◆展覧会についての最新情報は、各ギャラリーのサイトでご確認ください。

イムラアートギャラリー京都 imura art gallery Kyoto

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宮本佳美
「Internal sight」


Dual world
綿布に水彩、アクリル
181.8×291cm, 2024


afterimage
40×40cm
綿布に水彩、アクリル
2024

2025.2.8 (土) ~ 3.1 (土)

この度、イムラアートギャラリーでは、6 回目となる宮本佳美の個展を開催いたします。 学生時代より一貫してモノクロームの絵画を描いてきた宮本ですが、その根底には、「光」という現象を捉え たいというシンプルな追求があります。

押し花やプリザーブドフラワーを用いて透過する光を捉えることから始まり、彫刻や白く着色した花に現れる 陰影を捉えて光と影を描く、あるいは海外の強烈な陽射しを浴びる鉢植えの花の印象を描いた作品等、モチー フとなる対象はさまざまですが、その制作活動には、どうしたら「光」を描くことができるのか、という作家 の問いが常に存在しています。

宮本は、2022 年にエミール・ガレやドーム兄弟のガラス器をモチーフに、やはり光をテーマとした新作を発 表しました。その制作を振り返り、「ガラス表面の輝きを捉える光、内側から透けてくる光、物を知覚するた めの光、その 3 つの光を描いていました。(中略)ただ、絵を描く過程においてガラスそのものと十分に向き合っ ていない違和感を感じていました。ガラスの表面に起こる現象を描き出している感覚でした。」と回想します。

本展の新作に描かれるのは、氷に閉じ込められた植物です。当時、描ききれなかったガラスの中の部分、物質 としてのガラスの表面と裏面の間にある世界を描くために、氷に閉ざされた空間を人工的につくり出し、新作 のモチーフとしました。小さな空間の中に生じた気泡の爆発を描いた作品は、宮本のこれまでの「光」に対す る渇望を表出させているかのようです。

光を求めて辿り着いた作家の現在地を、是非ご高覧ください。


『心に太陽をもて――宮本佳美と内なる燃焼』
椹木野衣

宮本佳美の新作「Dual world」から、あたかもなにかが爆発したかのように湧き出る光は、いったいなんだ ろうか。確かに宮本は、これまでも様々な媒体を活用して光を描いてきた。だが、この光は過去のものとはか なり違って見える。けれどもそれを、氷や胡椒の粒といった新たな材料を使用したことによる効果と受け取る のは間違っている。そもそも宮本にとってこれらの媒体は、彼女が望む光を得るための試行錯誤の結果であって、 かりにそこに目がいくとしても、そのこと自体にはあまり意味はない。求められているのは、あくまで光その ものなのだ。

先に爆発的、と書いたけれども、よく見ればわかるとおり、この光を爆発と呼ぶのは正確ではない。もしも 光の爆発であれば、光は四方八方に広がって、胡椒の粒や枝をはるかに超えて、画面から手前へと拡大してい るはずだ。しかし本作での光は、爆発的であるにもかかわらず、そのような外延的な拡大はしていない。爆発 的でありながら、内に留まっているのだ。

爆発的であるにもかかわらず、内に留まるような光とは、なんだろうか。ここでわたしが即座に連想するのは、 太陽だ。太陽は核融合によってつねに爆発的なエネルギーを燃焼し続けているけれども、ひとつの恒星として の実体が破壊されるには至らず、一個の星としての形態を持続している。もっとも、その燃焼はあまりにも強 烈なので、わたしたちは地上でその様子を肉眼を通じつぶさに観察することができない。だからわたしたちは、 太陽の持つ爆発的だが内に留まる光を、いつも目を閉じた時にまぶたの裏になお残る光の余韻として知覚する。

今回、展示された宮本の新作を見て感じた光とは、そのような性質のものであった。さらに言えば、内なる 光に光源はなく、物理的な意味での照度ももたないから、どんなに強烈であっても、いつまで凝視しても、目 にダメージを与えるということはない。このような光が持つ性質――爆発的に強烈だが、いつまでも見続ける ことができる――こそ、今回の新作を通じて宮本が描こうとしている光なのではないか。

宮本の絵は、しばしば具象性とモノクロームな性質で語られてきた。確かに物理的にはそうかもしれない。 だが、言うまでもなく絵画とは物理だけで語れるものではない。それどころか、宮本の描く光が、物理に沿う ものではなく、内なる光の顕現なのだとしたらどうだろう。わたしたちの内なる光は、光学的な現象ではない から原理的に言って色はない。だが、わたしたちはしばしばまぶたの裏で極彩色の光が乱舞するのを見る。つ まり、わたしたちの内界では、物理的な色はなくても、知覚のうえでは色があるのだ。まさしく宮本の絵がそ うであるように。

もっと言えば、宮本は眼球の内なる世界で放たれる光を描いているのかもしれない。と言うのも、今回の個 展のために寄せた文のなかで宮本自身、「表と内側に在る物の間の世界」を描きたいと書いているからだ。もし くは、「光により隠された表面と裏面が在る物の中間を描く事」とも。それこそ眼球の内なる世界のことではな いか。それなら、彼女が「氷に閉ざされた空間の中に大きな宇宙を感じます」と言うのは、ほかでもない。「眼 球に閉ざされた空間の中に、外界よりもはるかに大きな宇宙、すなわち内なる太陽(希望)を見ること」なの ではないだろうか。

*タイトルは山本有三『心に太陽を持て』新潮文庫による。


個展に向けて

私は今回の個展のモチーフとして氷を媒体とした物の捉え方を追求しています。しかし、氷自体は作品の 目指す所で無く、私が描きたいと思ったのは表面と内側の間に在る世界です。

2022 年私は、ガレ、ドーム兄弟のガラス器を撮影する機会に恵まれました。そしてガラス器をモチーフ に光をテーマとした絵を描きました。その中でガラス表面の輝きを捉える光、内側から透けてくる光、物を 知覚するための光、その3つを描いていました。ガラスという特質を上手く生かした表現だと思ったからで す。ただ、絵を描く過程においてガラスその物と十分に向かい合っていない違和感を感じていました。ガラ スの表面に起こる現象を描き出している感覚でした。

その時見えていなかったモチーフであるガラスの部分、つまり光により隠された表面と裏面が有る物の中 間を描く事。その為に何度も色々な方法で氷を作りモチーフにする事にたどり着きました。

氷に閉ざされた空間の中に大きな宇宙を感じます。氷になる時に生じた無数の気泡で 空気の爆発が起こり、 透明な空間を白く染めます。そんな情景のどこに焦点を当てて画面に起こすのかという挑戦の中から絵画に 通じる糸口を掴みたいと思っています。

宮本佳美

京都市左京区丸太町通川端東入東丸太町31 Tel:075-761-7372 休廊日:日・月曜日&祝日

同時代ギャラリー DOHJIDAI GALLERY of ART

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〈ギャラリー〉

 

時の肖像
大森康裕 写真展


2025.2.11(火)〜 2.16(日)

私は、兵庫県加西市の創業70年を迎える写真館「フォトスタジオ栄光社」でフォトグラファーをしております。本写真展では、様々なカテゴリーの被写体を「肖像写真」のように捉え、それぞれが持つ独自の美しさや物語性を表現しました。
廃棄物等、一見価値を失ったかのように見える存在に物語性を感じ人間社会との関係を見つめ、物が肖像化する気配を表現しています。
大阪の古き良き街並み、国際化で賑わう活気ある町、進化を続ける都市の姿を写し撮り、地域の個性や時代の変化を肖像化する表現に挑みました。
商業写真では、色彩、構図、ライティングの細部までこだわり、生産者の真髄と消費者の感動に架け橋を掛ける創造的な肖像写真を表現します。また、人物やペット撮影では、お客様とのコミュニケーションを重視しさりげない瞬間、素朴な感情を引き出す肖像を大切にしています。
さらに、生成AI を活用した斬新で創造的な作品創りにも挑戦し、これまでの技術では表現できなかった潜在的な肖像観を表現しています。
本写真展が、肖像とは何かと問いかけ、万物に心が宿る瞬間を印画紙に定着させ新しい美しさや価値観を発見していただくきっかけになれば幸いです。

 

clam KYOTO
-Paris発アートカルチャーメディア
『clam 』プロデュースによるグループ展


2025.2.18(火)〜 3.2(日)

“Local Every where” を掲げあらゆるwonder やbeau tiful にアンテナを張る Paris 発クリエイティブマガジン『clam 』が京都に進出して2 年目の挑戦は・・・
立体造形、水墨画、イラストレーション、アブストラクトなど表現のことなる アーティスト達から次号clam magazi ne 掲載候補者を探すコンペ形式の展覧会。
テーマは「street, time 」。またclam film による映画上映も行います。

京都市中京区三条御幸町南東角 1928ビル2階 Tel:075-256-6155 休廊日:月曜日

エンアーツ eN arts

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パワーショットのエルドラド
迫 鉄平 個展


©teppei sako 2025

2025.2.1(土)〜 2.28(金)
会期中 金・土・日 12:00 – 18:00 開廊
アポイントメント承ります

機材協力:キヤノン株式会社

eN artsでは 2025年2月1日から2月28日まで 迫鉄平個展「パワーショットのエルドラド」を開催いたします。

2016年 清水穣氏キュレーションによるshowcase#5(写真および動画作品に特化したグループ展シリーズ5回目)にて 初めてeN artsで展示した迫鉄平。以来彼の活躍は目覚ましく、私は彼が展覧会やSNSで発表する作品に注目して参りました。中でも迫が Instagram ( @teppei_sako )で発表する「パワーショットのエルドラド」のファン。そこには誰もが目にしている日常の光景を彼の目線で切り撮ったスナップショット10枚が1週間ごとにまとめられ、その1週間の出来事と共にアップされており、私はそれらの投稿をあたかも自分自身の絵日記を見返すかのように楽しんでいます。

2016年showcase#5で清水氏がプレスリリースに寄せたテキストに「スナップ写真をみるとき、我々はその写真の光景の手前にいたはずの写真家を見ているのでしょうか?-中略-写真を『見る』とは、自分の外に出て、写真家に重なることに他なりません」と ありましたが、それは、よそのひとの絵日記を、まるで自分の絵日記を飽くことなく見返すことが出来る という事に通ずるのかもしれません。ある時ふと「パワーショットのエルドラドでeN artsを埋め尽くしたい」という衝動に駆られ、迫氏に今回の個展開催の依頼をしました。

撮影の時は「あ!」と「お!」しか考えていない と言う迫。2015年キヤノン写真新世紀でグランプリ賞を受賞し、2016年に新作「剣とサンダル」を発表した際のINTERVIEWでは次のように語っていました。「『Made of Stone』以降の映像作品は、写真を撮ろうとする「あ」という決定的瞬間、シャッターチャンスを「あ- – -」と引き伸ばし時間を挿入するものでした。一方で、『剣とサンダル』の写真作品は、カメラを向ける対象に同時多発的に複数の「あ」があって「あ、あ、あ、あ」と細切れの決定的瞬間を挿入するものです。」

本展では「パワーショットのエルドラド」の為に撮り溜めた70,000以上のスナップ写真から選ばれたものを軸に、そこから創り出された写真及び映像作品が展示される予定です。

迫鉄平の 「あ!」から「あ- – -」「あ、あ、あ、あ」への 変身ぶりを eN artsにて お楽しみ下さい。

eN arts


迫鉄平『パワーショットのエルドラド』
ステートメント

『パワーショットのエルドラド』は2022年8月に開始した、日々撮影したスナップ写真の一週間分を一度見返してその中から10枚を選定し、スクエアにトリミングをしたものを日記のようなテキストとともにInstagram上で発表するプロジェクトである。

「パワーショット」は普段のスナップ撮影に使用しているキヤノン製のコンパクトデジタルカメラの機種名で、2020年の4月から継続的に使用している。一方「エルドラド」は大童澄瞳著『映像研には手を出すな!』の作中で、主人公の浅草みどりおよび映像研の制作した4作目のアニメーション作品のタイトル『たぬきのエルドラド』から拝借している。「勧善懲悪」の否定というテーマにも共感を覚えたが、正直に告白すると、それ以上にその語感と耳障りの良さに刺激された。ハワード・ホークス監督作の『エル・ドラド』(1966年、パラマウント映画)は2024年8月23日に観たが、自分の取り組みとの接続ポイントは見出せず、映画自体もあまり面白くはなかった。

美大時代に版画を専攻していて、版画制作には兎にも角にも下絵(原画or原稿)が必要であるということ、それらが無いと制作は始まらないということを学んだ。所属する研究室の担当教員が毎日膨大な量のドローイングに取り組むと同時に、常にカメラを持ち歩きスナップを撮影する様子を間近に見ていた事からも多くを学んだような気がする。大学を卒業し、映像や写真を使って作品を制作していく中でもそのことは常に頭の片隅に引っかかっていて、それが日々をどのように消費するかという問いを立てることに繋がり、2020年3月13日に成立した新型コロナウイルス対策の特別措置法「緊急事態宣言」が、2020年4月7日に発出され13日から在宅勤務が命じられた際に、毎日外出してスナップ写真なり映像素材なりを撮影することを解答として日々の取り組みが始まった。

写真作品であれ映像作品であれ、作品の制作をスタートさせる際に、ストック素材が一定量あることとそれを見返すことに時間を費やすことで、自ずと自作への変化が現れた。2021年に制作を開始した「LCD Zombies」のシリーズも、2023年に制作を開始した「Slivers on the Window」のシリーズも、その基底にあるのは、スナップ写真とスナップ写真の組わせかたの問題でもある。

京都での7年ぶりの個展となる本展では、『パワーショットのエルドラド』の発表を続けている期間に撮影したスナップ写真(2024年12月15日時点で71,092枚ある)を中心に、それらを素材として制作した写真作品や映像作品、自費出版本『CHILL TOWN』の展示を予定している。「写真を見返すこと」がどのように作品に結実するのか、ご覧いただきたい。

京都市東山区祇園北側627 円山公園内八坂神社北側 Tel:075-525-2355 開廊日:金・土・日曜日

ギャラリー16 galerie16

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吉井秀文 展
平面へ 平面から


2025.2.11(火)〜 2.22(土)

 

玉井佐知 展
存在と不在


2025.2.25(火)〜 3.8(土)

『不在をつくることで存在を示せるかもしれない」
制作中にメモした走り書きがある。

表裏から彩った人型の絹布を2018年から染め始め、数が増えてきた。
鑑賞者の中に存在する誰かに成り得るように、表情はなるべく描かない。
もしくはその誰かは、私自身である可能性もある。
男性か女性か、年齢、国籍も特定できない人物像。
今回新たな試みとして、直接的に人を表現しない「不在の布」を配置した。
それは他者と私の、間(余韻)であり、繋ぐものでもある。

不在は、ときに存在を強く意識させる。

京都市東山区三条通白川橋上ル石泉院町394 戸川ビル3階 Tel:075-751-9238 休廊日:月曜日

ヴォイス・ギャラリー MATSUO MEGUMI+VOICE GALLERY pfs/w

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現代美術二等兵
「駄美術は今」


「どこでもローソン」2024

前半:2024.12.18(水)~ 26(木)13~19時
後半:2025.1.8(水)〜 12(日)13~19時
休廊日:2024.12.23(月)・24(火)
   および 12.27(金)~ 2025.1.7.(火)

今年の気候は頭のネジが何本か飛んでしまったかと思うくらい老体にとって厳しく長い夏でした。そして突然秋が来て冬、気がついたら年末に。
そんな中細々と制作を続けてきたアートユニット現代美術二等兵が恒例の新作展を行います。30年以上に亘って駄美術を作り続けた現在地を脈絡とか関係なく展示します。新しい取り組みとしてビン入り駄美術にもチャレンジしました。
何それ?という皆様ぜひお越しいただき「駄美術の今」を感じてください。(現代美術二等兵)


*常設部では、10数人のアーティストの絵画・写真・彫刻等をご紹介します。

<出版物>
ギャラリーの活動を概観していただくシリーズを発行しました。
電子版とペーパーバック(ご注文ごとに紙の本として印刷し製本)版があります。
クラフティヴ電子出版株式会社より出版。

vol.1「裏側を通る風: ドローイング日記2021-2022」(著:坂本優子+松尾惠、デザイン:谷浩志)

vol.2「円景を眺める」(著:日下部一司+松尾惠、デザイン:谷浩志)

2025年にも、ギャラリー+アーティストの本を引き続き刊行いたします。

京都市下京区筋屋町147-1 Tel:075-341-0222 営業時間:13時~19時 休廊日:HPにてご確認ください。

京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA

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KCUA OPEN CALL EXHIBITIONS
2024年度申請展
Dessine-Moi Un Mouton
~羊の絵を描いてよ~ 宇宙用の絵画たち
関口正浩 和田真由子


和田真由子《horse》
2013
Courtesy of Kodama Gallery


関口正浩《名無し》
2010
Courtesy of Kodama Gallery

2025.1.11(土)〜 2.11(火)
休館日:1月14日(火)、20日(月)、24日(金)-27日(月)、2月3日(月)

主催:京都市立芸術大学
(2024年度京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA申請展)
企画:和田真由子
(+逃げ切ったと思うなよ委員会)

絵画とは見る人の内で浮くものですが、本来あるべき姿での鑑賞が達成されることは少ないように見受けられます。反って、支持体を甘受または愛好し、壁に依りかかることを善しとする姿勢までもが常態化しています。イリュージョンを共有する装置としては未だ演劇を追い抜けませんが、「描く+絵具」という身体と物質を視覚上で統合し、イメージを浮かしめる絵画の本質的有様が実現されないのは不本意の極みです。

かつて、非物質化されたものが最も大切であると説いた者がいましたが、極めて的確な先行した絵画論であったと言えます。 「Lʼessentiel est invisible pour les yeux. 本当に大切なものは目に見えない*」本展覧会では、非物質のレイヤーが絵画を支えていることを指摘する関口、浮いた状態で完成することを見越した作品を作り続ける和田の2作家に着目し、美術における宇宙時代の遅すぎた到来を寿ぎ、未来へ向けた議論の場を生成します。

* ”Le Petit Prance” Antoine de Saint-Exupéry, folio 15 mars 2007

(テキスト:和田真由子)

 

KCUA OPEN CALL EXHIBITIONS
2024年度申請展
ダイヤモンドから夢を放つペルセウス
阪本結 下村悠天 橘葉月
西原彩香 峰松沙矢



2025.1.11(土)〜 2.11(火)
休館日:1月14日(火)、20日(月)、24日(金)-27日(月)、2月3日(月)

主催:京都市立芸術大学
(2024年度京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA申請展)
企画:西原彩香

本展覧会は、美術史家・岡田温司著『半透明の美学』をきっかけとして、現代(とくにコロナ禍を経た今)における絵画の意味を再考しようと構想されたものです。絵画という画像の形式は「媒介性」にこそ本質があるのだとしたら、「鏡」、「痕跡」、「灰色」、「2次元と3次元」、「実在と存在」のあいだ、そして「天使」──さまざまなテーマが「半透明」というキーワードによって貫かれていると言えます。ひいては、視覚というもの自体の「根源性」と「媒介性」についてが、絵画という「半透明」なイメージのありかたと深く関係しているのかもしれません。

スマートフォンやパソコンの画面を介して遠く離れた人や場所のことを見るように、普段は意識していなくても、私たちは必ず何かを通して見ています。ものを “直接” 見ているということはありません。それは(あるいは比喩として)「窓」や「眼鏡」などを通して見るといったことだけではなく、そもそも私たち自身の「目」を介して見ているからです。ならば、「見る」ということについて改めて考えることは、私たち自身について考えることに他なりません。

絵画を見るとき、問題になるのは私たちの視点です。すなわち、知識や経験など「見かた」に影響を及ぼしているもの──たとえば、自分が生まれ育った時代や地域について顧みることにもなるでしょう。本展のタイトルは、島谷ひとみの楽曲『Perseus-ペルセウス-』から引用しました。平成という時代を象徴するような歌詞であると同時に、まなざしの対象を石化させてしまうというメドゥーサを退治したペルセウスが、視覚という幻想の媒体として称揚する「半透明」なそれは、絵画そのものを象徴しているのかもしれません。

(テキスト:飯盛 希/美術批評家)

京都市下京区下之町57-1 京都市立芸術大学 C棟1F Tel:075-585-2010  休廊日:月曜日

MORI YU GALLERY 京都

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黒田アキ 個展
「/I/ CHI-KYU / CITY / 2 」


"untitled"
acrylic and mixed media on canvas
194×162cm , 2024

2025.2.8 (土)〜 3.30(日)
休廊日:月・火・祝日

MORI YU GALLERYは2月8日(土) より、黒田アキ個展「/I/CHI-KYU/CITY/ 2」を開催いたします。
1970年代から黒田アキが連綿と続けてきた重要なタイトルやモチーフである球や都市、子宮や楕円、私、愛…を中心に据えた作品を選び、70年代初頭の作品と最新作のみの作品群を展示いたします。
どうぞ御高覧下さい。

黒田アキ Aki Kuroda
1980年にパリ国際ビエンナーレのフランス部門から出品したのと前後して、ボナールやマティス、ミロやジャコメッティ、カルダー等をパトロナイズしヨーロッパのアートをリードしてきた、フランスのマーグ・ギャラリーと契約しました。(「マーグ・コレクション展」 横浜美術館、1994年) 以降、ヨーロッパ、アメリカを中心に、日本では二十数年間MORI YU GALLERY にて個展を多数開催し続けています。

日本では1993年に東京国立近代美術館において当時最年少で個展を開催(1994年、大阪の国立国際美術館へ巡回)、翌95年にはサンパウロ・ビエンナーレ(ブラジル)に参加することで世界的な評価を受けました。また、1993年にはロシアバレエの傑作『Parade (パラード) 』の再演にあたり舞台美術を担当しました。(パリのオペラ座、アヴィニョン国際演劇祭で上演)この『Parade (パラード)』は、1917年にジャン・コクトー(台本)、エリック・サティ(音楽)、パブロ・ピカソ(舞台美術・衣装)という組み合わせで、パリのシャトレ座にて初演された伝説的バレエ作品です。

黒田の美的関心は広く、1985年から哲学者のジャック・デリダやミシェル・セールが寄稿する美術文芸誌『NOISE(ノワズ)』を編集、創刊しています。1991年には、より私的な『COSMISSIMO (コスミッシモ) 』という美術誌を創刊し、その誌上ではヴィム・ヴェンダースやソニア・リキエルの作品が黒田の絵とともに戯れています。

また、建築家の安藤忠雄やリチャード・ロジャースとのコラボレーション、TOKYO DOME MEETS PORT HALLにおいて数十メートルのWALLアートワークや高さ9mのオブジェを制作する(2008年、東京)など、他分野との交流も多い作家です。(2003年に黒田が全アート・ワークスを担当した京都の南山城小学校は、イギリス王立英国建築家協会「ワールドワイド・アワード」(2004年)を受賞)

このように黒田は、一枚のカンヴァスと対峙する画家であると同時に、不安定で予期しがたい状況を軽やかに且つ確実に足跡を残しながら、 総合的な表現を続けている希有な作家なのです。

<MORI YU GALLERY VIEWING ROOM>

 

黒田アキ 個展
「ORGANIC CITY BREAKING」


2024.11.30(土)~ 2025.2.1(土)
アポイントメント制
OPEN:金・土 13:00 - 17:00

黒田アキ Aki Kuroda
1944年 京都に生まれる
1970年 渡仏、パリ在住

黒田が考える都市CITYは黒田アキのコンセプトの一つCOSMOGARDEN(宇宙庭園)の変容体であった。COSMOGARDEN(宇宙庭園)とは、京町家のような小さな庭やキャンヴァスには計り知れないほどの大きな宇宙が詰まっているのだと語られているのかもしれない。

1996年に黒田は、このように語っている。
「いま宇宙にすごく興味があるんです。ロマンティックな宇宙ではなくて、宇宙科学者が考えている具体的な宇宙を知りたい。それから人間の肉体、とりわけ脳を知りたい。そういう科学の海みたいなところに、自分の子供の頃からの美術史というか、美的経験を隕石のようにポーンと落としていく。そうすると波ができるでしょう。そういう空間をつくってみたい。」(1)

黒田アキの最新作は、縦3.2m×横4mの『Organic City Breaking』。そこには激しくダイナミックな筆跡によって描かれた有機的なCITY、顔や人型、兎や象といったミュータントのようなかたち(フィギュール)が存在する。しばらく目を凝らして作品をみていると、こうした「フィギュール」は、その背後の線に溶け込むように存在していて、時折、その線の亀裂や抜け道のような部分へと流れ動き、時折それがバチっと凍るように固まるのだ(「Crystallize=Breaking」と黒田は呼ぶ)。キャンヴァスの平面的な世界と、そこに穿たれた真っ黒な深淵にも似た溝の異次元との往還の途中で、それらの「フィギュール」は、動き(Organic)ながら、一瞬「Crystallize=Breaking」する。東京ドームCITYには「Crystallize=Breaking」したオブジェが多数ある。黒田が作った9mのオブジェは「Cosmoflower」、「マリリン」、「ジェームス」などと名付けられ鎮座している(2008年、東京ドーム MEETS PORT ホールでのアートワーク)。まさに黒田のキャンバスからこぼれ落ちた隕石のように存在するそれらは、絵画の中に時折呼び戻され形を変えて黒田の宇宙、CITYに登場している。

宇宙について、黒田はこのようにも述べている。
「宇宙は海綿、スポンジのような形をしているといわれていて・・・たえず、パッサージュ、穴が開いている。・・・アートは結局ラビラントのようなもので、問題はそこから逃れるためにものをつくるわけなんですが、ミニマル・アートなんかは、スッキリとね、逃れられるわけです。・・・だけど生身の人間というのは、やはりそれじゃまんぞくできなくて、もうひとつのラビラントをつくらなければいけない。」(2)

黒田が考える宇宙、OrganicでBreakingなCITY、ミュータントが描かれた新作をどうぞご高覧ください。


(1)-黒田アキ+小林康夫「反逆する手」p.12

(2)-『黒田アキ、日本の画家』Aki Kuroda, Quoted in F. Will-Levaillant, "Aki Kuroda, peintre japonais・Paris", Critique, no. 428-29(janvier. - février. 1983), p. 155.

〒602-0007 京都市上京区下清蔵口町133−17

京都市左京区聖護院蓮華蔵町4-19 Tel:075-950-5230 休廊日:月曜日・火曜日・祝日

ギャラリー ヒルゲート  Gallery Hillgate

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〈1F・2F〉
日下部雅生 作品展
ムンクの空と型絵染
ノルウェー・ベルゲン市でのレジデンス作品展

2025.2.11 (火) ~ 2.16 (日)

ムンクの空にあこがれて
高校生の時、親友と奈良県立美術館にムンク展を見に行った。あの衝撃は忘れ難い。「病める子」や「バンパイヤ」に、その後早逝した親友を重ねたわけではないが、それから45年あこがれ続けたムンクの故郷ノルウェーを2022年初夏に初めて訪問、3週間余り滞在した。2023年度には勤務先から1年間のサバティカル研修を取得して渡航。いずれも共同研究を行っているベルゲン大学の招聘にて、基本的にはベルゲンに滞在、アーティストインレジデンスと大学内外で型染のワークショップや授業を行った。
2023年の短い夏には先住民サーミのフェスティバル「Riddu Riđđu festivála」に参加するため最北の都市トロムソから白夜のManndalenという村を訪問、またオスロにも滞在して念願のムンクの作品を堪能した。
2024年1月からは長い夜を作品制作と授業に勤しみ、3月末にはその成果を「日下部雅生展―Bergen Sky―」としてベルゲン市内のTrykkeriet Gallery1で開催した。(同期間Gallery2では市民講座として行った、型染ワークショップの参加者達の作品展も併催)
今回はその時の展示作品(一部は再制作)と、現地での取材からノルウェーをモチーフに新たに制作した作品を展示する。

 

〈1F〉
八幡朋子 展
Listen to My Song(行動美術協会会員)

2025.2.18 (火) ~ 2.23 (日)

 

〈2F〉
田中希和子 個展
鳥とか、猫とか、お花とか。(日本画)

2025.2.18 (火) ~ 2.23 (日)

 

〈1F〉
佐々岡まゆこ 個展
ケノ日ノ花ニ(油彩・鉛筆)

2025.2.25 (火) ~ 3.2 (日)

「ケノ日ノ花二」
月日が経つにつれ、 見送ることも増えた暮らしのなか、 花たちはいつも変わらぬ可憐さで静かにそっと寄り添ってくれます。
ハレ の日は華やかで心弾むものがありますが、 ケの日々のうつろいや小さな祈りに想いを寄せ、 季節に導かれながら草花を描いてまいりました。
油彩画サムホール~2 0号中心に鉛筆画を加え展示いたします。
ご高覧いただけますと幸いです。

 

〈2F〉
武田厚子 展
あじさいワールド (水彩)

2025.2.25 (火) ~ 3.2 (日)

 

〈奥庭空間〉
菊地伸治 展 時空の旅人
(彫刻) (国画会会員・日本美術家連盟会員)

2025.1.13 (月・祝) ~ 6.15 (日)

神の法則を知ろうとする人類の営みはいつしか限界を忘れ、畏れることを忘れた。
石の前で瞑想する。

京都市中京区寺町通三条上る天性寺前町535番地 Tel:075-231-3702 休廊日:月曜日

京都芸術センター Kyoto Art Center

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<ギャラリー南、北ほか>

 

開設25周年記念プレイベント:
スローイング・スパゲッティ at 京都芸術センター


2025.2.1(土)〜 3.16(日)

京都芸術センターは、2025年4月に開設25周年を迎えます。その25周年プレ企画として2025年1月から3月にかけて、京都芸術センターが設立された2000年前後に生まれ、関西を拠点に活動しているアーティスト11名からなるスローイング・スパゲッティと、ワークショップやパフォーマンスを実施します。

京都芸術センターは2000年の開設以来、異なった価値観や文化的背景を持つ人々が交流することのできる公的な施設であろうとしてきました。たしかに、異なった価値観を持つ人々はこの場所に集っていると言えるでしょう。しかし、人々のあいだに交流は生まれているのでしょうか。

スローイング・スパゲッティは、話し合いの場を築きあげる取り組みとして2023年に京都で発足し、ヒエラルキーのない対等な関係であることを集団のポリシーとして活動してきました。しかし、集団の中で役割や思考回路の固定化、意思決定や継続の難しさに直面しています。それでも、途中で投げ出さずに粘り強く議論を重ねて、当初予想していなかった地点へたどり着くことができます。一人ではなく集団での議論を続けることで、個人では実現できないことを実践する場が生まれ、社会と繋がる接点を持つことができるのです。

スローイング・スパゲッティが結成され約1年半という時点の今、私たちは、彼/彼女らとともに、様々な人が集う京都芸術センターというこの場所で集団におけるコミュニケーションをめぐる問題を見つめたいと思います、そのうえで、異なった価値観を持つもの同士の交流の可能性について改めて考えてみたいと思います。

※京都芸術センターの通常の展覧会とは開室時間が異なっていますので、ご注意ください。


《アーカイブ展示》
会場:京都芸術センター ギャラリー北
日程:2.9(土)~3.16(日)10:00~20:00(3.3休室)

《ポット・ラック・スパゲッティ》(会期中の土・日曜日)
スローイング・スパゲッティが来場者の方々と共にオープンミーティングを重ねていく進行形のプロジェクトです。
最終日のイベントについての企画会議や今後の方針、個人的な悩みについてなど、来場者の方々とスローイング・スパゲッティが一緒に考えていきます。議題の持ち込み大歓迎です、是非お気軽にお立ち寄りください。
会場:京都芸術センター ギャラリー南
日程:毎週土曜日・日曜日 13:00~20:00
2.2、2.8、2.9、2.15、2.16、2.22、2.23、3.1、3.2、3.8、3.9、3.15(全12回)
※オープンミーティング開催時以外の平日もギャラリー南にご入場いただけます。

プロフィール:
【スローイング・スパゲッティ】
話し合いの場を築きあげる取り組みとして2023年に京都で発足し、展覧会などの企画を通して話し合いの場の発展、継続を目的に活動している同世代のアーティストの集まり。
スパゲッティを茹でる際の手で捻ってから鍋に投げ入れる動作。試行錯誤すること。略称スロスパ。

京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2 Tel:075-213-1000

GALLERY TOMO

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篠原猛史
-超臨界点-

2024.11.29 (金) ~ 12.14 (土)
日月火曜日休廊
営業時間 12時→18時

展示に際して

篠原猛史は京都市に生まれ、1981年にNYのプラット・インスティテュートのドローイング専攻を卒業。その後はベルギーを中心に、カナダ、ガーナ、フランス、北欧など様々な国々を拠点としながらその芸術を磨き上げてきた。初めに渡ったNYではヨーゼフ・ボイスの薫陶を受けその社会彫刻の概念を参照し、また親交のあったキース・へリングとは互いの作品を交換するなど知己を得て、80年代よりその名を知られ始めた。00年代に入ってから現在は日本国内に拠点を移し、現在は東京大学の講師としても活動している。

篠原の作品は立体と平面、抽象と具象の区別は特にない。風、水、火、音などあらゆるものを素材と見立てて作品を構成させる。これらは単なる造形の構成でもなければ、抽象的なコンセプトの主張でもなく、自然の絶えざる循環と人間の営為によるその関係性といった、現実的な問題についての表現である。

ここ数年間、「臨界」というテーマで制作を重ねてきた篠原。フィボナッチ数列のように、これまで生み出したイメージを着実に重ね、限界のそのさらに先を目指しながら放物線を描いている。今回の作品群は、スウェーデン、ベルギー、NYなどこれまで過ごした様々な地域の水を用いて絵具を溶いて制作。内と外、雨の中で制作をしながら、それらを持ち帰り室内で水性及び油性の絵具で仕上げている。

今回の青は、これまでと比較しより光が届かない海の底を連想する深い青が中心となっている。これは篠原の歩みが自然の原理に従い放物線となって表れ、淡い青からより深い蒼へと変わりゆく色相となっていることがわかる。万物は永遠にその形を留めることはできないが、絶えず移ろう時の中で限界を越え続けてきた篠原の歩む軌跡が、こうした色相の変化をもたらしているのかもしれない。

また今年は近作を収録した新たな作品集「IMAGE OF MERKMAL」を刊行した。こちらはオンラインと共に本展示に於いても販売する。

近年の主な個展は、「生の臨界点」GALLERY TOMO(京都、2023)、「月の臨界角」松坂屋上野店外商サロン(東京、2023)など。近年出展したアートフェアとしてACK(国立京都国際会館、2021、2022)、art KYOTO 2023(元離宮二条城、2023)、アートフェア東京2023(東京国際フォーラム、2023)など。彼の作品は、大英博物館(イギリス)を筆頭に、ヘント市立現代美術館(ベルギー)、愛知県美術館(名古屋)、国立国際美術館(大阪)など、数多くの著名な公共及び民間のコレクションに収蔵されている。

GALLERY TOMO

京都市中京区寺町通丸太町東入る南側下御霊前町633 青山ビル1F Tel:075-585-4160 休廊日:月・火曜日

KUNST ARZT

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池田聡子 個展
水を引く


The still life #6
2023
アクアチント、ディープエッチング/ハーネミューレ
152×205㎜

2025.2.11(火)〜 2.16(日)

KUNST ARZT では、2度目となる 池田聡子の個展を開催します。
池田聡子は、「石」をモチーフに、 銅版画で非現実の“石”を表現するアーティストです。
一見、「石」をリアルに表現した様に見えますが、 銅版画には、イメージを描いた銅板を腐蝕させる プロセスがあり、そこには作者の意図や "自然の流れ"が介入します。
本展は、これまでのようにアーティストが「石」を 選ぶのではなく、他人に委ねることで、 自身の美的価値観に囚われないという意図もあります。

(KUNST ARZT 岡本光博)

【アーティストステートメント】

拾った石の模様や形をもとに、 銅版画の持つ偶発性に委ねて作品を制作している。
私にとって銅版画とは、銅板を腐蝕する行程があることや 描画材の滲みを利用出来ることから、 意図しない現象が大きく介入する技法であると考えている。
銅版画で石を描くことは、絶えず変化する すべての物質の流れに沿いながらも、 現実の石にはない作者の意図を織り込んだ イメージを作ることが出来ると考え、制作している。

 

NSCLAW / 丹羽奈々 個展
いきもの


surrealism collecton (2024)より

2025.2.18(火)〜 2.23(日)

KUNST ARZT では、丹羽奈々/ NSclawの初個展を開催します。
丹羽奈々は、負の感情や破壊衝動を内包した 作品を生み出すファッションデザイナー/ アーティストです。
プロダンサーをモデルに、音響、映像を駆使し、 ワイルドで退廃的な世界観を炸裂させた 「pierrot collecton (2023)」、 無音のステージ上を妖怪や異形の生き物に トランスフォームしたモデルたちが跋扈し、 奇声だけが響く「surr?alism collecton (2024)」など、 ファッションを軸に独自の表現を展開させてきました。

(KUNST ARZT 岡本光博)

【アーティストステートメント】

死んではいけない。人に迷惑をかけてはいけない。
暴れ出してはいけない。逃げ出してはいけない。
思えば思うほど感情が腫れて大きくなって窮屈で破裂しそうだった。
NSCLAW は全体のコンセプトを、自分の中の行き場のない 感情たちの生き場とし、ジーンズ素材を主軸に自身の中にある 負の感情や破壊衝動を解放させてくれる作品たちを作ってきた。
この展示では、行き場のない感情たちの生き場というコンセプトに フォーカスして、作品たちの目を開けて、 大人になっても消えない幼児性と結びつけた。
寂しい、離れていかないでほしい。自分に似てるものを集めて 舐め合って安心していたい。あったかい場所を失いたくない。
心配してほしい。構ってほしい。無条件に愛して欲しい。。。
そういう感情はだいじだいじ。

 

集治千晶 個展
華やぎの祭壇


パピヨン・ガール ーHeartbeat 動脈ー
2024
ステンドグラス、ガラス絵、ドローイング、粘土、布
43x29.5x5cm

2025.2.28(金)〜 3.9(日)

KUNST ARZT では、500回目の展覧会として、 集治千晶の個展を開催します。
集治千晶は、フェミニンな表象を大胆に取り入れ、 原初的なパワーに満ち溢れた作品を制作するアーティストです。
本展「華やぎの祭壇」は、絵画と立体による複合的な表現と、 ステンドグラスを組み合わせた作品を主軸に、 独自の生と死/陰と陽の世界観が立ち現れます。

(KUNST ARZT 岡本光博)

【アーティスト・ステートメント】

「華やぎの祭壇」
咲き誇る花を目の前にした時、同時に枯れた姿が見えてくる。
同じように人として貪欲に生きる事の側には 常に「死」が伴走しているのが見える。
生と死、私はこの普遍的な概念に怖れを持ちながら、 それを受け入れるために制作をしてきた。
決して重々しく捉えているのではなく、 それらを淡々と明るく受け止めた時に何が見えてくるのか。
キラキラと光り華やぐものは陰や闇があるからこそ認識できる。
私にとって「祭壇」とはその両方が自然に同居できる場所であり、 死生観そのものが形を成したものに見える。
装飾に満ちた可愛く煌びやかな祭壇は、 私自身を投影する特別な存在でもある。
そして鑑賞者の心にアクセスできる イコンとなり得ることを期待している。

京都市東山区夷町155-7 2F Tel:090-9697-3786 休廊日:月曜日

ギャラリー恵風  Gallery Keifu

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*今後周囲の状況を鑑み、変更することもございますので、ご来場の際はホームページやFacebookでご確認くださいませ。

 

〈1F〉
伴 鈴子 展
- 朝を呼ぶ -


2025.2.11(火)~ 2.16(日)

明け方と夕方は陽の昇降により刻一刻と世界を変化させます。特に、見えないものが見えてくる夜明けはとても魅力的です。

夜明け前の山に入ると、あまりにも深い闇に恐れおののきます。鹿のイビキや鳥の鳴き声が聞こえてくると、少し安心します。うっすらと足元が見えてくると周りを見渡す余裕が生まれ、朝日が昇ると太陽の暖かさで凍え固まっていた身体に血が巡ります。(伴)

 

〈2F〉
第15回 贈りもの展


2025.2.11(火)~ 2.16(日)

今展は、30歳未満の若手アーティスト35名による贈りものをテーマにした作品展です。15回目を迎える恒例のこの企画展は、小さい作品ながら精一杯作られたバラエティー豊かな作品が並びます。初めて発表する現役の学生や、創作活動を続けている若手作家など経験は様々です。35名のありがとうの気持ちを伝える作品を是非お楽しみください。みなさまの温かいエールをお願い申し上げます。(野村)

 

〈1F〉
濱口佳代 個展
もっと、本気で遊びなさい。


2025.2.18(火)~ 2.23(日)

「遊び」と聞くと、不思議と楽しい気持ちになる。人々の笑い声や、躍動感溢れるワクワクとした空気。遊ぶことは誰もが知る身近な経験として、私たちに楽しみや歓びを想起させる。私にとってふとした瞬間に反芻される遊びの思い出、特に子供時代の遊びが格別な時間として感じられる。当時の出来事が朧げな記憶や楽しかったであろう気配となり、今日の「遊び」への興味関心をより一層高める。もっと、本気で遊ばねば!(濱口)

 

〈2F〉
松田 唯 個展
みんなのいるところへ


2025.2.18(火)~ 2.23(日)

みんなのいるところへ、とはどこのことなのか。

私はここしばらく「諦念」という言葉を手がかりに作品を制作しております。諦念というのは断念するような意味に思われがちですがその実は迷いの去った、晴れやかな境地という意味もあります。この境地こそが、今回の展示するテーマであり現れて欲しい空間の奥行きになります。

人が生きていく中で様々な感情の揺れを感じながらも、皆の行き着く場所がそのようなところになればという願いと、明るく安心できるような奥行きを捉えられたらと思っております。(松田)

 

〈1F〉
吉田麻央 個展
ふりしてる


2025.2.25(火)~ 3.2(日)

長い学校生活がやっと終わって ちょっと自信を持って出てきたつもりが、あれれと思う毎日です。
周りのみんなはとっても立派で、私はまだ大人のふりしてるだけ。
でももしかして、みんなも大事な何かのために いろんなふりして暮らしているのかな。
そんなことを考えながらつくりました。(吉田)

 

〈2F〉
30×30の窓 展


2025.2.25(火)~ 3.2(日)

京都芸術大学 美術工芸学科 版表現 合同展示

京都芸術大学、美術工芸学科の版画専攻の学生、スタッフによる「30・30の窓展」では手刷りの作品による版画集と、参加者それぞれの小作品を合わせて展示いたします。版画集では、統一された30 x 30cmの紙の上に一人一人の想いを込め、様々な版画技法で表現しました。それぞれ版種もテーマも違う作家たちがどのような個性を光らせるのか、ぜひご高覧ください。(一同)

京都市左京区聖護院山王町21-3 TEL:075-771-1011 休廊日:月曜日

2kw gallery

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奥田輝芳 奥田泰江
Paintings


2025.1.25(土) 〜 2.26(日)
休廊:月・火・水​
13時―19時(最終日は17時終了)

奥田輝芳/OKUDA KIYOSHI
できる限り簡潔に仕上げることを望んでいます。あるときパッと目の前がひらけて見つ けたつもりでも、なかなかうまくいかない。もたもたしているうちに見失うのです。

奥田泰江/OKUDA YASUE
しゃがみ込んで何かをのぞき込んだり、飽かず眺めたりするようなたのしみを自分の言 葉に置き替えたいと思っています。少し軽々しいような陽気さを携えて、蔭りの中でも歩 いていけたらと思っています。
絵を描くことは。

滋賀県大津市音羽台3-29-1 TEL:090-5241-8096 休廊日:月・火・水曜日

Gallery G-77

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Christmas Exhibition


2024.12.17(火)〜 12.23(月)
11:00~19:00

とっておきのプレゼントを見つけよう!
特別なクリスマスを彩るアートの贈り物。心ときめく、ロマンティックなクリスマスへ。

芦川雄二、イトウナホ、アンナ・ハヤト& スラヴァ・ピルスキー、倉藤紀子、水谷イズル、長沢郁美、川端朗子、稲垣尚毅、八戸香太郎、西嶋豊彦、田中幹人、椎名弘子、高城ちひろ、渡邉敬介、川口奈々子、Yasuyo、山元ゆり子

この度、 クリスマスグループ展では、現代アートの特別に厳選された作品を展示しています。伝統的な日本画スタイルから、シュールなかわいい美学やコンセプチュアルな作品まで、どの作品も独自性、優雅さ、そして洗練を体現しています。複数のアーティストの作品を一度に楽しむことができる素晴らしい機会であり、クリスマスの贈り物やコレクションに新たに加える作品を見つける絶好のチャンスです。

このセレクションは、喜びとホリデーの気分を盛り上げることを目的としており、忘れられない芸術的瞬間の美しさと魅力を捉えています。時代を超えたクラシックな要素と現代的な感覚を融合させたこれらの作品は、興味を引き、楽しい気分を刺激してくれることでしょう。

さらに、日本で丁寧に作られた限定版のアートシルクスカーフやジークレー版画もご用意しています。また、ユニークなアートオブジェも展示されます。たとえば、Yasuyoが手描きでデザインしたスニーカーや、一点もののアクセサリーなどが含まれます。アーティストのビジョンをより深く探求できるアートアルバムや書籍も揃えております。

ぜひ、この特別な機会に足をお運びいただき、素晴らしい芸術の世界を体験してください!

京都市中京区中之町73-3 Tel:090-9419-2326 休廊日:月・火曜日

艸居

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<艸居>

 

「ウィメン・オン・ファイア」

展示作品の一部:


ミリアム・メチタ
firebirds 2018

H35 × W30 × D15 cm
写真: 今村裕司
画像提供: 艸居


アネット・メサジェ
La Lune-crayon 2015
手袋, 色鉛筆, 布, コード
H170 × W20 cm
写真: 今村裕司
画像提供: 艸居


三島 喜美代
Work 17-Tag-A, 2017
陶, 鉄
H190 × W190 × D90 cm
(インスタレーションサイズ)
写真: 今村裕司
画像提供: 艸居


篠田 桃紅
Untitled
紙に墨
H100 x W85 cm
写真: 今村裕司
画像提供: 艸居


パエ・ホワイト
Companion(C), 2015
磁器, 金釉
H12.7 × W17.8 × D12.7 cm
写真: 今村裕司
画像提供: 艸居


クリスティン・モルギン
Untitled (Playing Card(s)) 2006
未焼成粘土, 塗料, インク
H1 × W5.8 × D9 cm
写真: 今村裕司
画像提供: 艸居


シルヴィ・オーヴレ
Beast #1, 2020

H26 x W13 x D11 cm
写真: 今村裕司
画像提供: 艸居

2025.1.23(木)〜 2.22(土)

艸居(古門前)では、グループ展「ウィメン・オン・ファイア」を開催いたします。本展覧会では、自立して活動を広げる女性アーティストに焦点を当てます。シルヴィ・オーヴレ、篠田桃紅、津守愛香、三島喜美代、アネット・メサジェ、ミリアム・メチタ、クリスティン・モルギン、パエ・ホワイト(五十音順)など、今日の社会において既にキャリアを確立しているアーティストから、これまで過小評価され、見過ごされてきたアーティストで構成されています。彼女たちは、さまざまなバックグラウンドを持ち、社会的制約を受けながらも、常にエネルギーに満ち溢れ、革新的な表現方法と独自の視点で社会を見つめながら、制作に取り組んでいます。

特に日本人女性アーティストは、日本社会にジェンダー平等が確立されていないことから、他の先進国と比べ、世界の中でも活躍するのが非常に困難なことで知られています。

1913年(大正2年)に旧満州生まれた篠田桃紅は、「女の子は独立不可」という保守的な時代を生涯独身で生き抜いた作家です。5歳の時、父から書の手ほどきを受け、23歳で書道家として独立しますが、その独創的な文字は当時の書道界に受け入れられませんでした。戦後の1956年に、単身渡米。抽象表現主義の隆盛を目の当たりにし、文字の決まり事を離れた新しい墨の造形「水墨抽象画」に転じます。彼女の墨象には、その時々の心の形が限られた色彩と奔放な線で表現され、今でも多くの人を魅了し続けています。

1932年(昭和7年)に十三(大阪)で生まれた三島喜美代は、幼少時代をぬいぐるみやままごとをして遊ぶのではなく、顕微鏡で蜘蛛や蚕、トカゲなどの虫を観察して過ごしました。医師になることを夢見ながら、「フラスコで人が作れる」と母親に言ったことがきっかけで、母親が決めた結婚相手と結婚させられてしまいます。人に決められるのが嫌だった三島は、その後伴侶ともなった三島茂司に師事し、実験的なコラージュ作品に取り組みました。使用した材料の多くは、夫が使った後にゴミとなる新聞紙、雑誌、馬券などの印刷物でした。60年代後半からは、素材を陶芸に変え、大量に生み出されるゴミや氾濫する情報社会に埋没する恐怖感をより切実に表現しました。1985年に夫が他界し、一度は断念していたロックフェラー財団の奨学金を得て、1986年から87年まで1年間ニューヨークに滞在しました。アンディー・ワーホール、ロイ・リキテンスタインなどのポップアーティストと交流しますが、のちに三島は、自身の作品はポップアートではないと言及しています。そこには、三島がどのグルーブにも所属せず、ひたすら自身の表現を追い求めてきた強い姿勢が窺えます。シルクリーンで陶に転写される一見本当のゴミなのか、三島作品か分からない割れるゴミは、三島らしいユーモアに包まれながらも、三島が時代の流れと共に見つめていた鋭い視点が反映されています。

塩田千春は生と死という人間の根源的な問題に向き合い、「生きることとは何か」、「存在とは何か」を探求しつつ、その場所やものに宿る記憶といった不在の中の存在感を糸で紡ぐ大規模なインスタレーションを中心に、立体、写真、映像など多様な手法を用いた作品を制作します。本展では、平面作品《受け止める/Holding》を展示し、ジェンダー不平等社会において、人と人との関係性や、人間の本質を探求する機会になれば幸いです。

六古窯の一つである信楽で制作活動を広げる津守愛香は、陶芸で、身近な生き物や人を作ります。それらの多くは、神話やおとぎ話から題材が取られていますが、ただのお姫様のハッピーエンドの話というよりは、力強い自立した女の子や女性を感じさせます。一見、愛嬌があり親しみのある表情の中には、不思議で不可解な、神秘性のようなものを感じとることができます。近年はお嬢さんが幼い頃に描いていたドローイングからテーマをとった陶芸作品も制作し、高い評価を得ています。

クリスティン・モルギンはロサンゼルスを拠点に活動している作家です。未焼成の粘土を使用して、アメリカの子供なら誰でも読んだことのある絵本や、ドナルドダック、ヨーダ、ブラット・ピットなど、個人的または集団的な記憶を呼び起こすオブジェやアイコンを表した作品を制作しています。塗料、インク、グラファイト、マーカーを使い、風化し、使い古されてぼろぼろになった表面を作り出すことで、見る人のノスタルジーを誘います。本展では、昔の交際相手が作ってくれた、音楽ミックスが収録されているカッセトテープの《Be A Good Little Pirate (Cassette)》、《Untitled (Playing Cards)》からクィーンカードの2点、Salt Mary(2001)を展示いたします。

シルヴィ・オーヴレは絵画からキャリアをスタートさせ、その後、ファッションデザイン、彫刻、陶芸と表現の幅を広げてきました。2021年の艸居(京都)で開催した日本での初個展「野獣と箒」では、彼女が継続して取り組んでいる箒をモチーフとした作品やドローイングを中心に展示しました。「野獣と箒」は、日常的に使われている箒やオーヴレが日常生活を通して美しいと感じた身近な木々などの素材と陶芸を組み合わせ、ピノキオなどの紙芝居、コンメディア・デッラルテなどのキャラクターを引用するなど、オーヴレらしい知的でユーモア溢れる作品です。本展出品作品の一つである《Blue Apron Broom》にはアンティークのギンガムチェックのエプロンが使用されており、女性が専業主婦として家事を担っていた時代背景を言及しています。

ミリアム・メチタは、インスタレーションや謎めいたフォルムを制作する彫刻家です。犬、雄鹿、ノロ鹿、カモシカ、ウサギなど、彼女の獣舎の動物たちは、ディテールがなく、立体化されると開口部を失う。耳も目も口もなく、意図的に原型をとどめています。本展では、陶芸作品3点、目のない鳥たち《firebirds》、《before and after》と、《potatoe head》を展示いたします。

パエ・ホワイトは、アート、デザイン、工芸、建築を融合させ、さまざまな魅惑的な作品を生み出すマルチメディア・アーティストとして知られています。アレクサンダー・カルダーや西海岸の修道女シスター・コリータなど、さまざまなアーティストの影響を受けた彼女は、日常にある素材を、儚いオブジェやインスタレーションとして発表してきました。本展では、磁器に金釉が施されたポップコーン《Companion》を展示し、見慣れた出会いや普通のものをより深く見るよう鑑賞者に促すことで、平凡なものに新たな命を与えます。彼女の示唆に富んだ作品は、私たちが目にするものの形や機能の背後にある意味を、真に問うように導いてくれることでしょう。

権威に屈せず、文化の多様性の希求や、偏った女性視への疑問を制作の原動力とするアネット・メサジェ。1970年からは、布、刺繍、糸、編み物など、身近にある素材を用いて、創作活動を行ってきました。本展では、黒い布手袋の指先から無数の色鉛筆が突き出している《La Lune-crayon(Pencil Moon)》を展示し、幻想的でポエティックな月とは裏腹に、残酷さや人間の相反する複雑さを日常の視点から浮き彫りにします。

なお、本展は、アフガニスタンの若い女性たちの教育や就労を応援する非営利団体、EJAADの活動をサポートいたします。刺繍などアフガニスタンの伝統工芸の継承とともに、若い女性たちが生き生きと活躍できる場をつくることを目指します。

出展作家:シルヴィ・オーヴレ、篠田桃紅、塩田千春、津守愛子、三島喜美代、アネット・メサジェ、ミリアム・メチタ、クリスティン・モルギン、パエ・ホワイト (五十音順)。

<艸居アネックス>

 

MIKADO2
「Do You Know Me?」


小池一馬
Head and Three Crocodiles
2024
写真:今村裕司
画像提供:艸居


山田周平
Composition©
2024
画像提供:作家
※同シリーズの類似作品を展示


神馬 啓佑
Untitled(hello?)
2024
画像提供:作家

2024.12.5(木)〜 2025.2.19(水)
(冬季休廊2024.12.28 〜 2025.1.8)

本展「Do You Know Me?」は、京都市京セラ美術館のザ・トライアングルにて2024年12月22日(日)まで開催中の「MIKADO2: ワニのためのフーガ」展の続編的な展覧会です。

MIKADO2は、山田周平、小池一馬、神馬啓佑の3人によるアーティスト・コレクティブです。2021年に活動をスタートさせました。既存のフォーマットに「欠落」または「ズレ」を作り出し、そこに一見すると無意味な遊びのような制作行為と態度を伴い補完することを試みています。

「ワニのためのフーガ」展ではMIKADO2は“担当制の共同制作”という形で絵画、彫刻、映像、インスタレーションなど様々なアプローチを駆使して、実体のわからない“神話の中のワニ”に迫ることを試みました。しかし“ワニ”は次から次へと姿を変え、結果的にスルリと逃げてしまい捕まえることはできなかったとMIKADO2は言います。

ザ・トライアングルを舞台に繰り広げられた“ワニをめぐる旅”の記憶を、MIKADO2のメンバーそれぞれが持ち帰り、咀嚼し、それをもとに単独で制作した新作を本展「Do You Know Me? 」で展示いたします。「ワニのためのフーガ」展と本展との「繋がり」を見つけて楽しんでいただけたら幸いです。

艸居:京都市東山区元町381-2 Tel: 075-746-4456 開廊時間:11:00AM - 6:00PM 休廊日: 日・月曜日

艸居アネックス: 京都市中京区一之船入町375 SSSビル3F Tel: 080-9745-8452 開廊時間:1:00PM - 6:30PM
休廊日: 日・月曜日

京都 蔦屋書店

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<6F アートウォール>

 

KAZUSA MATSUYAMA
「FLOWING TIME」


《Anonymous Portrait -Flowing time-》
1620×1303mm、Acrylic, oil on canvas
2024年

2025.1.20(月) ~ 2.11(火)

主催:京都 蔦屋書店

KAZUSA MATSUYAMAは、人物や状況を独自の絵画表現によって描き出すことで日常に潜む普遍的な美しさを表現するアーティストです。日本、米国、韓国、台湾での個展開催・アートフェアへの参加、Rolls Royceイベントへの作品提供(2023年)など、国内外で活躍しています。作品中に描き出す日常の中の人物と状況は、普遍的でありながらも、幻想的で夢のような瞬間を思わせる不確かさや曖昧さが、鑑賞者自身の記憶や感情と結びつき、想像の余白を与えています。
本展では、ゆったりと流れる時間の中に身を置く二人を描き出した新作《Anonymous Portrait -Flowing time-》などを展示いたします。

【アーティストステートメント】

現代という時代性は、この時勢を生きる私たちの記憶や無意識の重層から成り立ち、変化していきます。画家である私は、この時代を切り取る術として「普遍的な美しさ」を作品の中に描き続けています。

 

品川美香 個展
「その鳥の名前は知らなくても」


《sense of wonder》
2024

2025.2.12(水) ~ 3.7(金)

主催:京都 蔦屋書店

品川美香は、「私とは何か、人間とは何か」というテーマを軸に、子ども、スカル、隕石、山、植物、昆虫などの、作家が選んだ象徴的なモチーフを組み合わせながら、西洋絵画的なリアルさと、平面的な日本絵画的表現を合わせた独自の世界を描いています。
本展のタイトル「その鳥の名前は知らなくても」は、アーティストであり母でもある品川が、日々の暮らしと向き合う中で、米国の生物学者であり作家のレイチェル・カーソンの著書『センス・オブ・ワンダー』(※)に触発され、参照し名付けられました。
これまでのシリーズでは、植物の色をあえて一度漂白するように描いてきましたが、作家が自然や不思議さに驚嘆する時(センス・オブ・ワンダー)は、いつも景色がパッと鮮やかになるということから、新作は植物の固有色を活かした華やかな色合いで描いています。また、メインモチーフとして長年描いてきた、正面を向いた子どもや小宇宙が描かれた瞳の表現にも発展が見られ、背を向けた子どもの姿からは、より一層「我々はどこに向かうのか」というメッセージを強く感じさせます。

※『センス・オブ・ワンダー』…子どもが自然に触れ、神秘さや不思議さに驚嘆する感性の大切さを記したエッセイ集

【アーティストステートメント】

私は、わからないことや解決が難しい物事について考えるために絵を描いています。作品は、見る人の環境や経験によって感じ方が違いますが、子どもの瞳にはマクロとミクロのイメージを描き、蜜蜂は蜂群崩壊症候群など、それぞれメタファーを持ちます。それらは小さな命の存在と、歴史や宇宙などの大きな存在とのつながりを示唆していて、私にとって道具主義や功利主義では無く一つ一つの命そのものに価値があることを意味します。

<5F エキシビジョンスペース>

 

天野タケル 個展
「Venus in the Galaxy」


《Venus》
2024年

2025.2.22(土) ~ 3.17(月)

主催:京都 蔦屋書店
企画協力:コレクション・オブ・アート株式会社

天野タケルの京都 蔦屋書店における初個展「Venus in the Galaxy」を開催します。
天野タケルが追求する「NEWART」は、古今東西の美術に根ざしたテーマを現代の感覚で再解釈し、ポップ・アートの鮮やかな色彩や大胆な構図と融合させたものです。本展で発表される新作は、伝統的な禅の美学に基づく静寂や象徴性を基調としながら、観る者を引きつける現代的なエネルギーを宿しています。
その中でも、水墨画が持つミニマルで精神的な美意識は、天野の宇宙的なスケール感と調和し、新しい感覚を生み出しています。
本展のタイトル「Venus in the Galaxy」は、宇宙という壮大な舞台の中で輝く「金星=Venus」に喩えられる美の象徴とも捉えることができ、作品を通じて古代から未来へと連なる普遍的なテーマを描き出します。宗教画の荘厳さや静物画の深い寓意と、ポップ・アートが持つ軽やかな表現が融合し、天野タケルの作品は伝統を敬いながらも、それを超えた新しいアートの在り方を示しています。古典とポップ、精神性と遊び心、過去と未来。その全てが重なり合う天野タケルの世界を、ぜひこの機会にご体験ください。

京都市下京区四条通寺町東入ニ丁目御旅町35 京都髙島屋S.C.[T8]5・6階
Tel: 075-606-4525 営業時間:10:00~20:00 (不定休)

美術館情報

京都市京セラ美術館
本館 北回廊1F
本館 南回廊1F

モネ 睡蓮のとき
2025.3.7(金)-
6.8(日)



京都市京セラ美術館
本館 北回廊1階
新館 東山キューブ

蜷川実花展
with EiM:
彼岸の光、此岸の影
2025.1.11(土)-
3.30(日)



京都市京セラ美術館
ザ・トライアングル

坂本森海:
火と土と食べたいもの
2025.1.11(土)-
3.16(日)



京都国立近代美術館

生誕120年
人間国宝 黒田辰秋
―木と漆と螺鈿の旅―
2024.12.17(火)-
2025.3.2(日)



〈若きポーランド〉
ー色彩と魂の詩(うた)
1890-1918
2025.3.25(火)-
6.29(日)



美術館「えき」KYOTO

京都 日本画新展 2025
2025.2.7(金)–
2.16(月)



鶴の来る町
ミュージアムコレクション
写実絵画の世界
2025.2.19(水)–
3.30(日)



京都文化博物館

<4・3階展示室>
特別展
カナレットと
ヴェネツィアの輝き
2025.2.15(土)-
4.13(日)



細見美術館

細見コレクション
若冲と江戸絵画
2025.3.1(土)-
5.11(日)


伊藤若冲
《糸瓜群虫図》
江戶中期
細見美術館蔵