◆展覧会についての最新情報は、各ギャラリーのサイトでご確認ください。

イムラアートギャラリー京都 imura art gallery Kyoto

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中原ちひろ 個展
「118夜の合掌団 」


《118夜の合掌団》
mixed media 2025

2025.12.13 (土) ~ 2026.1.31(土)
12:00 - 18:00 * 日月祝休廊
*2025.12.28~2026.1.5は冬季休廊
レセプションパーティー:12.13(土)15:00-18:00
*16:00-作家による朗読会

画家・中原ちひろについては、これまで、古今東西の美術や、漫画、アニメとの関連が指摘されてきた。たしかに、彼女の作品の具象性や、各キャラクターの愛らしさと親しみやすさ、美術史および現代視覚文化への造詣の深さを考えると、そのような観点でその絵画世界を解釈しようとする誘惑に駆られるのも、もっともなことと思われる。しかし、このように解釈することは、彼女の芸術世界に入り込む「入口」となってその世界を広げたとしても、決して「出口」になることはないだろう。その世界を見つめれば見つめるほどに、解釈に費やしてきた言葉が意味をなさなくなるような感覚も抱くのである。

中原の描く世界の奥には、創造主である中原自身の意図や制御すらも及ばない「なにか」がある。夢や現実を超えたこの場所は一体どのようなところで、われわれはそこで「なに」と出会うのだろうか。この世界の深奥に触れるためのひとつの鍵は、言葉による参照関係や解釈から一度離れ、そこに生きるものたちの声に、ただ静かに耳を傾けることかもしれない。

山田隆行 (東京国立近代美術館 特定研究員)

京都市左京区丸太町通川端東入東丸太町31 Tel:075-761-7372 休廊日:日・月曜日&祝日

同時代ギャラリー DOHJIDAI GALLERY of ART

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〈ギャラリー〉

 

関西新象 〈表現者達〉
〜アート・実験・未来〜


2026.2.3(火) ~ 2.8(日)

 

毎日戦中写真を読む
- 特派員の足跡とミヤニ式カメラ
毎日新聞社


2026.2.10(火) ~ 2.22(日)

毎日新聞大阪本社には日中・太平洋戦争中に特派員が撮影した約6万枚の「戦中写真」が保管されています。終戦時に軍が出した焼却命令に反して残された写真には、戦闘だけでなく兵士の日常や従軍動物、占領地の人々の暮らしなど、戦争の多様な側面が記録されています。この貴重な写真を後生に伝えるべく、大阪毎日新聞社京都支局として98年前に建設された「1928ビル」内「同時代ギャラリー」で写真展を開催します。記者たちの息遣いの残る空間で特派員の足跡を辿るとともに、京都で開発された「ミヤニ式反射望遠カメラ」にまつわる写真も展示します。会期後半には2022年から共同研究を進めてきた東京大学大学院・渡邊英徳教授がカラー化した「戦争と動物」「戦争と女性・子ども」シリーズもご覧いただきます。

<ギャラリートーク>

2.10(火)17:00-
2.18(水)17:00-

京都市中京区三条御幸町南東角 1928ビル2階 Tel:075-256-6155 休廊日:月曜日

エンアーツ eN arts

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眼差しと指差し
山西 杏奈 個展


Breeze 2025 | トチ・釘
©Anna Yamanishi
Photo by Takeru Koroda

2026.2.1(日)〜 2.28(土)
開廊日時:上記会期中の金・土・日 12:00-18:00
月〜木曜日はアポイントメントを承ります。

何かを見て「指を差す」という行為は、幼児が言葉を話し始める前に最初に行うコミュニケーション行動だと言います。触る/掴む/舐めると言った身体的なアクションではなく、言葉を使った客観的な表現でもない、その中間にある「指差し」が持つ自分と世界との独特な距離感にとても惹かれるものを感じます。作品を作るとき、自分が対象の何を捉えたいのか、どのような形式を使って世界を見ているのか、それらをよくよく観察することで、タマネギの皮を剥くように違った世界が現れてくる楽しみがあります。もしかするとそれは幼児の「指差し」期に見た世界の透明な輪郭を、再び外側から再発見している喜びなのかもしれません。

私は大学時代は工芸科で漆工を学びました。漆は液体なのでそれを塗るための形が必要ということで、私は好きだった木を選び制作を始めることにしました。しかしその後、どうしても作った形の上に漆を塗ることはできませんでした。後から考えれば、形/表面という表裏一体の存在のどちらかに重きを置いて扱うことが自分にとって難しかったのだと理解しました。このような学生時代の経験がもとになり、形/表面の関係に関心を持ち今日まで作品を展開しています。世界の全ては表面しか見ることができないということ、そこに常に付随する存在/不在の問題について制作を通して考えています。

山西 杏奈


eN artsは2026年2月1日(日)より2月28日(土)まで、山西杏奈個展 「眼差しと指差し」を開催いたします。本展で山西は、作品を単なる立体物としてではなく、知覚のあり方そのものを問い返す場となるべく新作を発表します。

何を焦点として捉え、どのような形式によって世界を切り取ってゆくかを丹念に検討する過程は、完成形を目指す造形行為というよりも、認識の条件をひとつずつずらせていく試みに近く、結果として現れる作品は、明確な意味や象徴を誇示せず、見る者の理解が立ち上がる以前の段階にとどまり続けます。

漆芸科という工芸の分野における学びを背景に、山西は立体の構造と外観とを切り分けて扱うことの困難さに直面してきました。「形/表面を同等に扱いたい」という彼女の態度は、彫刻を自律した量塊として成立させる従来の方法論から距離を取り、造形を知覚の現象として捉え直す実践なのかもしれません。

山西杏奈の作品は、木彫=確かな実体であると同時に、余白を含み込んだ不安定な状態をも保持しています。私たちが世界を理解する際に、常に外側の様相に依拠する鑑賞者自身の前提や認識を疑問視し、浮かび上がらせる媒介として機能しているようにも見えます。

本展では、見ることの起点を問いながら、私たちが無意識のうちに信じてきた対象との距離感や知覚の透明性を揺るがす「『眼差しと指差し』という身振りの反復」を経験していただきたいと願っております。

eN arts

京都市東山区祇園北側627 円山公園内八坂神社北側 Tel:075-525-2355 開廊日:金・土・日曜日

ギャラリー16 galerie16

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一隅の光景
葛本康彰


2026.2.10(火)〜 2.21(土)

本展は[propagate]と題した霜の結晶の痕跡を塗料によって定着する作品シリーズで構成するものです。この手法の制作は2017年の年始頃、比叡山麓の作業場の屋外で塗装作業をしたまま片付けを忘れ、ひと晩野晒しになったベニヤ板に残っていた痕跡を手掛かりに始まりました。以来、冬が来る度に手探りのトライアンドエラーを繰り返し今日に至ります。蓄積される経験や緩やかな統計によって制作環境の解像度が上がった一方、それでもなお気温や湿度などの数値では捉えきれない微視的な何かの存在に疑いの余地はなく、雄弁な結晶の文様も、私たちの周囲をとりとめもなく満たすもののほんの一端でしかないのです。移ろいゆく自然現象を相手にしていると語りつつも、その実、変化してきたのは私自身の思考や皮膚感覚だったのでしょう。近年は、紙や画布などの地面にそっと寄り添うような支持体が肌に馴染むように感じています。そうした作品の中から、25-26シーズンの新作を展示します。

京都市東山区三条通白川橋上ル石泉院町394 戸川ビル3階 Tel:075-751-9238 休廊日:月曜日

ヴォイス・ギャラリー MATSUO MEGUMI+VOICE GALLERY pfs/w

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現代美術二等兵
祝 活動33周年「昭和100年、柿8年」


「のしイカピンバッジ」


「カプセルタワーリング」

2025.12.20(土)〜 12.27(土)
休廊日:22(月)・23(火)

2026.1.7(水)〜12(月・祝)
会期中無休 開廊時間=各日13〜19時

昭和がもし続いていたら今年は昭和100年。
昭和生まれで、多感な時期を昭和で過ごした現代美術二等兵も今年は活動33周年。
記念になりそうな今年は、影響を受けまくった昭和の記憶を下敷きに昭和脳をフル回転させつつ、どこか懐かしい駄美術をしみじみ紡ぎます。
同世代の方も、平成生まれの方も、なんなら令和生まれの坊ちゃん嬢ちゃんも、世代を超えて愛されたい駄美術の展覧会。
ぜひお運びください。(現代美術二等兵)

京都市下京区筋屋町147-1 Tel:075-341-0222 営業時間:13時~19時 休廊日:HPにてご確認ください。

京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA

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SPECIAL EXHIBITIONS
金氏徹平とthe constructions
「tower(UNIVERSITY)」


撮影:吉本和樹

2025.12.13(土)〜 2026.2.15(日)
休館日:12.15(月)、12.22(月)、12.27(土)-1.5(月)、1.13(火)、1.19(月)、1.23(金)-26(月)、2.2(月)

主催:京都市立芸術大学
助成:令和7年度 大学における芸術家等育成事業
協力:「TOPOS:まなびあう庭としての芸術大学」
   プログラムC「創造と場の「演出」」参加者
   dot architects
   アートフロントギャラリー
   Yumiko Chiba Associates
コーディネート:
「TOPOS:まなびあう庭としての芸術大学」プロジェクト
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
企画:藤田瑞穂(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA チーフキュレーター/プログラムディレクター)

大小さまざまな孔の空いた抽象的な建築物と、そこに出入りするいろいろなものたちの活動を同時並行的に描き出す「tower」は、金氏徹平が20年以上にわたって取り組んできた重要な作品シリーズのひとつです。本学在学中に制作したドローイングに始まり、コラージュ、映像作品、舞台作品、と多様な形態で展開され、金氏の領域横断的な活動を象徴するものとなっています。本企画では芸術大学を舞台に、この「tower」のテーマのもと、創造活動と教育、学び、表現による世界とのつながり方、そして展覧会という場自体について、展覧会をつくるプロセスそのものを作品化することを通して思考します。

会期中に会場内でパフォーマンスなどのさまざまな活動が行われます。
詳細はHPにて順次公開いたします。
【パフォーマンス】
①2026.1.11(日)13:00–17:00
②2026.1.12(日)15:00–17:00
③2026.2.8(日)18:00–20:00(事前申込優先・定員あり)
④2026.2.15(日)13:00–18:00
(2025年12月8日更新)

京都市下京区下之町57-1 京都市立芸術大学 C棟1F Tel:075-585-2010  休廊日:月曜日

MORI YU GALLERY 京都

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UNDULATIONISM Ⅻ
黒田アキ 小栁仁志 世良剛 浜崎亮太


2025.11.8(土)〜 11.30(日)
開廊時間:12:00 〜 18:00
休廊日:月・火・祝日 休廊

「UNDULATIONISM」は造語です。「UNDULATION」とは真っ平らでflatなものではなく「波のような動き」や「揺らぎ」を意味します。この単語は「undulate」という動詞からの派生語で、自然現象や音楽、心理的な状態や感情の起伏を表す場合にも使用されます。風などの要因により生み出される「UNDULATION」ですが、「NOISE」から生まれてきたものだと我々は捉えます。

「NOISE」という言葉は黒田アキの友人であるフランスの哲学者ミッシェル・セール(Michel Serres,1930-)の「NOISE」論に依拠します。中沢新一氏によると「NOISE、それは古いフランス語で「諍(いさか)い」をあらわしている。バルザックはこの古仏語の語感を利用して、「美しき諍い女 la belle noiseuse」という存在を創造した。しかし、ノアーズのさらに古い語感を探っていくと、異質領域から押し寄せてくる聴取不能な存在のざわめきのことを、言い当てようとしているのがわかる。不安な波音を発する海のしぶきとともに出現するヴィーナスの像などが、そのようなノワーズの典型だ。ヴィーナスは海の泡から生まれたとも言われるが、またいっぽうではその泡は男女の交合の場所にわきたつ泡だとも言われる。いずれにしても、それは世界の舞台裏からわきあがってくる不気味なざわめきにつながっている」(中沢新一『精霊の王』-第五章 緑したたる金春禅竹- より)、とあります。

黒田アキが名付けた『Noise(ノワーズ)』という美術雑誌(1985年5月発行の創刊号から1994年の18/19合併号まで全17冊発行)は、1985年に黒田が『デリエール・ル・ミロワール』誌を引き継ぐ形で創刊し、新しい美術誌のタイトルとして使われました。所謂、英語的なノイズと言われるものと「NOISE」は全く意味が違い、黒田アキはNOISEという言葉に意味を見出してきました。海から生まれるNOISEは黒田の青の意味の源泉でもあります。マチスやクラインとも違う、黒田の青はNOISEに起因し、青の根源を黒田は「風」のようなストロークによって波立たせ、絵画面上に「UNDULATION」を起こし、そこで縺れた線は様々なイメージを生み出します。

世良剛、小栁仁志、浜崎亮太の三作家も、こうした「UNDULATION」をそれぞれの思考、技法によって生み出します。

小栁仁志は、静かですが非常に微妙なストロークによって画面上の海を波立たせ、そしてまた空を棚引かせます。何重にも絵具を塗り重ね、一見すると淡くも深淵なる画面を描いていきます。彼の作品は決してミニマルなものではなく、その画面には小さくも持続性のある確実な揺れが存在しています。

世良剛は、とても優しいストロークにより、極めて透明感のある画面を作り出します。淡くもその浮遊感のあるイメージは常に漂いつつ、鑑賞者の記憶に着実に残っていきます。

浜崎亮太は、映像作家としてデビューし、近年はオブジェ作品を多数発表しています。マルグリット・デュラスに影響を受け、独自のコンセプトで作品をつくってきました。幼年期や日常の体験から科学論に至るまで広い範囲から着想を得て、オブジェの箱の中や平面に意味のレイヤーを作りこんでいきます。既製品を使いながらもアッサンブラージュの手法を用いることで、作品に隠された意味を幾重にも拡張し、映像の持つ時間のような波をつくりだします。

今回は四人の作家がそれぞれ独自の手法によって、「UNDULATION」という意味を提示してくれることでしょう。

京都市左京区聖護院蓮華蔵町4-19 Tel:075-950-5230 休廊日:月曜日・火曜日・祝日

ギャラリー ヒルゲート  Gallery Hillgate

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〈1F〉
小川美奈子 油彩画展

2026.2.3(火) ~ 2.8 (日)

 

〈2F〉
中村百花 個展
記憶がかさなる/星をながめる

2026.2.3(火) ~ 2.8 (日)

記憶の中の光景や自己や他者との関わり合いなど自身の周りにありながらも移り変わる物事を描いている。
絵の中に映る顔には輪郭はなく、その実体には触れることは出来ない。水に触れる様に絵にも触れていく。深く潜ったり、表層の煌めきを眺めたりする。絵の中にも光や空気や風を感じてみたいと思う。

 

〈1F〉
悠画会展「5人の日本画展」

2026.2.10(火) ~ 2.15 (日)

京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)で共に学んだ5人の日本画展です。

〈出品作家〉
清河滋子 赤井美津子 藤本達子
村田美智子 朝来恵子

 

〈2F〉
田中希和子 個展
鳥とか、猫とか、お花とか。Vol.2

2026.2.10(火) ~ 2.15 (日)

 

〈1F〉
髙橋雅史 展

2026.2.17(火) ~ 2.22 (日)

 

〈2F〉
市川曜子 展

2026.2.17(火) ~ 2.22 (日)

このたび、私が挿画を担当した『焼かれた魚』、『猫町』、そして『NHK俳句』に連載された様々な方のエッセイ「俳句的日常」に寄せた版画作品を抜粋し、個展としてご紹介いただくことになりました。
文章に潜む気配をもとにする挿画の仕事は、自身の作品制作においても、思索や曖昧な問いかけを表現することで、それらをさらに深化させられることを教えてくれました。
今回の個展が、その気配や余白を改めてご覧いただく機会となれば幸いです。

少し疲れた仕事の帰り途、ふと立ち寄った本屋の棚にあったのが市川さんの挿絵による朔太郎の『猫町』でした。一瞬でその世界に引き込まれ、連絡先を探して個展を依頼しました。 2001年のその出会いから今回で4度目の個展。どうぞご高覧いただきたく、御案内申し上げます。

ギャラリーヒルゲート

 

〈1F〉
長谷治郎 展
some other spring

2026.2.24(火) ~ 3.1 (日)

 

〈2F〉
衣川雅之 はなのえてん

2026.2.24(火) ~ 3.1 (日)

 

〈1F〉
竹内淳子 展
☆ヒマラヤの迦陵頻伽☆

2026.3.3(火) ~ 3.8 (日)

 

〈2F〉
川端祥夫 展
―トキオツゲル―

2026.3.3(火) ~ 3.8 (日)

 

〈奥庭空間〉
楠井沙耶 個展
かかる木

2026.1.12(月・祝) ~ 6.14 (日)

木は根から離れたとたん、横倒しになります。これから加工されるのか、薪にされ灰になるのか、他の生き物たちに分解されるのか…植物は生と死のさかいに曖昧さをもつ生き物です。木が折れた後、あるいは切られた後、人はいつまでそれを生き物だと認識し続けることができるのでしょうか。そんな問いかけが私の中を巡っています。

半年間の展覧会期間中、根から離れて死んだように思える木を生物遺体と捉えてみます。そしてギャラリーの生きた庭木に立てかけて「かかる木」と呼んでみます。

この試みが人と他の生き物の関係について、あるいは人自身の生死の捉え方について、ささやかな発見の場になることを願っています。

楠井 沙耶

京都市中京区寺町通三条上る天性寺前町535番地 Tel:075-231-3702 休廊日:月曜日

京都芸術センター Kyoto Art Center

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<ギャラリー南・北、グラウンド側建物外壁ほか>

 

ニューミューテーション#6
井上裕加里 ソー・ソウエン 高田マル
「ふるえのゆくえ」


井上裕加里


ソー・ソウエン


高田マル

2026.1.17(金)〜 3.15(日)

関西ゆかりの若手作家を紹介する
「ニューミューテーション」第6弾!

京都芸術センターでは、関西ゆかりの若手作家を支援する枠組みである「ニューミューテーション」第6弾として、井上裕加里、ソー・ソウエン、高田マルによる展覧会を開催します。
今年、開設25周年を迎える京都芸術センターは、制作と発表支援の場として、アーティストと協働してきました。本展では、出品作家3名による京都芸術センターでのクリエーションを経た新作を発表します。

井上裕加里は、戦後の東アジアを中心とした国家間における複合的な状況にある人々の声を聞き、私たちや国家のあいだにある境界の力学を探ってきました。語られることがなかったかもしれない言葉に耳をかたむけることで、大きな歴史・文化観では消えてしまう声に焦点をあて、そこから生まれる問いを出発点に、社会構造や身体に敷かれたルールを紐解いていきます。本展では、兵役の経験を持つ知人たちへのインタビューや心理学的な質問、基礎教練の習得を通して、アイデンティティや国家と個人の関係、理解し合えなさに着目した映像作品を発表します。また制作での経験を起点に、抵抗の在り方を探るワークショップを展示期間中に実施し、記録映像を発表します。

ソー・ソウエンは、生の根源的な事象を主軸に絵画やインスタレーション、パフォーマンスなどを発表してきました。個としての生の循環を出発点に、身体を通して他者との生きた関係性を紡ぐことで、アイデンティティの在り方を探求しています。本展では、15名の参加者とともに「こんな世界であってほしい」という声をいくつかのルールのもとその場から絶やさない制作ワークショップを実施しました。普段わたしたちが用いる「声」の全体性や連帯、抵抗、逸脱などの性質に着目し、ハーモニーや群集心理について迫るサウンド・インスタレーションを発表します。

高田マルは、現代において絵を描き、みせて、みるという行為を自身の実践をとおして検討してきました。本展では、京都芸術センターグラウンドを囲む元小学校の校舎外壁に約2か月の制作期間をかけて制作し、これまでで最大規模の壁絵シリーズを発表します。本シリーズは、日記帳に描いた絵を外壁に拡大して投影し、重なり合う線をなぞって描き、そして最後には消えていく作品です。描くという個人的な営みが、公の場で人々の目にふれるとき、絵とその環境はどのように変容していくのでしょうか。展覧会の最終日には、参加者とともに線を消す壁絵クロージングを行います。

この展覧会では、わたしが震わせた/震わせられた経験と、そのふるえがどこに向かっていくのかについての作品と実践をみることができます。ふるえは、緊張や高揚、感動、恐れなど言葉以前の感覚が、意志よりも先に身体に立ち現れ消えていく現象です。微弱な振動からはじまるこの運動は、個人的なものでありながら、同時に他者とのあいだに生じ、わたしと他者、世界が断絶しているのではなく、連続した関係にあることを示唆しています。排外的な状況が世界各地でつづくいま、しばしば取るに足らないとされる「わたし」のささやかな欲望や願いから発せられる小さなふるえに目を向け、その行く先をみつめることで、「わたしたち」とは何か、鑑賞者のみなさんとともに考える契機となれば幸いです。

<館内各所/図書室・情報コーナー>

 

森 太三
「ここに仮に置いてみる」act 2
〔feat.麥生田兵吾〕


撮影:麥生田兵吾

2025.11.20(木)〜 2026.2.27(金)

2025年に開設25周年を迎えた京都芸術センターの館内各所に、森太三のカラフルに着彩された木端による椅子やベンチを約1年の期間、仮に置いてみます。森は粘土を丸めたり、紙を切ったり、木材を小さく切ったりしたものを寄せ集めることで、大きな作品を制作してきたアーティストで、2001年に京都芸術センターが開催した初めての公募展「Amorphous “I”アモルファスアイ/不定形の〈私〉」(2001年2月4日-27日)の出品作家です。 25年の時を経て京都芸術センターに帰ってきた森の作品から、どのような風景が見えてくるでしょうか。 京都芸術センターに来られた際には、ぜひ腰掛けてみてください。

2025年11月20日からは第2幕として、写真家・麥生田兵吾が捉えた「ここに仮に置いてみる」の記録写真を合わせて展示します。館内各所に佇み、人の訪いを静かに待つ椅子たちが、人が現れることで動き出す…。「ここに仮に置いてみる」の新たな一面をご覧ください。

京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2 Tel:075-213-1000

GALLERY TOMO

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Permanent exhibition

誠に勝手ながら現在はアポイントオンリーの営業とさせていただいております。

作家:
近藤大祐、篠原猛史、こうす系、石原 孟、杉谷一考、
藤田 薫、町田藻映子、山本真也、宮岡貴泉、吉田延泰、
家山美祈

京都市中京区寺町通丸太町東入る南側下御霊前町633 青山ビル1F Tel:075-585-4160 休廊日:月・火曜日

KUNST ARZT

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堀江優希 個展
こそあどの反復横跳び


パイナップルの木々
2025年

2026.2.3(火)〜 2.8(日)

KUNST ARZT では、堀江優希の個展を開催します。
堀江優希は、イメージの認識を考察するアーティストです。
「パイナップルの木々(2025)」では、様々な角度や距離など、 複数の視点から撮られたパイナップルの木の写真を 幕のようなビニールに封印しました。
全体像を浮かび上がらせる試みでは、 実物とは似て非なるモノが立ち現れました。
ピカソらのキュビズム、ホックニーの フォトコラージュらと通じる“見ること”への問をお楽しみください。

(KUNST ARZT 岡本光博)

<アーティスト·ステートメント>

「見る」という行為から立ち上がるイメージ(像/想像)について
版、写真、映像などを用いて表現探求する。

 

森田 樹 個展


2026.2.10(火)〜 2.15(日)

KUNST ARZT では、 森田樹の初個展を開催します。
森田樹は、生物に内在する強度、仕組み、 規則、美しさ、しなやかさをアート/ ファッションに活かすアーティストです。
2025年の卒業制作展では、 「理」というタイトルのもと、 生物の構造を分析、図式化し、 布のパターンを組んでいくことで立ち上げた ファッションピース3点を発表しました。
本展では、「器」と題して、カバンなどの ファッションアイテムを展開する予定です。

(KUNST ARZT 岡本光博)

<アーティスト・ステートメント>

生物は現在の形態に至るまで長きに渡り変化を遂げてきた。
その形に宿った強さ、しなやかさ、美しさ、仕組み、
規則を服に宿すことを目標として制作活動をしている。

 

山下裕美子 個展
Fossil Scene ことばのまえ ことばのあと


Fossil words / Letter
2017

2026.2.21(土)〜 3.1(日)

KUNST ARZT では、 山下裕美子の個展を開催します。
山下裕美子は、紙コップや紙風船など 紙製の日用品を磁器(石)化し、 美と儚さを内包させるアーティストです。
白を基調とした3人展「white noise・white out・ white fixing」(KUNST ARZT 2024)では、 シンボリックに赤が映える、糸電話モチーフの 「noise (2024)」、空気や柔らかさを捉えた 「blank space (2024)」、本からこぼれ落ちた 言葉を集めたような「コトモノモノゴト (2024)」を発表。
それらは、薄い磁器(石)に変換されていることで、 我々が刹那的に壊れやすい世界の住人で あることを示唆していました。
本展では、メインルームで「石化する言葉 秩序の部屋」、 サブルームでは「ことばのまえ ことばのあと」と題して、 自己が不安定に揺れるような感覚を喚起するような 空間を構成(作家の言葉)する構想です。

(KUNST ARZT 岡本光博)

<アーティスト・ステートメント>

紙や布に磁土の泥漿を塗り、 貼り重ねて形作ったものを焼成すると、 支持体であった紙や布は燃え尽き、 磁器特有の透光性を持った ごく薄い膜状の作品となる。
物質としての紙や布は焼失している にも関わらず、そのテクスチャーは 作品の上に残る。それは焼成を経て、 失われることで立ち上がる紙や布の 存在した痕跡、記憶のかたちである。

土という素材から重量というヴォリュームを 可能な限り削ぎ落とすことで、 表層には素材の質感や特性が浮かび上がる。
物体を物質というミニマムな姿に解体していくこと。 素材の要素の均衡を崩し、 ある要素を突出させたものが実存 することは虚像では作り出せない知覚のズレ、 皮膚感覚に体感として伝わるものがあると考えている。
物体そのものではなく、内外の空間や流れる時間を前 景化させることができないかと試行している。

京都市東山区夷町155-7 2F Tel:090-9697-3786 休廊日:月曜日

ギャラリー恵風  Gallery Keifu

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*今後周囲の状況を鑑み、変更することもございますので、ご来場の際はホームページやFacebookでご確認くださいませ。

 

〈1F〉
竹本亜典 展
- 如月に思ふ -


2026.2.10(火)~ 2.15(日)

誰しも、かつて居た場所、以前に訪れた処に思いを馳せる。そんなとき自分が見ていたものと見えていたものは、本当は似ているようで違っているのかもしれないと思う。曖昧な記憶と相まって、どこか違うものにカタチを変えることさえある。だんだんぼんやり見えてくるもの、それを確かめるように絵を描く。
年が明けて新春を祝う頃を過ぎても本当の春にはまだ間がある。
凛とした寒さに身震いをしながら春を待つ想いを抱く。そして、画面と対話しながら良い絵とは何かをまた考える。(竹本)

 

〈2F〉
第16回 贈りもの展


2026.2.10(火)~ 2.15(日)

今展は、30歳未満の若手アーティスト32名による贈りものをテーマにした作品展です。16回目を迎える恒例のこの企画展は、小品ながら若々しくエネルギー溢れた作品が並び、楽しみにしてご来場者くださる方も増えました。初めて発表する現役の学生や、創作活動を続けている若手作家など経験は様々です。心を込めてつくられた32名のバラエティー豊かな作品を是非お楽しみください。みなさまの温かいエールをお願い申し上げます。(野村)

 

〈1F〉
橋本百合香 個展
綾なして山をなす


2026.2.17(火)~ 2.22(日)

紙を貼り、絵の具や箔を重ねる。
積層され変化していく姿はまるで自然の山のようにも感じられる。
紅葉して落葉する木々のように、私の作品も長い年月が経つと 思わぬ変化を遂げているかもしれない。
でもそこにある痕跡は確かに残っている。

ランダムにコラージュされた紙や箔の重なりから生まれる表現や、時折画面に現れる落書きのような動植物たちによって、現代の日本人が失いつつある心豊かな感覚を取り戻すことができる作品づくりを心がけている。(橋本)

 

〈2F〉
米田まみ 個展
東への抜け道


2026.2.17(火)~ 2.22(日)

家のすぐ東側には山がある、そんな場所で暮らしています。
周りを見渡して見えるもの、道、家、畑、空き地、遠くの町、家、そのどれもが、人々が生きる中で少しずつ形づくられたものです。
目に映るかたちは、これまで人々が生きてきた年月そのもののように思います。
制作を通して風景の中に堆積する人々の時間を辿り、自分もその時間の一部になることが出来れば。 そう願いながら制作しています。(米田)

 

〈1F〉
田村仁美 展
きざはしのあわい


2026.2.24(火)~ 3.1(日)

きざはし。それは上と下、こちらとあちらをつなぐ段差。
上り下りの移ろいの中に生まれるあわいに目を向ける。
過去と現在、内と外、光と影、言葉になる前の感情、形を持つ前の気配。
それらが静かに重なり合う場所で、色を置き、線を探り、時間を滲ませたい。
この作品が、見る人それぞれの「あわい」へと続く小さなきざはしとなり、 そっと足をかけてもらえたらなら幸いです。(田村)

 

〈2F〉
大西佑奈 展
瞼のうら、指のさき


2026.2.24(火)~ 3.1(日)

人、花、風景。日々さまざまなものの間で移ろい、心を寄せています。
毎日見る部屋の中で、窓から見える景色、足を伸ばした先。
心を寄せる先は輪郭を持ったものばかりでなく、それに対峙した際の自身の心の動きや、その時感じた時間の流れなど、多岐に渡ります。
久しぶりに観察した小物にも、以前とは違った心象を抱き、新たに心を寄せることもあります。
普遍的な日常の中で流れる時間、心の機微を日々を積み重ねるように描きたいと思います。(大西)

京都市左京区聖護院山王町21-3 TEL:075-771-1011 休廊日:月曜日

2kw gallery

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中島一平 個展
進行形の絵画


2026.1.31(土) 〜 2.22(日)
13時―19時(最終日は17時迄)
休廊:月・火・水​

2kwgalleryでは、画家・中島一平による個展を開催致します。
大胆なストロークの重なりが織り成す絵画世界をお時間の許す限りぜひご高覧いただけましたら幸いです。


「進行形の絵画」によせて

「絵画にとって絵具が混ざるということはとても重要なことだと思う。筆触ごとに未乾燥な絵具が混色されながら制作が進行する。絵具の物質性の中に描くプロセスと時間性が定着されてい行く。これは我々が生きる世界の状況と似てはいないだろうか。国境や民族、宗教を超えて、人々が移動し交流し混ざり合いながらリアルな現実を共有し、明日の世界を模索している。こう思うと画面は世界の在り方の縮図のようでもある。」


この文は、「ペインタリネス 2018」というグループ展での冊子に私が寄せた一文である。 分断の深まりをさらに感じるこの頃、この一文を思い出した。この展覧会の「進行形の絵画」というサブタイトルはこの一文の内容から引用した。 今回出品する一連の新作も、同じ方法で、つまり絵具がまだ濡れていて流動的な状態で制作している。絵具という色彩を持った物質が混ざり合い、構築と混沌を往復しながら制作が進行する。静かで緊張に満ちた時間、時おり初めて見るような画面に出会うことがある。それは異国の風景のようでもあり、また遠い過去の懐かしく幸せに満ちた光景のようでもある。また時には大胆な自由さで私を引っ張っていってくれることもある。でも次のストローク(筆触)によって、いとも簡単に崩れ去ってしまうことも多い。そんな流動的な進行形の中に、新しい画面の表れ方を探してみたい。少し大げさかも知れないが、私にとっての世界の表れ方を探してみたい。そして、その画面が今を生きる誰かの力になってくれれば、と願っている。

中島一平 2026年1月

滋賀県大津市音羽台3-29-1 TEL:090-5241-8096 休廊日:月・火・水曜日

Gallery G-77

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バラス・スピロス 個展
夏への憧れ


鴨川 2025


岩 2025

2025.12.2(火)〜 12.14(日)
11:00 ~ 18:00 月曜定休

本展では、ギリシャ出身のアーティスト スピロス・バラス(Spiros Baras) による、鉛筆ドローイングと数点の水彩作品を紹介します。
バラスのドローイングは、抑制された筆致と光に満ちた静けさの世界を描き出しています。テクスチャーのある紙に色鉛筆で丹念に描かれたそれらの作品は、重さや影、そして雑音を拒むような繊細さを湛えています。色彩は幾重にも重ねられた層の中で呼吸し、紙そのものが光を含むかのように見えます。

モチーフは、島の風景や建築の一部、親密な肖像、そして日常の穏やかな情景まで多岐にわたります。海、丘、肌、空気といった本質的なトーンへと還元されたイメージは、時を超えた静寂の中に浮かび上がります。光は拡散し、地中海的でありながら内省的で、登場する人物たちは記憶と夢のはざまに存在しているかのようです。

そのシンプルな構成の奥には、正確で繊細な感情の緊張が潜んでいます。わずかな憂愁と夏への憧れ——それは展覧会タイトル「Longing for Summer(夏への憧れ)」にも響き合う感情です。眠る猫、物思いにふける女性、遠くの丘に輝く教会——世界がゆるやかに歩みを止める瞬間を、観る者に思い起こさせます。

バラスの限られた色彩と平面的な構成は、初期モダニズムの感性を想起させながらも、彼自身の人間的で思索的な温かさに満ちています。彼の水彩作品もまた、光が一瞬世界を照らして消えていく、その儚さへの瞑想として見ることができるでしょう。 現代美術の文脈において、スピロス・バラスは独自の位置を占めています。華やかさや過剰なデジタル性、概念的な誇張から距離を置き、ドローイングを感覚的で瞑想的な行為として取り戻しています。

一見すると、彼の構図はミニマル・リアリズムやポスト・ミニマル的な具象に近いように見えますが、その本質は様式よりも詩的です。影の不在、色彩の節度、修道的ともいえる精密な筆致は、ポストフォトグラフィック・ペインティングやニュー・シンセリティ運動に通じる、親密さや触覚性、日常への回帰を思わせます。

控えめな家々、静止した身体、くつろぐ動物たち——それらのイメージは「静止すること」をひとつの抵抗として提示します。皮肉や喧騒、政治的スペクタクルに満ちた現代において、バラスは深く人間的な注意のあり方を育みます。ほとんど蒸発するような光の層が、記憶と場所が階層なく共存する思索の空間を生み出しているのです。

多くの現代画家が物質性を極端に追求する中で、バラスの制作は「引き算」によって特徴づけられます。空気や静寂、紙の呼吸そのものを作品の一部として取り込み、余白の中に生命を感じさせます。この点で彼は、ピーター・ドイグやジョルジョ・グリッファといった作家たち、さらには雰囲気とニュアンスを重んじる現代日本の画家たちと共鳴しています。

スピロス・バラスは、現代の視覚文化におけるひとつの逆流を体現しています。彼のドローイングは懐古ではなく、もう一度「見る」という行為を取り戻すための静かな提案です。ゆっくりと、やさしく、そして思いやりをもって世界を見つめ直すこと—それが彼の作品が私たちに促す眼差しなのです。

京都市中京区中之町73-3 Tel:090-9419-2326 休廊日:月・火曜日

艸居

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<艸居>

 

シルヴィ・オーヴレ 展
「ペーパーカット」


《無題》 2025
写真:Aurelien Mole 画像提供:艸居


《無題》 2025
写真:Aurelien Mole 画像提供:艸居

2026.2.6(金)〜 2.26(木)
開廊時間:11AM‒6PM 休廊日:日・月

艸居では、シルヴィ・オーヴレ個展「ペーパーカット」を開催いたします。オーヴレの艸居での個展は 2021年以来2回目となり、本展では新作の油彩で描いた紙から制作されたマスク、ドローイング、イタリアで制作した石膏と布の作品、信楽にて作陶した陶芸作品等、約70点を展示いたします。

フランス・パリ生まれで現在もパリで制作を行っているオーヴレは、10代の頃から絵を描き始めました。年月を追うごとに、版画からファッション、絵画、彫刻、陶芸など、その表現方法は多岐に広がってゆきます。また旅先の土地で見つけた人々の日常生活において使われている道具や、蚤の市や街を歩く中で目に留まった美しい布やプラスチック、古いおもちゃなどの素材から独自の着想を生み出し、彼女ならではの世界観を作品に投影させてきました。

本展では、紙を用いた最新作と、それらの着想源となった過去の作品をあわせて展示いたします。 展示の中心となるのは、オーヴレ自身があらかじめ油彩で描いた紙から制作した、人や動物をかたどったマスクのシリーズです。紙に描かれたモチーフは、ミラノのマルティナ・シメティでの個展と、2024 年に艸居で開催された展覧会「シルヴィとうめつ。おばけやしき?」(梅津庸一との合同展)の2つの展覧会を発展させたものです。いずれも、グラフィックやテキスタイルを主題に制作を行いました。

オーヴレは、旅先や蚤の市で出会った布地から着想を得て、紙にドローイングや油彩を施します。元の模様を自由に解釈し、ときにはそのパターンから大きく離れながら独自の表現へと展開させます。こうして描かれた紙の一部は、人物のマスクへと変容し、またオーヴレの制作に繰り返し登場するテーマであるマスクは陶作品にも見られます。日本でも大衆的に親しまれている動物 –ウサギ、ウマ、ブタ、ネズミ– をモチーフにしたマスクも制作しています。マスク作品は、繊細な糸で壁に吊るされ、まるで装身具を思わせます。紙という素材の儚さが作品に特有の感情的な度合いを与え、彩色された表面から人物像が率直に、ほとんど即興的に立ち現れてくるかのようです。これらの作品は、布の模様に着想を得てイタリアで制作された初期作の石膏作品や、信楽で制作された陶作品とともに展示されます。

この貴重な機会に、是非ともご高覧いただきたくご案内申し上げます。

艸居:京都市東山区元町381-2 Tel: 075-746-4456 開廊時間:11:00AM - 6:00PM 休廊日: 日・月曜日

艸居アネックス: 京都市中京区一之船入町375 SSSビル3F Tel: 080-9745-8452 開廊時間:1:00PM - 6:30PM
休廊日: 日・月曜日

京都 蔦屋書店

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<6F ギャラリースペース>

 

田中 嵐 個展
「Mimesis」


《Raindrop of crystal》

2026.1.10(土) ~ 2.3(火)

主催:京都 蔦屋書店

田中嵐は、2000年福岡出身のアーティスト。鉱物を主成分とした結晶液に、自身が撮影した風景や人物の写真を浸し、表面を結晶化させた作品を手掛けています。結晶化の工程では、雨の音や被写体の心音などといった写真と関連する音をスピーカーから流し、音の振動によってあえて不均等な結晶を生み出します。

「私にとって『結晶化』とは、単なる物質変化ではなく、私たちが紡いできた⽣命や記憶を、⽴体化し可視化する⾏為である。⾬が落下し、氷華が⽣まれ、やがて融解してゆくように、⾃然と⽣命が異なる時間と世界で絶え間なく進むその過程が、結晶化を通じて重なり合う。振動によって形態が変化する結晶化現象は、『重なり』の可視化である。⼼⾳など⽣命の⿎動、遠い国の海の⾳、⾬の⼀粒、気配、湿度、記憶――それら不可視の情報を結晶が凍結する。結晶の輪郭は、時間・記憶・⽣命の煌めきとなり、彫刻へと変容する。」

本展では、人物、海景をテーマにした「Portraitシリーズ」と「Crystalscapeシリーズ」、自然の循環と雨滴に込められた歴史や記憶をテーマにした《Raindrop of crystal》から新作を中心に約10点を展示。⾃然の美を写し取り、対象が刻んだ記憶と時間を結晶化というプロセスを通じて再構築することで、作品として可視化します。

<本展に寄せて>

“Art is the imitation of nature in her operation.” ̶ Aristotle
芸術とは、⾃然そのものの作⽤を模倣することである。 ̶ アリストテレス

本展の《Mimesis》は古代ギリシャの思想を引⽤している。
私は制作を通して、「⾃然とは何か」「美とはどこに宿るのか」を問い続けている。
幼い頃から海で過ごし、サーフィンを通して、私は常に⾃然とともにあった。 海⾯に反射する光、波が崩れる⾳、雪が肌に触れる冷たさ――⾃然の純粋な形や気配は、⾔語を超えて私の深層に刻まれている。それらの⼀瞬は複製不可能でありながら、確かに存在し、消えていく。私はその⾃然が織りなす儚さと壮⼤さに、今⽇まで魅了され続けている。――もし⾃然そのものを空間に展⽰できたなら、それはどれほど美しいだろうか。この問いが、私の根源的な美意識の起点となっている。

結晶は、⼈⼯物でありながら⾃然に委ねられた存在である。⼈間が意図しきれない揺らぎ、偶然、微細な差異が作⽤することで、その形態は半永久的に変化し続ける。私はその⽣成の過程を「模倣」と捉える。――しかし、それは単なる複製ではない。
芸術における模倣(Mimesis)とは、世界を再現するのではなく、世界を理解し、再び世界と関わるための思考の形式である。そして新しい美として⽣まれ変わるのではないだろうか。

私の作品は、⾃然の美を写し取ろうとする⾏為であり、結晶化を通じて、⽣命が刻んだ記憶と時間が再構築される場所となる。個展を通して鑑賞者が作品の前で⽴ち⽌まり、呼吸し、静けさに触れることで、その内側に眠る「もうひとつ」が⽴ち上がることを願っている。

田中 嵐

<5F エキシビションスペース>

 

池田光弘 個展
「afterimage/ghost」


《untitled(figure no.13)》2025

2026 1.16(金) ~ 2.17(火)

主催:京都 蔦屋書店
協力:Satoko Oe Contemporary

池田光弘は、これまで画家として、神話や物語、宗教など、人間が生み出してきた文化的営為の起源や生成のプロセスに関心を寄せ、活動してきました。池田の作品は、イメージと絵具の物質性が互いに支え合う関係を前提にした、具象と抽象の境界が揺らぎながら立ち上がる独自の画面構成を特徴としています。いずれも、描写の精度と筆触のレイヤー、偶然性を含む転写的な痕跡が重なり合い、現実の風景を手がかりにしつつ、やがて別の次元のイメージへと変容していくような印象を与えます。

本展では、2023〜2025年に制作された作品を展示します。制作プロセスにおいては、旅先で撮影した写真に写り込んだ人物や風景を丁寧に描き起こし、それらをモノタイプ(※)で写し取り、その図像をキャンバス上で再構成しています。通常は一枚のみを刷るモノタイプにあえて刷りを重ねることで、図像は徐々に輪郭を失い、記憶の残像や作家自身の動機となる内的イメージと混ざり合いながら、元の風景とは異なる新たな情景が浮かび上がっていきます。こうして生まれた画面には、モノタイプ独特の刷りの風合いや支持体の素材感などを精緻にキャンバスに写し取る工程と、キャンバス上での作業によって生み出される筆致やテクスチャとが、多層的に蓄積され、イメージと物質性が巧妙に均衡を保ちながら共存しています。
池田が探求してきた、宗教や神話の源流に潜む「イメージが立ち上がる奇跡的な瞬間」と、風景の記憶から立ち上がる新たな物語性を、会場の作品でぜひご体感ください。

※版画技法の一種で、ガラスやアクリル板などの平滑な版に直接絵具やインクを載せ、刷り取る。製版作業がなく、1枚しか刷れない(モノ)ため、版画でありながら、1点物のような風合いや偶然性を持つ。

<アーティストステートメント>

afterimage / ghost
美しさと恐怖のグラデーションの中に、遠い微かな記憶、そして僅かな予兆を感じ取る。
棘のように突き刺さる時や光景、それはおそらく過去にどこかで見てきたものであり、忘れたふりをしていた像の断片である。
風雪に捩れた木々の姿、形式に縛られた人間関係、そしてあからさまではない暴力。
それらはいつも視界の端に、意識の深層に、形にならないままとり残されている。
絵を描くプロセスにおいて、イメージは削られ、曖昧に、輪郭を失いながら、ふたたび立ち上がる。微かな記憶、僅かな予兆が、触れられるものとしてそこに現れる。

池田光弘

<6F ギャラリー>

 

「PURE HER」
杉山歩/ Bibi Lei/ Moeco
Nes Satomi/ Terumi Ohta


Bibi Lei
《Flowa Fairies Fight, Scarlet》2026

2026.2.7(土) ~ 3.3(火)

主催:京都 蔦屋書店
協力:ARTIFY Gallery(香港)、HRD ART株式会社

東京を拠点に制作を行う女性アーティスト5名による展覧会を開催します。文化的背景、表現媒体の異なる作家それぞれの表現をお楽しみください。
杉山歩は、華道と絵画を横断し、植物との対話から生まれる色彩と気配を描く画家。季節の移ろいを日記のように描き留めながら、“生ける”感覚を画面へと移し替える作品を発表します。
Bibi Leiは、マカオ出身で東京を拠点に活動するアーティスト。ポルトガル文化と中国文化が交差する土地で育った記憶を背景に、鮮やかな色彩と直感的な描線によって、夢や物語のような絵画を制作しています。
Moecoはブラックボードに専用のチョークで絵を描き、指先の体温でグラデーションをつける表現方法の作家です。花や女性像、金魚などをモチーフに、繊細なグラデーションと鮮やかな色彩で、静けさの中に息づく瞬間を描き出しています。
Nes Satomiはハワイ生まれ。ロンドン芸術大学でファッション/テキスタイルを学び刺し子、編み物、フェルトなど多様なテキスタイル技法を用い、「表層的な美」と「内面的な美」の関係性を探る作品を制作しています。
Terumi Ohtaは羊毛フェルトを用いて毛並みや眼差しに宿る気配まで丁寧に表現。柔らかな素材から、確かな存在感と生命感をもった動物の造形を行っています。

<キュレーターコメント>

東京を拠点とする5人の女性アーティストによるグループ展「PURE HER」は、東京に暮らし、創作活動を行う5人の女性アーティストが集い、それぞれ独自の視覚的表現を通して、「彼女」であることの深く、ありのままの層を探求する展覧会です。感情的に、精神的に、そして芸術的に――彼女たちは「彼女(Her)」であることの意味を、もっとも率直で純粋なかたちで提示します。
本展が描くのは、ひとつの「女性像」ではありません。そこにあるのは、多様なフェミニニティ:やわらかさと鋭さ、脆さと力強さ、混沌と秩序が同時に存在する、複雑で豊かな存在です。絵画、彫刻、ミクストメディア、コンセプチュアルアートなど、それぞれの手法を用いて、5人のアーティストは現代において女性であることの複雑さを語ります。それは、個々の真実、感情、そして文化的背景に根ざした声でもあります。媒体や表現は異なれど、彼女たちの作品は、どこかで響き合います。それは、社会的な期待や演じることを脱ぎ捨て、「本質」だけを見つめようとする共通の願いに結ばれているからです。そこに立ち現れるのは、飾り気のない、ただ「彼女」そのもの――Pure Herです。この展覧会は、何かを定義づけるものではなく、ひとつの「対話」です。女性たちの間で、自分自身との間で、そして鑑賞者との間で交わされる静かな対話。その空間には、言葉ではなく「かたち」に宿る誠実さがあり、フェミニンなものは定義されるのではなく、ただ「感じられる」ものとして存在します。

Calvin Kwok

<6F アートウォール>

 

本岡景太 個展
「色と輪郭」


《かごの中の鳥》

2026.2.10(土) ~ 3.2(月)

主催:京都 蔦屋書店

本岡景太は、日本の伝統的な張り子の技法を独自に発展させた「歪曲張り子」によって立体作品を制作するアーティストです。制作においては、自ら染色した紙をモチーフに合わせ選択し、それらを型に張り付けて造形することで、絵画的な秩序を設定しながら、同時に彫刻の形態を構成していきます。
自身の彫刻に「絵」としての見方があることに着目し、本展ではこれまで探求してきた「絵画的な彫刻」から、特に「色と輪郭」に焦点を当てた作品を展示します。画家がキャンバスに絵具を置いていくように、本岡は立体のモチーフに輪郭を浮かび上がらせ、鑑賞者に新たな視点を投げかけます。

2025年のARTSITS’ FAIR KYOTO(以下AFK)において、若手現代アーティストの創作活動を奨励する「マイナビ ART AWARD」の最優秀賞を受賞した本岡。その受賞を記念し、AFK Resonance Exhibition 会場である臨済宗大本山 東福寺・大書院での個展「IMMANENT FOLD:図像と物質の内在的折り目」開催(2026年2月21日~3月1日)とともに、京都 蔦屋書店においてもAFK2026のサテライト展として、本展を開催します。これまでの制作によって到達した、彫刻の域を超えた作品の集大成をご覧ください。

<アーティストステートメント>

「色と輪郭」
夕方の裸の木が、真っ黒くなって空に沈み込み、その輪郭を際立たせていた。
輪郭を縁取りにして、赤と水色の奥行きが迫ってくる。
異なる色、手前と奥、離れたもの同士が関係を持って、立体とは別の何かが現れてくる。
それは、とても描けないような絵だったのではないか。

とても描けないような絵が描けるだろうか。
きっとその本質は、立体が立体的な関係とは異なるあり方で立ち上がる、その過程にある。
絵を描くようにものを立たせて、立たせるように絵を描きたい。

本岡景太

京都市下京区四条通寺町東入ニ丁目御旅町35 京都髙島屋S.C.[T8]5・6階
Tel: 075-606-4525 営業時間:10:00~20:00 (不定休)

ギャラリー点 Gallery Ten

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Shuzo Azuchi Gulliver
-Weight-




2026.1.10(土)~ 3.29(日)
13-18時 土・日・祝日のみ開廊

「僕の重さはソファに座ることができる。」(シュウゾウ・アズチ・ガリバー)

シュウゾウ・アズチ・ガリバーの代表作のひとつである "Weight" を中心に、約20点を展示します。国内の展示としては、2022年にBankART KAIKO + BankART Station(横浜)で開催された大規模な個展「消息の将来」が記憶に新しいですが、関西では2010年の滋賀県立近代美術館(現・滋賀県立美術館)"EX-SIGN"展以来の個展となります。どうぞご覧ください。

タイトルとされている "Weight"は、作家自身による解説によると、以下のような作品です。

「'Weight (Human ball)'(ステンレススチールの球)は作家の体重と同一の重量を持っている。同じコンセプトで制作された 9 つのバージョンがある(1978、79、80、82、83、85、87、88、90年制作)。(2022年には同じコンセプトで、大理石を素材とする'2022年Version'が制作された。)」

[2025年12月、AI/ChatGPT-4による作家の略歴 (無添削)]
シュウゾウ・アヅチ・ガリバーは、戦後日本の前衛芸術のなかでも異色と言える作家。彼の制作は、長年にわたり表現形式・場所・メディアを変化させながらも、自己と存在をめぐる根源的な問いを持ち続けている。高い実験性と概念性を持ちながらも、作品の実体を伴うパフォーマンスや身体性を含むため、観客との関係性が強い。また、国内外の美術館に作品が収蔵され、近年その評価・再評価が進んでいる。2022年の「消息の将来展」などはその代表例であり、今後も日本国内外で注目され続ける表現者である。

*シュウゾウ・アヅチ・ガリバーは 1947年、滋賀県栗太郡瀬田町橋本(現在の大津市瀬田)に生まれる。本名は安土修三。若年期から芸術への関心が強く、高校時代(滋賀県立膳所高校在学中)にはハプニング的な行為を伴う作品製作を始める(例:1964年に「草地 (Grassfield)」など)。哲学的・理論的思考への興味を含め、マルセル・デュシャンの影響を受けるなど、西洋前衛・観念芸術との対話が早期から彼の表現に含まれていた。)
*1967年上京し、実験映画や路上/公共空間での行為、パフォーマンスを含むハプニング・プロジェクトを展開。THE PLAY という関西の前衛芸術集団に参加し、国内外の前衛運動やフルクサスなどとの交流も持つようになる。
*1973年には「BODY(肉体契約)シリーズ」に着手。彼自身の身体を 80 の部位に分割し、彼の死後、それぞれの部位を契約した 80 人が保管するというプロジェクトであり、生・死・自己・存在に関する問いを扱う代表的な作品群。)
*1980年代以降は、耐久的パフォーマンス(例 “De-Story”/直方体構造体内で一定時間過ごすパフォーマンスなど)、身体や空間/構造の射程を持つ作品制作を継続していく。
*1990年代以降はヨーロッパでの展覧会やプロジェクトが増え、DNAの塩基(A, T, C, G)の記号性・象徴性を用いた作品、象形(シンボル・記号)・言語・測定・記憶などのテーマを重視。ドローイング、彫刻、インスタレーション、パフォーマンスなど多様な表現形式を採用。拠点を東京とヨーロッパに持ちながら、国内外で活動。
*現在も制作活動を行っており、テーマとして「存在」「自己」「記号」「かたち」「生物学的基盤」の探究を続けている。

京都市東山区石泉院町405−2 Tel/Fax 075-744-6533 営業時間:土・日・祝日のみオープン

美術館情報

京都市京セラ美術館
本館 北回廊1F

⻄洋絵画400年の旅
―珠⽟の
東京富⼠美術館
コレクション
2026.3.20(⾦・祝)-
5.24(日)



京都市京セラ美術館
新館 東山キューブ

特別展
日本画
アヴァンギャルド
KYOTO 1948-1970
2026.2.7(土)-
5.6(水・祝)



京都市京セラ美術館
ザ・トライアングル

佐俣和⽊
PLAYSCAPE KYOTO!
2025.12.3(水)-
2026.2.15(日)



京都国立近代美術館

セカイノコトワリ
― 私たちの時代の美術
2025.12.20(土)-
2026.3.8(日)



京都文化博物館

特別展
原安三郎コレクション
北斎×広重
2026.4.18(土)-
6.14(日)



京都国立博物館

特別展
北野天神
2026.4.18(土)–
6.14(日)



細見美術館

妃たちの
オーダーメイド
セーヴル
フランス宮廷の磁器

マダム・ポンパドゥール、
マリー=アントワネット、
マリー=ルイーズ
の愛した名窯-
2025.10.25(土)-
2026.2.1(日)