぎて行ってしまうものを一時的に留め、留まったもの同士の邂逅や新たな相互作用が生まれる事を期待しています。


Statement

私の世界を球とした場合、私は対象と向き合った時に円が重なる場所はどこだろう、重ならなくても触れる接点のような場所はどこだろうと考えます。対象を俯瞰で見たり、ぐっと距離を縮めるなどして観察を行い、また同時に、作品として形にすることで接点を探ってきました。今回の対象は昆虫であると同時に生物学者の冨田さんでもあり、どうすれば彼らと接することができるかを、実践的かつ具体的な方法で探ってみました。

木村亜津

私たちが様々な生命現象と向き合ったときには、あらゆる階層で「擬人化」をして理解しようとすることに気づいた時に、私には「他の生物と意思疎通ができるのか(出来るとすればどうやって)」という根源的な問いが生まれました。しかしながら芸術家の皆さんとの交流を通じて感じたのは、人間同士でもその手段·方法は必ずしも保証されない、ということでした。開き直って全ての生物わけへだてなく「感覚共有幻想」として楽しむことにしました。

冨田秀一郎

生物学者の冨田さんとの交流は、お互いの「捉え難さ」が、出発点であると同時に交流に取り組む際の動機でもありました。様々な方法を通して、お互いの興味が動くポイントを探す”炙り出し作業”を続けています。 今回は、これまでの交流の中で、言葉を用いずに行った”もの”のやりとり「模型の交換」を並べます。また、身の回りの生き物についての記述の整理やアプローチをこの機に進め、今後の活動に還元出来る経験を増やしたい、と考えています。

前川紘士

■関連イベント1 「滞留トーク①」
日時:8.24(土)15時〜16時
定員:15名(申込不要/先着順受付)

■関連イベント2 「滞留トーク②」
日時:9.15(日)15時〜16時
定員:15名(申込不要/先着順受付)

京都市上京区皀莢町287 堀川新文化ビルヂング2階   開廊時間:13時~19時 休廊日:水・木曜日 

GALLERY TOMO

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篠原猛史
-超臨界点-

2024.11.29 (金) ~ 12.14 (土)
日月火曜日休廊
営業時間 12時→18時

展示に際して

篠原猛史は京都市に生まれ、1981年にNYのプラット・インスティテュートのドローイング専攻を卒業。その後はベルギーを中心に、カナダ、ガーナ、フランス、北欧など様々な国々を拠点としながらその芸術を磨き上げてきた。初めに渡ったNYではヨーゼフ・ボイスの薫陶を受けその社会彫刻の概念を参照し、また親交のあったキース・へリングとは互いの作品を交換するなど知己を得て、80年代よりその名を知られ始めた。00年代に入ってから現在は日本国内に拠点を移し、現在は東京大学の講師としても活動している。

篠原の作品は立体と平面、抽象と具象の区別は特にない。風、水、火、音などあらゆるものを素材と見立てて作品を構成させる。これらは単なる造形の構成でもなければ、抽象的なコンセプトの主張でもなく、自然の絶えざる循環と人間の営為によるその関係性といった、現実的な問題についての表現である。

ここ数年間、「臨界」というテーマで制作を重ねてきた篠原。フィボナッチ数列のように、これまで生み出したイメージを着実に重ね、限界のそのさらに先を目指しながら放物線を描いている。今回の作品群は、スウェーデン、ベルギー、NYなどこれまで過ごした様々な地域の水を用いて絵具を溶いて制作。内と外、雨の中で制作をしながら、それらを持ち帰り室内で水性及び油性の絵具で仕上げている。

今回の青は、これまでと比較しより光が届かない海の底を連想する深い青が中心となっている。これは篠原の歩みが自然の原理に従い放物線となって表れ、淡い青からより深い蒼へと変わりゆく色相となっていることがわかる。万物は永遠にその形を留めることはできないが、絶えず移ろう時の中で限界を越え続けてきた篠原の歩む軌跡が、こうした色相の変化をもたらしているのかもしれない。

また今年は近作を収録した新たな作品集「IMAGE OF MERKMAL」を刊行した。こちらはオンラインと共に本展示に於いても販売する。

近年の主な個展は、「生の臨界点」GALLERY TOMO(京都、2023)、「月の臨界角」松坂屋上野店外商サロン(東京、2023)など。近年出展したアートフェアとしてACK(国立京都国際会館、2021、2022)、art KYOTO 2023(元離宮二条城、2023)、アートフェア東京2023(東京国際フォーラム、2023)など。彼の作品は、大英博物館(イギリス)を筆頭に、ヘント市立現代美術館(ベルギー)、愛知県美術館(名古屋)、国立国際美術館(大阪)など、数多くの著名な公共及び民間のコレクションに収蔵されている。

GALLERY TOMO

京都市中京区寺町通丸太町東入る南側下御霊前町633 青山ビル1F Tel:075-585-4160 休廊日:月・火曜日

KUNST ARZT

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茨木佐知子 個展
シカクのあそび


2024.12.3(火)〜 12.8(日)

KUNST ARZTでは、13年連続となる 茨木佐知子の個展を開催します。
茨木佐知子は、事の本質をミニマルに、 ユーモラスに表現するアーティストです。
「ジンベエザメ」を描くことからスタートし、 その水槽→水族館(建築) →家や画廊の内部空間や台座、 そして「シカク」そのものにまで切り詰め、 近年は、七宝焼による「シカク」を 核として様々なモチーフを展開しています。
本展では、植物のイメージに用いる七宝焼と、 コルク粘土で造形した土のイメージによる、 『耕す/cultivate』をテーマに展開します。

(KUNST ARZT 岡本光博)

助成 :石井慶治財団

<アーティスト・ステートメント/展覧会コンセプト>

コルク粘土を使用して制作している時、 ふとあることを思い出しました。
確か中学の英語の授業だったと思うのですが、 『culture/文化』と『cultivate/耕す』の語源が 同じものであると聞いた記憶です。
『長い年月を経て自分の中で積み重なってきたものが、 作品として生まれてきている』
深夜、コルク粘土を無心に耕しながら、 そんなことを実感しました。

 

VvK39
岡本光博キュレーション
日韓朝美術


李晶玉
天岩戸
2023

2024.12.13(金)〜 12.22(日)

井上裕加里
岡本光博
肥後亮祐
李晶玉

KUNST ARZTでは、VvK (アーティスト・キュレーション) 展覧会の39回目として、岡本光博キュレーションによる、 日本と韓国と朝鮮の関係性をテーマとした 「日韓朝美術」展を開催します。
本展は、「日本・韓国・北朝鮮」の三つの国の神話をベースに展開した連作を発表する 在日朝鮮人3世である李晶玉、 日本と韓国の間の海域に実在する隠岐島の日韓交流の痕跡を再現する試みの井上裕加里、 日本と韓国の間の海域で存在が曖昧な島「Parangdo」が引き起こす日韓の異なる捉え方や矛盾を検証する肥後亮祐、 そして日韓朝関係の長期にわたるリサーチを元に、 2021年からジョセフコーネル作品を引用する形で展開している岡本光博の4作家の作品で構成します。
甲子園球場で京都の高校生が胸を張って ハングルの校歌を歌える時代を歓迎しつつ、 アートだからこそできるタブーを超えた関係性の ”薬”を提供できればと考えています。

岡本光博
(KUNST ARZT主宰、美術家、本展キュレーション)

京都市東山区夷町155-7 2F Tel:090-9697-3786 休廊日:月曜日

ギャラリー恵風  Gallery Keifu

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*今後周囲の状況を鑑み、変更することもございますので、ご来場の際はホームページやFacebookでご確認くださいませ。

 

〈1F・2F〉
山本俊夫 個展
~ 墨の森 ・ 文字の原 ~


2024.12.3(火)~ 12.8(日)

近年取り組んでいる2つのテーマ「木を観て森を見る」と「文字之原」をそれぞれ1階と2階に構成したいと思う。
1階 :「木を観て森を見る」は小さな独立した水墨画があたかもデジタル画像のピクセルのように大画面を形作るものであり、遠景から近景、全体から細部へと絵の中に分け入るような作品です。
2階 :「文字之原」は古屏風の表地を剥がすと現れる下張り紙には古い反故紙が使われており、屏風前面を覆う文字列は文字の原野のように見える。
日本にかつて存在した文字と絵が渾然一体となった芸術を目指したものです。(山本)

 

〈1F〉
Christmas selection 2024
ー灯すー
谷川 真紀 三橋 卓 若林 静香


2024.12.10(火)~ 12.22(日)
※ 12.16(月)休廊 (最終日-18:00)

今年もChristmas selectionでは、作家それぞれがクリスマスにまつわるテーマを設定し作品をつくります。
蝋燭の灯は、ゆらゆらと揺れながら、ささやかな明るさと暖かさを与えてくれます。
そんな作品たちを、師走の喧騒からそっと抜け出し覗いていただければ幸いです。(一同)

 

〈2F〉
汪 美杉・謝 岳静・高 安琪 三人展
揺らめく境界


2024.12.10(火)~ 12.15(日)

この度、三人展では、版画、写真、絵画の境界を揺らめかせ、異なる視点で物事の境界の曖昧さを探り、観者を感覚と概念的な境界を超えた無限の想像力の世界へ誘う。三人が共通しているのは、「物事は動的に揺れ動いてきたものだ」という内的な認識である。
この「境界」の曖昧さと輪郭の揺らぎさは、物事の外的なかたちだけではなく、内的な精神方面も含めているだろうか。(汪)

 

〈2F〉
岩間一真 展
14歳が導く無限の世界


2024.12.17(火)~ 12.22(日)

僕は中学2年生の岩間一真です。
絵を描くことが大好きです。小さいころから毎日絵を描いています。
きっかけは美術館の画集をみて描くようになりました。
今は民俗の祭りや行事にとても興味があります。
この個展でも行事をテーマにした作品を出しています。
たくさんの人に僕の絵を見てもらいたいです。(岩間)

京都市左京区聖護院山王町21-3 TEL:075-771-1011 休廊日:月曜日

2kw gallery

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田中真吾


2024.11.30(土) 〜 12.22(日)
月・火・水 定休 13時―19時(最終日は17時終了)

トークイベント:12.14日(土)17時~​
聞き手:福元崇志(国立国際美術館 主任研究員)

滋賀県大津市音羽台3-29-1 TEL:090-5241-8096 休廊日:月・火・水曜日

Gallery G-77

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イトウナホ 個展
「名ざされない時間における希望について
~About Hopes in Non-Special Time」


2024.11.27(水)〜 12.15(日)

イトウナホは、日本の伝統的な美学と伝統的な絵画材料(手作りの紙、岩絵具、墨、金箔、銀箔、膠など)を学びました。日本語で「岩絵具」と呼ばれるこれらの色材は、粘土、さまざまな鉱物、牡蠣やハマグリの貝殻、その他多くの要素で構成され、古代から使用されています。イトウはそれぞれの材料を自分の指で膠と混ぜ合わせます。それらは非常に繊細に扱われ、手作りの紙に貼り付けられます。また、季節に応じて配置される必要があります。このため、「自然」はイトウが楽しむ技法の一要素に過ぎないと言えるでしょう。
イトウの絵画では、抽象的な表現が伝統的な岩絵具の技法と組み合わされています。岩絵具は無数の色を持ち、各画家が自分自身の色調を作り上げることができます。彼女は何百年も前と同じように、各材料を指で擦り、溶かし、膠と混ぜて紙に塗布します。この過程により、必要な色調を達成し、色と質感のバランスを見つけることができます。この実践は、アーティストの作品において重要な部分を占めています。
イトウは線を使用せず、作品は異なる強度の色斑で構成され、光に満ち、色調が完璧に仕上がっています。それらは透けて見えるようで、表面に現れ、色のオブジェクト、多層の痕跡として集まり、アーティストが感じ取った現実の反映や影として存在します。絵の表面に塗られた各色斑は、彼女の思考、感情、または瞬間を反映するために設計されています。


そこへは、どこからでも行くことが出来ると信じられることが重要なのだ。
​様々な物語を生み出したあまたの星々が浮かぶ天空は真っ暗で、無数に思えた星々よりもあの虚空の方が遥かに大きく、その広大さに途方に暮れるとも、意味以前の希望を知ることが出来ますように。
​絵画は、過去を過ぎ去ったものとすることなく、また、言語的想起とすることもない。過ぎ去ったと思われた過去は、今現在に至るも失われないものとして体現され、また、未来へと投げかけられるものである。私達は何をも失わず、混迷の時にも、新たな芽吹きをもたらす無数の小さな種子が、そこここに存在することを思い出したい。
ここに展示された作品は、あらゆる時間に内在するはずの希望について、絵画において体現しようと試みたものである。もしここに小さな種子や光が知覚されることが叶うなら、それは本当に今ここにあるものだと、信じられると思うから。
ある滞りのままに、時間が過ぎ去ることに耐えられなくなった者は、ある時気付くのだ、時間とは、私のことだった、と。

イトウナホ

京都市中京区中之町73-3 Tel:090-9419-2326 休廊日:月・火曜日

艸居

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<艸居アネックス>

 

MIKADO2
「Do You Know Me?」


小池一馬
Head and Three Crocodiles
2024
写真:今村裕司
画像提供:艸居


山田周平
Composition©
2024
画像提供:作家
※同シリーズの類似作品を展示


神馬 啓佑
Untitled(hello?)
2024
画像提供:作家

2024.12.5(木)〜 2025.2.19(水)
(冬季休廊2024.12.28 〜 2025.1.8)

本展「Do You Know Me?」は、京都市京セラ美術館のザ・トライアングルにて2024年12月22日(日)まで開催中の「MIKADO2: ワニのためのフーガ」展の続編的な展覧会です。

MIKADO2は、山田周平、小池一馬、神馬啓佑の3人によるアーティスト・コレクティブです。2021年に活動をスタートさせました。既存のフォーマットに「欠落」または「ズレ」を作り出し、そこに一見すると無意味な遊びのような制作行為と態度を伴い補完することを試みています。

「ワニのためのフーガ」展ではMIKADO2は“担当制の共同制作”という形で絵画、彫刻、映像、インスタレーションなど様々なアプローチを駆使して、実体のわからない“神話の中のワニ”に迫ることを試みました。しかし“ワニ”は次から次へと姿を変え、結果的にスルリと逃げてしまい捕まえることはできなかったとMIKADO2は言います。

ザ・トライアングルを舞台に繰り広げられた“ワニをめぐる旅”の記憶を、MIKADO2のメンバーそれぞれが持ち帰り、咀嚼し、それをもとに単独で制作した新作を本展「Do You Know Me? 」で展示いたします。「ワニのためのフーガ」展と本展との「繋がり」を見つけて楽しんでいただけたら幸いです。

艸居:京都市東山区元町381-2 Tel: 075-746-4456 開廊時間:11:00AM - 6:00PM 休廊日: 日・月曜日

艸居アネックス: 京都市中京区一之船入町375 SSSビル3F Tel: 080-9745-8452 開廊時間:1:00PM - 6:30PM
休廊日: 日・月曜日

京都 蔦屋書店

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<6F エキシビションスペース>

 

ハシグチリンタロウ
「しるしの黎明 -dawn of sign-」


2024.12.6(金) ~ 12.25(水)

主催:京都 蔦屋書店
協力:Gallery NAO MASAKI

書家/WLIGHTERのハシグチリンタロウは、「書くこととは一体何なのか」を追求・思索しながら創作活動を続けています。近年は「なぜ人は記すのか」という、書を根本から問い続ける作業の中で生まれた「WRITE(書く)」と「LIGHT(灯す)」を組み合わせた造語「WLIGHTE(ウライト)」をテーマにしたシリーズを発表しています。
本展では、「文字」がうまれる前の、かつて情報の伝達に使われていた「記号」や、言葉の起源を探ろうと試みた作品群を展示します。メインビジュアル「telephonix」(テレフォニックス)は、「空気を伝う音声が文字として視覚的な形を持ち、遥かな時空を流転して読まれることで再び音声として蘇ることの不思議さ」から着想した造語。それをまるで黒い文字の生き物が飛び出すかのようにタオルで大胆に描いた大作です。アルファベット一字一字が生き物であり、文字の生態は、それらが結びつくことで成り立っていると考えるハシグチの世界観がその筆跡から見出されます。
そのほか、現代の文字が1000年後の未来にどのように伝わるのかを空想しながら制作した「謎の本」の断片や、その本に登場する謎のキャラクター「MADDRUNKER」(マッドドランカー)、ハシグチがかつて作業場として借りていたパチンコ屋でひらめいた文字の起源を空想したシリーズ「tama SEE Nation」(無数の玉を見る→玉・SEE→タマシー→魂への飛躍)などを展示します。自身も未だ答えの見えないという「しるしの黎明」はいかなるものなのか。ぜひ会場にてご高覧ください。

【アーティストステートメント】

(一部抜粋)
「遥か昔」と私たちが想像する、時の向こうの時代がかつて確かに存在していて、そこには今に至るまで人類が文明を進歩させていく過程で失われてしまった様々なものが確かに息づいていた。
たとえば、現代、文字は情報を表示するための記号として、装飾を削り、視認性を究め、その洗練の果てに至ったといえる。一方、遥か昔には情報記号として洗練される以前の、文字や記号や象徴の原点、その始まりの夜明け前、つまり「しるしの黎明期」がきっとあった。そこには、体系化はおろか、文字であることすらまだはっきりとしていない中に、しるしと精神が未分化のまま渾然としていた。
きっとそんな時代があったのではないかという憧憬あるいは懐かしむような思いが僕の中にはあって、おそらくは文字の世界に足を踏み入れはじめた幼少期の驚きや不思議さが大人になっても強い関心として残っているということなのかもしれない。
「文字の中に生き物のような生態のようなものを見る」という態度は現代においては虚妄かファンタジーである。 それでも、僕が大判の紙を広げて夜な夜な、あるいは夜明け前にバケツいっぱいの墨汁にタオルを突っ込んでから書く、という生活を続けているのは、自分が書いた文字の中に黎明期のしるしの生態を見る思いがするからだ。

<6F ギャラリーウォール>

 

タニグチカナコ
「吉祥」


2024.12.9(月) ~ 2025.1.10(金)

主催:京都 蔦屋書店

タニグチカナコは、京都を拠点に活動するアーティストです。人とのつながりやコミュニケーションをテーマに、手足をモチーフとした作品を日本画の技法や表具を用いて制作しています。“ぷるぷる”、“むにむに”した触感をイメージしたという手足のフォルムと、和紙を何層にも重ねることで表現した人肌のような質感によって、思わず触りたくなるような温かみや血色を感じさせつつも、同時にどこか怪しい雰囲気を生み出しています。
「吉祥」と題し年末年始をまたぎ開催する本展では、これまでにない色味のある華やかな作品やグッズを発表します。そのほか、画像では表現できない実物ならではの質感を重視した過去作《eye》、掛け軸のように仕上げた作品も合わせて展示します。

【アーティストステートメント】

人との関係や感情の輪郭を探る。 祖母が広島で被爆し自身も被爆3世と言う事から、血の繋がり、人との繋がりとその歴史と現在の自分を形作る関係性、などに興味を持ち現在の制作を行っている。
学部時代に表具を学んだことから、和紙や墨など日本画で使用する素材を作品に落とし込み、草木染めや自身で染めた和紙を用いて人の肌の質感を表現している。

タニグチカナコ

京都市下京区四条通寺町東入ニ丁目御旅町35 京都髙島屋S.C.[T8]5・6階
Tel: 075-606-4525 営業時間:10:00~20:00 (不定休)

美術館情報

京都市京セラ美術館
本館 北回廊1F
本館 南回廊1F

モネ 睡蓮のとき
2025.3.7(金)-
6.8(日)



京都市京セラ美術館
本館 北回廊1階
新館 東山キューブ

蜷川実花展
with EiM:
彼岸の光、此岸の影
2025.1.11(土)-
3.30(日)



京都市京セラ美術館
ザ・トライアングル

MIKADO2:
ワニのためのフーガ
2024.10.19(土)-
12.22(日)



京都国立近代美術館

生誕120年
人間国宝 黒田辰秋
―木と漆と螺鈿の旅―
2024.12.17(火)-
2025.3.2(日)



美術館「えき」KYOTO

没後120年
エミール・ガレ展
美しきガラスの世界
2024.11.22(金)–
12.25(水)


プリムラ文花器
1900年頃 個人蔵
H20.3cm×
W11.8cm×D6.2cm


京都文化博物館

<4・3階展示室>
日中平和友好条約
45周年記念
世界遺産
大シルクロード展
2024.11.23(土・祝)- 2025.2.2(日)



細見美術館

琳派展24
「抱一に捧ぐ
―花ひらく〈雨華庵〉の絵師たち―」
2024.12.7(土)-
2.2(日)


酒井道一
《藤に牡丹図》
明治期