◆展覧会についての最新情報は、各ギャラリーのサイトでご確認ください。

イムラアートギャラリー京都 imura art gallery Kyoto

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中原ちひろ 個展
「118夜の合掌団 」


《118夜の合掌団》
mixed media 2025

2025.12.13 (土) ~ 2026.1.31(土)
12:00 - 18:00 * 日月祝休廊
*2025.12.28~2026.1.5は冬季休廊
レセプションパーティー:12.13(土)15:00-18:00
*16:00-作家による朗読会

画家・中原ちひろについては、これまで、古今東西の美術や、漫画、アニメとの関連が指摘されてきた。たしかに、彼女の作品の具象性や、各キャラクターの愛らしさと親しみやすさ、美術史および現代視覚文化への造詣の深さを考えると、そのような観点でその絵画世界を解釈しようとする誘惑に駆られるのも、もっともなことと思われる。しかし、このように解釈することは、彼女の芸術世界に入り込む「入口」となってその世界を広げたとしても、決して「出口」になることはないだろう。その世界を見つめれば見つめるほどに、解釈に費やしてきた言葉が意味をなさなくなるような感覚も抱くのである。

中原の描く世界の奥には、創造主である中原自身の意図や制御すらも及ばない「なにか」がある。夢や現実を超えたこの場所は一体どのようなところで、われわれはそこで「なに」と出会うのだろうか。この世界の深奥に触れるためのひとつの鍵は、言葉による参照関係や解釈から一度離れ、そこに生きるものたちの声に、ただ静かに耳を傾けることかもしれない。

山田隆行 (東京国立近代美術館 特定研究員)

京都市左京区丸太町通川端東入東丸太町31 Tel:075-761-7372 休廊日:日・月曜日&祝日

同時代ギャラリー DOHJIDAI GALLERY of ART

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〈ギャラリー〉

 

それは大変めでたく、やむを得ず祝福した。
大角ユウタ


2026.1.6(火)〜 1.11(日)

 

「時の環〜暦のめぐり、たまゆらの記憶〜」
amu展
amu design 写真教室 第31期生 卒業制作展


2026.1.12(月) ~ 1.18(日)

ばらばらに時間を刻んできた12人が、
amu designで重なり合い、
巡る時間の環の中でそれぞれが見つけた
一瞬一瞬(たまゆら)の光。
それらの光が、写真というたったひとつの共通点でつながり、
写真展という新しい「時」を生み出します。

たくさんの方に足をお運びいただき、
新しい「時の環」を、
みなさまと一緒につくり紡ぎあげれたら嬉しいです。

京都市中京区三条御幸町南東角 1928ビル2階 Tel:075-256-6155 休廊日:月曜日

エンアーツ eN arts

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「この世界の覚え方」
今村遼佑 個展


《光島さんに自分の車を運転してもらう》(仮題)
今村遼佑・光島貴之協働プロジェクト
©2025 Takayuki Mitsushima,
Ryosuke Imamura

2025.11.1(土)〜 11.30(日)
会期中 金・土・日 12:00 – 18:00 開廊
月〜木曜日はアポイントメントを承ります。

グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」では、森の奥に連れていかれた兄妹が家に戻るための目印として、パンの欠片を残していきます。ウェブサイトにおいて、現在ページの位置を示す「パンくずリスト」の名称はここに由来していますが、童話の中ではパンくずは鳥たちが食べてしまって跡形もなく消えてしまいます。このあやふやで儚い道しるべの残し方に惹かれてしまいます。そこには、あやふやさだけではなく、あるいはあやふやであるがために、強い切実さを感じるからです。
切実さの種類はだいぶ違うのですが(命の危機があるわけではない)、私の表現もこの世界の出来事を覚えておきたいという欲求からきています。今回の展覧会では、これまでの継続したテーマとして、世界の中で不確かに消え去ってしまう光景や音、あるいは手触りをとどめようとする作品群とともに、近年取り組むアーティスト・光島貴之さんとの「感覚の交換」をテーマとした共同プロジェクトから、自分の車を彼に運転してもらうという試みを記録した映像作品も展示します。

今村遼佑

eN artsでは 今村氏は、日常の中にあるささやかな出来事や記憶を題材とし、日用品など身近な素材を用いて、映像・立体・絵画・インスタレーションといった多様な技法で表現を行っている。作品には、くちなしや金木犀、ジャスミンといった香り豊かな植物がたびたび登場し、観る者の嗅覚や記憶を喚起する点も特徴である。
過去にeN artsで開催された展覧会(2018年11月)では、会期中に会場周辺で甘い香りが漂い、作品による演出と錯覚するような体験があった。実際には隣家の庭に咲く柊の香りであったが、このように今村氏の作品は、観る者の日常感覚を鋭敏にし、普段は意識に上らない光景や匂いを新たな意味を持つものとして浮かび上がらせる。また、庭先に落ちていたガラス片を作品の一部と錯覚するなど、日常の些細な事象が作品と呼応するような感覚も・・・こうした体験は、記録だけでは残しにくい感覚的な記憶を刺激し、鑑賞者に新たな気づきを与えるものである。
本展は、2018年に開催された個展「そこで、そこでない場所を」以来、7年ぶりとなるeN artsでの個展である。作家・光島貴之氏との協働プロジェクト映像をはじめ、会場でしか体験できない作品が展示される予定である。ご来場者のお客様には五感を通じて、記録を超えた感覚の記憶を追体験いただきたいと願う。

桑原暢子|eN arts

京都市東山区祇園北側627 円山公園内八坂神社北側 Tel:075-525-2355 開廊日:金・土・日曜日

ギャラリー16 galerie16

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捜神譚 その弐
神楽の章
KOSUGI+ANDO
小杉美穂子・安藤泰彦


2026.1.16(金)〜 1.31(土)

この作品は、2024年制作「捜神譚その壱・神岡の章」に引き続き、日本の地層に眠る神(カミ)を探る試みです。現代から近世、中世さらには「神」と名が付けられる以前から、人智を超えた力を怖れあるいは祝福する人々の手によって無数の神々が生みだされてきました。時代を超えてさまざまな神々の層が折り重なり、おもてに表れた神の背後には、隠され消された神々がいます。作品の中心となるのは、時代を超えたある架空の祭祀場、神を招き喜ばせる「神楽(かみあそび)」の場です。「かみあそび」を 擬(もど)きたいと思います。

とあるビルの一室で、機械仕掛けのものたちが踊っている。彼らは真似る、人を神をあめつちを。山奥の小さな村で、祠の蔭で、後ろ戸の奥で、はるか古の時代からそれは繰り返されてきた。彼らは擬き続ける、笑いながら、戯れながら。

京都市東山区三条通白川橋上ル石泉院町394 戸川ビル3階 Tel:075-751-9238 休廊日:月曜日

ヴォイス・ギャラリー MATSUO MEGUMI+VOICE GALLERY pfs/w

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現代美術二等兵
祝 活動33周年「昭和100年、柿8年」


「のしイカピンバッジ」


「カプセルタワーリング」

2025.12.20(土)〜 12.27(土)
休廊日:22(月)・23(火)

2026.1.7(水)〜12(月・祝)
会期中無休 開廊時間=各日13〜19時

昭和がもし続いていたら今年は昭和100年。
昭和生まれで、多感な時期を昭和で過ごした現代美術二等兵も今年は活動33周年。
記念になりそうな今年は、影響を受けまくった昭和の記憶を下敷きに昭和脳をフル回転させつつ、どこか懐かしい駄美術をしみじみ紡ぎます。
同世代の方も、平成生まれの方も、なんなら令和生まれの坊ちゃん嬢ちゃんも、世代を超えて愛されたい駄美術の展覧会。
ぜひお運びください。(現代美術二等兵)

京都市下京区筋屋町147-1 Tel:075-341-0222 営業時間:13時~19時 休廊日:HPにてご確認ください。

京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA

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SPECIAL EXHIBITIONS
金氏徹平とthe constructions
「tower(UNIVERSITY)」


撮影:吉本和樹

2025.12.13(土)〜 2026.2.15(日)
休館日:12.15(月)、12.22(月)、12.27(土)-1.5(月)、1.13(火)、1.19(月)、1.23(金)-26(月)、2.2(月)

主催:京都市立芸術大学
助成:令和7年度 大学における芸術家等育成事業
協力:「TOPOS:まなびあう庭としての芸術大学」
   プログラムC「創造と場の「演出」」参加者
   dot architects
   アートフロントギャラリー
   Yumiko Chiba Associates
コーディネート:
「TOPOS:まなびあう庭としての芸術大学」プロジェクト
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
企画:藤田瑞穂(京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA チーフキュレーター/プログラムディレクター)

大小さまざまな孔の空いた抽象的な建築物と、そこに出入りするいろいろなものたちの活動を同時並行的に描き出す「tower」は、金氏徹平が20年以上にわたって取り組んできた重要な作品シリーズのひとつです。本学在学中に制作したドローイングに始まり、コラージュ、映像作品、舞台作品、と多様な形態で展開され、金氏の領域横断的な活動を象徴するものとなっています。本企画では芸術大学を舞台に、この「tower」のテーマのもと、創造活動と教育、学び、表現による世界とのつながり方、そして展覧会という場自体について、展覧会をつくるプロセスそのものを作品化することを通して思考します。

会期中に会場内でパフォーマンスなどのさまざまな活動が行われます。
詳細はHPにて順次公開いたします。
【パフォーマンス】
①2026.1.11(日)13:00–17:00
②2026.1.12(日)15:00–17:00
③2026.2.8(日)18:00–20:00(事前申込優先・定員あり)
④2026.2.15(日)13:00–18:00
(2025年12月8日更新)

京都市下京区下之町57-1 京都市立芸術大学 C棟1F Tel:075-585-2010  休廊日:月曜日

MORI YU GALLERY 京都

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UNDULATIONISM Ⅻ
黒田アキ 小栁仁志 世良剛 浜崎亮太


2025.11.8(土)〜 11.30(日)
開廊時間:12:00 〜 18:00
休廊日:月・火・祝日 休廊

「UNDULATIONISM」は造語です。「UNDULATION」とは真っ平らでflatなものではなく「波のような動き」や「揺らぎ」を意味します。この単語は「undulate」という動詞からの派生語で、自然現象や音楽、心理的な状態や感情の起伏を表す場合にも使用されます。風などの要因により生み出される「UNDULATION」ですが、「NOISE」から生まれてきたものだと我々は捉えます。

「NOISE」という言葉は黒田アキの友人であるフランスの哲学者ミッシェル・セール(Michel Serres,1930-)の「NOISE」論に依拠します。中沢新一氏によると「NOISE、それは古いフランス語で「諍(いさか)い」をあらわしている。バルザックはこの古仏語の語感を利用して、「美しき諍い女 la belle noiseuse」という存在を創造した。しかし、ノアーズのさらに古い語感を探っていくと、異質領域から押し寄せてくる聴取不能な存在のざわめきのことを、言い当てようとしているのがわかる。不安な波音を発する海のしぶきとともに出現するヴィーナスの像などが、そのようなノワーズの典型だ。ヴィーナスは海の泡から生まれたとも言われるが、またいっぽうではその泡は男女の交合の場所にわきたつ泡だとも言われる。いずれにしても、それは世界の舞台裏からわきあがってくる不気味なざわめきにつながっている」(中沢新一『精霊の王』-第五章 緑したたる金春禅竹- より)、とあります。

黒田アキが名付けた『Noise(ノワーズ)』という美術雑誌(1985年5月発行の創刊号から1994年の18/19合併号まで全17冊発行)は、1985年に黒田が『デリエール・ル・ミロワール』誌を引き継ぐ形で創刊し、新しい美術誌のタイトルとして使われました。所謂、英語的なノイズと言われるものと「NOISE」は全く意味が違い、黒田アキはNOISEという言葉に意味を見出してきました。海から生まれるNOISEは黒田の青の意味の源泉でもあります。マチスやクラインとも違う、黒田の青はNOISEに起因し、青の根源を黒田は「風」のようなストロークによって波立たせ、絵画面上に「UNDULATION」を起こし、そこで縺れた線は様々なイメージを生み出します。

世良剛、小栁仁志、浜崎亮太の三作家も、こうした「UNDULATION」をそれぞれの思考、技法によって生み出します。

小栁仁志は、静かですが非常に微妙なストロークによって画面上の海を波立たせ、そしてまた空を棚引かせます。何重にも絵具を塗り重ね、一見すると淡くも深淵なる画面を描いていきます。彼の作品は決してミニマルなものではなく、その画面には小さくも持続性のある確実な揺れが存在しています。

世良剛は、とても優しいストロークにより、極めて透明感のある画面を作り出します。淡くもその浮遊感のあるイメージは常に漂いつつ、鑑賞者の記憶に着実に残っていきます。

浜崎亮太は、映像作家としてデビューし、近年はオブジェ作品を多数発表しています。マルグリット・デュラスに影響を受け、独自のコンセプトで作品をつくってきました。幼年期や日常の体験から科学論に至るまで広い範囲から着想を得て、オブジェの箱の中や平面に意味のレイヤーを作りこんでいきます。既製品を使いながらもアッサンブラージュの手法を用いることで、作品に隠された意味を幾重にも拡張し、映像の持つ時間のような波をつくりだします。

今回は四人の作家がそれぞれ独自の手法によって、「UNDULATION」という意味を提示してくれることでしょう。

京都市左京区聖護院蓮華蔵町4-19 Tel:075-950-5230 休廊日:月曜日・火曜日・祝日

ギャラリー ヒルゲート  Gallery Hillgate

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〈1F+2F〉
第34回 折々の作家たち展

2026.1.12(月・祝) ~ 1.25 (日)

1988年の開廊以来お世話になった、たくさんの先生方が鬼籍に入られました。
年に一度、物故作家の遺作を現役作家の作品とともに展示させていただくこの企画は、亡くなられた先生方を身近に感じられ、私どもにとっては初心を思い起こさせてくれる貴重な機会となりました。
皆様にとっても、懐かしい、あるいは新鮮な出会いの場となることをお祈りして今年も開催させていただきます。平面・立体ともに多彩な134人の先生方の御作品をなにとぞ御高覧いただきたく、謹んで御案内申し上げます。

 

〈1F〉
KIMIETO 日本画展
The joint exhibition of traditional
Japanese-style painting

2026.1.27(火) ~ 2.1 (日)

この度、ギャラリーヒルゲートにて創画会会友による作品展を開催いたします。
私たちは、出身大学や年齢、描写も様々ですが、創画展に出品する中で知り合い、グループ展をすることになりました。
グループ名“KIMIETO”は、“言葉で説明しにくいオモイ(思い、想い)を絵に込めよう、絵の伝える力を信じて。そしてあなたにこのオモイが届きますように”という願いを込めたものです。
作品を通してそれぞれの表現方法で制作した作品のオモイが伝われば幸いです。
ぜひご高覧賜りますようお願い申し上げます。

〈出品作家〉
石澤素子  閑林宏祐  髙野郁子
増田貴司  守家美保子

 

〈2F〉
江川 恵 展

2026.1.27(火) ~ 2.1 (日)

 

〈奥庭空間〉
楠井沙耶 個展
かかる木

2026.1.12(月・祝) ~ 6.14 (日)

木は根から離れたとたん、横倒しになります。これから加工されるのか、薪にされ灰になるのか、他の生き物たちに分解されるのか…植物は生と死のさかいに曖昧さをもつ生き物です。木が折れた後、あるいは切られた後、人はいつまでそれを生き物だと認識し続けることができるのでしょうか。そんな問いかけが私の中を巡っています。

半年間の展覧会期間中、根から離れて死んだように思える木を生物遺体と捉えてみます。そしてギャラリーの生きた庭木に立てかけて「かかる木」と呼んでみます。

この試みが人と他の生き物の関係について、あるいは人自身の生死の捉え方について、ささやかな発見の場になることを願っています。

楠井 沙耶

京都市中京区寺町通三条上る天性寺前町535番地 Tel:075-231-3702 休廊日:月曜日

京都芸術センター Kyoto Art Center

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<ギャラリー南・北、グラウンド側建物外壁ほか>

 

ニューミューテーション#6
井上裕加里 ソー・ソウエン 高田マル
「ふるえのゆくえ」


井上裕加里


ソー・ソウエン


高田マル

2026.1.17(金)〜 3.15(日)

関西ゆかりの若手作家を紹介する
「ニューミューテーション」第6弾!

京都芸術センターでは、関西ゆかりの若手作家を支援する枠組みである「ニューミューテーション」第6弾として、井上裕加里、ソー・ソウエン、高田マルによる展覧会を開催します。
今年、開設25周年を迎える京都芸術センターは、制作と発表支援の場として、アーティストと協働してきました。本展では、出品作家3名による京都芸術センターでのクリエーションを経た新作を発表します。

井上裕加里は、戦後の東アジアを中心とした国家間における複合的な状況にある人々の声を聞き、私たちや国家のあいだにある境界の力学を探ってきました。語られることがなかったかもしれない言葉に耳をかたむけることで、大きな歴史・文化観では消えてしまう声に焦点をあて、そこから生まれる問いを出発点に、社会構造や身体に敷かれたルールを紐解いていきます。本展では、兵役の経験を持つ知人たちへのインタビューや心理学的な質問、基礎教練の習得を通して、アイデンティティや国家と個人の関係、理解し合えなさに着目した映像作品を発表します。また制作での経験を起点に、抵抗の在り方を探るワークショップを展示期間中に実施し、記録映像を発表します。

ソー・ソウエンは、生の根源的な事象を主軸に絵画やインスタレーション、パフォーマンスなどを発表してきました。個としての生の循環を出発点に、身体を通して他者との生きた関係性を紡ぐことで、アイデンティティの在り方を探求しています。本展では、15名の参加者とともに「こんな世界であってほしい」という声をいくつかのルールのもとその場から絶やさない制作ワークショップを実施しました。普段わたしたちが用いる「声」の全体性や連帯、抵抗、逸脱などの性質に着目し、ハーモニーや群集心理について迫るサウンド・インスタレーションを発表します。

高田マルは、現代において絵を描き、みせて、みるという行為を自身の実践をとおして検討してきました。本展では、京都芸術センターグラウンドを囲む元小学校の校舎外壁に約2か月の制作期間をかけて制作し、これまでで最大規模の壁絵シリーズを発表します。本シリーズは、日記帳に描いた絵を外壁に拡大して投影し、重なり合う線をなぞって描き、そして最後には消えていく作品です。描くという個人的な営みが、公の場で人々の目にふれるとき、絵とその環境はどのように変容していくのでしょうか。展覧会の最終日には、参加者とともに線を消す壁絵クロージングを行います。

この展覧会では、わたしが震わせた/震わせられた経験と、そのふるえがどこに向かっていくのかについての作品と実践をみることができます。ふるえは、緊張や高揚、感動、恐れなど言葉以前の感覚が、意志よりも先に身体に立ち現れ消えていく現象です。微弱な振動からはじまるこの運動は、個人的なものでありながら、同時に他者とのあいだに生じ、わたしと他者、世界が断絶しているのではなく、連続した関係にあることを示唆しています。排外的な状況が世界各地でつづくいま、しばしば取るに足らないとされる「わたし」のささやかな欲望や願いから発せられる小さなふるえに目を向け、その行く先をみつめることで、「わたしたち」とは何か、鑑賞者のみなさんとともに考える契機となれば幸いです。

<館内各所/図書室・情報コーナー>

 

森 太三
「ここに仮に置いてみる」act 2
〔feat.麥生田兵吾〕


撮影:麥生田兵吾

2025.11.20(木)〜 2026.2.27(金)

2025年に開設25周年を迎えた京都芸術センターの館内各所に、森太三のカラフルに着彩された木端による椅子やベンチを約1年の期間、仮に置いてみます。森は粘土を丸めたり、紙を切ったり、木材を小さく切ったりしたものを寄せ集めることで、大きな作品を制作してきたアーティストで、2001年に京都芸術センターが開催した初めての公募展「Amorphous “I”アモルファスアイ/不定形の〈私〉」(2001年2月4日-27日)の出品作家です。 25年の時を経て京都芸術センターに帰ってきた森の作品から、どのような風景が見えてくるでしょうか。 京都芸術センターに来られた際には、ぜひ腰掛けてみてください。

2025年11月20日からは第2幕として、写真家・麥生田兵吾が捉えた「ここに仮に置いてみる」の記録写真を合わせて展示します。館内各所に佇み、人の訪いを静かに待つ椅子たちが、人が現れることで動き出す…。「ここに仮に置いてみる」の新たな一面をご覧ください。

京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2 Tel:075-213-1000

GALLERY TOMO

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Permanent exhibition

誠に勝手ながら現在はアポイントオンリーの営業とさせていただいております。

作家:
近藤大祐、篠原猛史、こうす系、石原 孟、杉谷一考、
藤田 薫、町田藻映子、山本真也、宮岡貴泉、吉田延泰、
家山美祈

京都市中京区寺町通丸太町東入る南側下御霊前町633 青山ビル1F Tel:075-585-4160 休廊日:月・火曜日

KUNST ARZT

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荒川朋子 個展
ぼうぼう


ぼくが守る
2025

2026.1.6(火)〜 1.18(日)

KUNST ARZT では、2026年も 最初の展覧会として、14度目となる 荒川朋子の個展を開催します。
荒川朋子は、毛むくじゃらの、何か神がかったかの ような作品を生み出し続けるアーティストです。
本展では、「ぼうぼう」と題して、 雑草をモチーフに、 素直にかわいさや愛らしさから 生み出された作品群で構成されます。

(KUNST ARZT 岡本光博)

【アーティスト・ステートメント】

頭の中にかたちが溢れてきます。
そのかたちに実際に触れてみたくて作っています。
それが何なのか、どこから出てきたのか、 自分でも分からないことがあります。
一体なんなんだろうと思うこともありますが、 作らずにはいられないのです。
髪の毛を生やす作業はしんどいし、 少し気持ち悪いです。
じゃあ生やさなくていいのにと思うこともありますが、 生やさずにはいられないのです。
そうしてできたものたちを、 私は愛さずにはいられないのです。

 

有田西騎 個展
漂うrawの指先


意識外の光景1
2024

2026.1.20(火)〜 1.25(日)

KUNST ARZT では、有田西騎の個展を開催します。
有田西騎は、視覚を通しての認識、記憶に揺さぶりを かけるアーティストです。
本銀箔に刷った記憶のイメージの上から 酸化剤を塗りつけることで、銀箔とインクが変色し、 刻々と変化していく様子を視覚化しています。
本展は、「飾らない、生の状態をキーワードに 技法に捉われない表現を模索する場とする」 (作家のことば)構想です。

(KUNST ARZT 岡本光博)

【アーティスト・ステートメント】

一瞬一瞬の理解では覚束ないことも、 時間が経ち経験として沈殿することで 新たな発見が生まれる。
人はいくつもの層を介して 過去の出来事を見つめ直すが、 その認識もまた変化を続け、 やがては薄れていく。
こうした認知の動きを固定するという 逆説を制作の中心としている。

 

橋本梨生 個展
1/X


卓上にのらない腐ったものについて
2025

2026.1.27(火)〜 2.1(日)

KUNST ARZT では、橋本梨生の初個展を開催します。
橋本梨生は、漆を用い、醜さと美の境界を 模索するアーティストです。
「たとえ交わらなくても、(2025)」では、 「傷と回復」をテーマに、反発する素材や、 制作過程で自身に漆がかかりかぶれるまでの様を 写真、映像、パネルを用いて表現しました。
「卓上にのらない腐ったものについて(2025)」では、 金継ぎにより一つの塊が生み出されるまでの 過程で生じるモノや記録映像を再構成しました。
工芸の「漆」というジャンルのアーティストではありますが、 コンセプチュアルな視点からの活動を展開しています。

(KUNST ARZT 岡本光博)

【アーティスト・ステートメント】

私は、日本の漆工芸の中で培われた 美の基準を「秩序」、そこから外れた要素を 「秩序から反するもの=排除するべきもの」 と仮定する。
それらを1つの作品に共存させることによって、 漆工芸を人間の共感や拒絶の境界を 探る手段として応用する。
プロダクトとしての漆工芸品の制作過程では、 支持体の形を損ねることなく、漆を均一に塗る 「塗り」と均一に研磨する「研ぎ」の工程を 反復することが求められる。
凹凸が排除されたフラットな塗面を作ることは、 伝統的な日本の漆工芸の質を決める指標である。
私はこのような価値観を「伝統=秩序」と捉えている。
メアリ・ダグラス(1921-2007)は 『汚穢と禁忌』にて、穢れとは秩序創出の 副産物であると同時に、既存の秩序を脅かす 崩壊の象徴であると位置づけている。
ここでいう「秩序」とは、生きていく過程で得られた 文化的・慣習的経験から形成される、 許容範囲や規律のことである。
つまり、穢れとは純粋な汚さではなく、 私たちが許容できないもの、 排除されるべきものを差す。
排除されるべき「場違いなもの」は 相対的な価値観によってのみ存在する、 非常に脆い概念である。
一方でダグラスは、儀礼や宗教的慣習において、 穢れがしばしばの始まりや再生の象徴とされ ることを指摘している。つまり「場違いなもの」は、 秩序崩壊の印とされると同時に「新たな秩序の予兆」 として捉えられる側面を持つ。
これはヴィクター・ターナー(1920-1983)の『儀礼過程』に おける「移行期(リミナル)」と類似している。
両者は、既存の秩序が一時的に曖昧になる時、 その自由な状態(境界的存在)が 新たな社会的価値を創造することに言及している。
私の作品では、一般的に対称とされる美醜の感覚が共存し、 分類できない曖昧な状態をあえて作っている。
これは、鑑賞者が主体的に美とは何かを 吟味するための「場(コーラ)」の展開を試みるものである。
この実践の継続が、日常に潜む常態化した文化的、 社会的価値の再認識と、漆工芸の新たな段階へ 進むためのプロセスになると考えている。

京都市東山区夷町155-7 2F Tel:090-9697-3786 休廊日:月曜日

ギャラリー恵風  Gallery Keifu

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*今後周囲の状況を鑑み、変更することもございますので、ご来場の際はホームページやFacebookでご確認くださいませ。

 

〈1F〉
宮田彩加 個展

〈2F〉
三木陽子 個展
新春企画展 流れる景~日々の祝


2026.1.14(水)~ 1.25(日)
*1.19(月)休廊

観葉植物や絨毯、静物画など、日常に寄り添い静かに景色の一部となるものがあります。
私はそれらをミシンに読み込み、あえてバグ=エラーを加えて形を揺らし、思いがけないイメージが現れる過程に惹かれています。
当たり前の一瞬一瞬は、水が流れるように移ろいながら、日常と非日常のあわいに独自の景を生み出します。
穏やかな日々にも、小さな喜びや瑞々しい気配は確かに息づいています。
新しい年の始まりに、そんな景がそっと立ち上がる場となれば幸いです。(宮田)

私は、イマジネーションと現実の境をテーマに制作しています。
土に触れて形を探る身体的な行為に、工業素材や AI 画像といった人工的な要素を組み合わせることで、現実と仮想が重なり合う景色を見いだします。
さらに、私の作品である TUBE LIFE における「流れを受け渡す通路としての身体・空間」という考えを重ねることで、内と外が緩やかに交錯する気配を作品として立ち上げることを試みています。(三木)

 

〈1F〉
石川愛子 個展
FOREST WALK


2026.1.27(火)~ 2.1(日)

心地の良い場所、そこで遊ぶ人や動物を描いています。
作品に登場するモチーフは、私自身が実際に見たり経験した出来事の集合です。
それらを、物語を感じさせる構図の中に登場させることで、個人的な体験がより普遍的なイメージへと変化していく瞬間を探っています。
また、感情の揺らぎを含んだ線を重ねる過程で、少しずつ作品が描き手の私的な領域から離れ、ひとつの物語へと独立していく様子を追っています。
今回の展覧会 ”FOREST WALK” では、文字通り森を歩く中で移り変わる風景への新鮮な驚き、一緒に歩く人の視点、山道からほど近い場所に潜む野生の気配などをキーワードにしています。
ぜひご高覧ください。(石川)

 

〈2F〉
坂口茉央 個展
光と陰


2026.1.27(火)~ 2.1(日)

昔から、見るだけで心が躍るような華やかなものが好きでした。
それらは、私が美しさに惹かれて深く触れ合っていく中で、華やかさの裏にある陰の姿を見せてくれることがあります。
完璧だと感じていたものの脆さを見た時、表の華やかさも、その陰に潜む姿も、等しくより魅力的なものとして立ち上がってくるように感じます。
この個展では相反する二つの顔を表現していきます。(坂口)

京都市左京区聖護院山王町21-3 TEL:075-771-1011 休廊日:月曜日

2kw gallery

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谷内春子 寺島みどり
サーカス


2025.12.6(土) 〜 12.27(土)
13時―19時(最終日は17時迄)
休廊:月・火・水​

12月の2kwgalleryでは、油絵と日本画というそれぞれ異なったスタイルで制作を行う寺島みどりと谷内春子、二名の画家による展覧会を開催致します。

【 トークイベント 】

寺島みどり、谷内春子の二名とゲストに吉川神津夫 氏(現代美術批評)を迎えて会場内で作品についてお話しします。
日時:12.21(土)15:00ー17:00
会場:2kwgallery 1F
参加費:​無料

そういえば、私は色が好きだ。
色はドキドキする。いつも色を扱っている。
どうやら、色にはこだわりがあるようだ。

色をベタベタ塗るのも好きだ。
それは、タッチを重ねることが好きだということかもしれない。
でも、うまくいかないと感じることが多い。

タッチは色より儚い。
色が生まれる過程にあるような、そんな存在だ。

絵を描く感覚は、色やタッチで空間を作り上げては更新していくこと。
画面と向き合いながら、ドキドキする。
そんな感覚で描いている。

仕上がりは、大概気に入らない。
途中の方がいいと思うことが多い。
でも、できたと思える作品は、生きている。
画面の中の空間が、常に更新されているように見える。
それってマジック。
それって生き物。
それって独立した存在。 / 寺島みどり

​・  ・  ・
​絵を描くこと、見ることを人間がやめようとしないのはなぜだろう。
そんな問いを持つことにとても関心があります。
今の私の答えは、「世界の見つめ方を問う仕掛け・装置」としての絵という考え方です。
これまでよくその感覚を「庭」にたとえてきました。
確かに庭を見ているはずが、今いる場所が揺れうごき、時間の感覚も曖昧になる仕掛けが施されいると考えられるからです。
画面を庭のようなものに見立て、形象を配置することで風景をとし、絵画(平面)というメディアがもつ、認識の世界を問う可能性を探しています。 / 谷内春子

滋賀県大津市音羽台3-29-1 TEL:090-5241-8096 休廊日:月・火・水曜日

Gallery G-77

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バラス・スピロス 個展
夏への憧れ


鴨川 2025


岩 2025

2025.12.2(火)〜 12.14(日)
11:00 ~ 18:00 月曜定休

本展では、ギリシャ出身のアーティスト スピロス・バラス(Spiros Baras) による、鉛筆ドローイングと数点の水彩作品を紹介します。
バラスのドローイングは、抑制された筆致と光に満ちた静けさの世界を描き出しています。テクスチャーのある紙に色鉛筆で丹念に描かれたそれらの作品は、重さや影、そして雑音を拒むような繊細さを湛えています。色彩は幾重にも重ねられた層の中で呼吸し、紙そのものが光を含むかのように見えます。

モチーフは、島の風景や建築の一部、親密な肖像、そして日常の穏やかな情景まで多岐にわたります。海、丘、肌、空気といった本質的なトーンへと還元されたイメージは、時を超えた静寂の中に浮かび上がります。光は拡散し、地中海的でありながら内省的で、登場する人物たちは記憶と夢のはざまに存在しているかのようです。

そのシンプルな構成の奥には、正確で繊細な感情の緊張が潜んでいます。わずかな憂愁と夏への憧れ——それは展覧会タイトル「Longing for Summer(夏への憧れ)」にも響き合う感情です。眠る猫、物思いにふける女性、遠くの丘に輝く教会——世界がゆるやかに歩みを止める瞬間を、観る者に思い起こさせます。

バラスの限られた色彩と平面的な構成は、初期モダニズムの感性を想起させながらも、彼自身の人間的で思索的な温かさに満ちています。彼の水彩作品もまた、光が一瞬世界を照らして消えていく、その儚さへの瞑想として見ることができるでしょう。 現代美術の文脈において、スピロス・バラスは独自の位置を占めています。華やかさや過剰なデジタル性、概念的な誇張から距離を置き、ドローイングを感覚的で瞑想的な行為として取り戻しています。

一見すると、彼の構図はミニマル・リアリズムやポスト・ミニマル的な具象に近いように見えますが、その本質は様式よりも詩的です。影の不在、色彩の節度、修道的ともいえる精密な筆致は、ポストフォトグラフィック・ペインティングやニュー・シンセリティ運動に通じる、親密さや触覚性、日常への回帰を思わせます。

控えめな家々、静止した身体、くつろぐ動物たち——それらのイメージは「静止すること」をひとつの抵抗として提示します。皮肉や喧騒、政治的スペクタクルに満ちた現代において、バラスは深く人間的な注意のあり方を育みます。ほとんど蒸発するような光の層が、記憶と場所が階層なく共存する思索の空間を生み出しているのです。

多くの現代画家が物質性を極端に追求する中で、バラスの制作は「引き算」によって特徴づけられます。空気や静寂、紙の呼吸そのものを作品の一部として取り込み、余白の中に生命を感じさせます。この点で彼は、ピーター・ドイグやジョルジョ・グリッファといった作家たち、さらには雰囲気とニュアンスを重んじる現代日本の画家たちと共鳴しています。

スピロス・バラスは、現代の視覚文化におけるひとつの逆流を体現しています。彼のドローイングは懐古ではなく、もう一度「見る」という行為を取り戻すための静かな提案です。ゆっくりと、やさしく、そして思いやりをもって世界を見つめ直すこと—それが彼の作品が私たちに促す眼差しなのです。

京都市中京区中之町73-3 Tel:090-9419-2326 休廊日:月・火曜日

艸居

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<艸居>

 

力石 咲
「アモルファス」


《結晶集合体_33》、2025
ベンガラ染めで染めた残糸
H70 × W34 × D29cm
写真: 今村裕司 画像提供: 艸居

2025.12.23(火)〜 2026 1.30(金)
開廊時間:11AM‒6PM 休廊日:日・月
冬季休廊:2025.12.27(土)〜 2026.1.6(火)

艸居(京都)では、力石咲の初個展「アモルファス」を開催いたします。力石咲は、「編む/ほどく」という行為を通して、もの・人・まちのつながりや変化を探る美術家です。⻑年の制作で1次元の糸を絡ませて3 次元の物体を編む行為を結晶形成に例えてきました。

本展のタイトル「アモルファス」は、個々の作品が結晶のように秩序を持つ一方で、 展示全体として空間やギャラリー、人々などさまざまな要素と融合すると、無秩序な状態へと変化することに由来しています。
1次元の糸から3次元の物体が立ち上がるように、私たちの世界も無数の粒子の結びつきによって形づくられています。日々の生活や情報の波に追われ、複雑さに押しつぶされそうになる現代社会。その只中で、力石は宇宙的な視点と物事の本質へのまなざしを手がかりに、世界をいったん解きほぐし、シンプルな「はじまり」を見つめ直します。人新世のチリともいえる余剰糸を現代の資源として扱い、編むという行為によって新たな世界を再構築しようとする力石の試みは、めまぐるしい日常から静かに再出発するための一歩となります。

力石は、「残糸」や不要になった繊維・素材、廃材の再利用を積極的に行い、現代社会の資源過剰問題に光を当てています。また、糸の染色においても、環境への負荷が少ない方法を選択しています。近年、力石が取り入れている染色方法には、ピグメントバイオ染めとベンガラ染めがあります。ピグメントバイオ染めは、顔料で染色した後に酵素を含む液で洗浄する手法です。酵素が余分な染料を分解するため、排水は透明で美しく、環境への影響が少ないのが特徴です。工場規模で行う場合は、環境に優しい方法であるため、工場での専門的な染色工程を経て仕上げています。一方、ベンガラ染めは家庭規模で行う場合に環境負荷が少ない方法ですが、大量に染める場合には環境への影響が大きくなる可能性があります。そのため、力石が作品に使用するベンガラ染めの糸は、すべて自宅で自身の手で環境に配慮し、丁寧に染めています。

京都では、古くから盛んだった⻄陣織などの染色産業が、明治から昭和にかけて河川汚染を引き起こしました。下水道が未整備だった当時、多くの工場排水が鴨川・堀川・桂川へ直接流され、化学染料や金属媒染剤による汚濁が深刻化しました。昭和中期には「色のついた水が流れる」と記録されるほどで、生態系の悪化や悪臭が市⺠生活にも影響を及ぼしました。こうした歴史を踏まえると、本展で展示する力石の“環境に配慮した染色作品”は、京都が抱えてきた環境問題との対比を示す意味でも重要な展示となるでしょう。過去の負の側面を踏まえつつ、持続可能な染色のあり方を提示することで、地域の歴史と現代の取り組みを結びつける役割を果たします。1970年代以降は、排水規制の強化や下水道整備の進展、染色技術の改良によって水質は徐々に回復しました。現在ではかつてのような深刻な汚染は見られず、生態系も戻りつつあるものの、都市排水による負荷は残っており、継続的な環境保全が求められています。

本展では、立体作品「編み図」をモチーフにしたドローイング、ガラスと砂を用いた作品、砂の粒子が作る繊細な凹凸に微細な糸の繊維が絡みついて定着する絵画に加え、亘理町立郷土資料館の協力によって地域の年中行事であった七夕馬とそこからインスピレーションを得た「ほどける馬っこ」も展示いたします。これは、力石が 「WATARI TRIPLE[C]PROJECT」にアーティストとして参加した際に、亘理町との関わりを通じて培った地域との対話を作品として再現いたします。

この貴重な機会に、是非ともご高覧いただきたくご案内申し上げます。

艸居:京都市東山区元町381-2 Tel: 075-746-4456 開廊時間:11:00AM - 6:00PM 休廊日: 日・月曜日

艸居アネックス: 京都市中京区一之船入町375 SSSビル3F Tel: 080-9745-8452 開廊時間:1:00PM - 6:30PM
休廊日: 日・月曜日

京都 蔦屋書店

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<6F アートウォール>

 

西島勇希 個展
「FOCUS」


《No Worries》2025

2025.12.30(火) ~ 2026 1.19(月)

主催:京都 蔦屋書店

西島勇希は人物画、静物画、風景画を通じて、内在するなさまざまな感情を表現する作家です。対象物・人物を前にした過去の自分に焦点を当て、その瞬間の自身の内面を描き出そうとしています。時には刷毛で画面を叩いてあえて筆致を残し、対象が持つ温度感・表情を絵に起こしています。
風景画では、実際に目にした風景と記憶の中にある心象風景を融合することで、電球の色やピアノの音から感じられる温かい感情などを画面の中に投影します。人物の表情に注目した人物画では、伝えにくい感情やコミュニケーションの中で生じる認識の齟齬、伝えきれないもどかしさなど、自己と他者との曖昧な距離感から生まれる感情を表現しています。静物画では、心象風景の中で感情と重なる質感を対象に描き出します。
西島の内面に焦点を当てた本展は、内壁では西島の激しい心情のままに描いた作品を、外壁では制作の過程が心を整えることに繋がったという作品群を展示します。
また、西島の母校である大阪芸術大学在学中の木原優大の個展を同タイトル、同スペースで開催。二人の作家のそれぞれの視点による作品を展開します。

<アーティストステートメント>

本展は、自分自身の内面に焦点を当てた人物・風景・静物画のシリーズで構成している。
記憶と感情に向き合いながら、具象と抽象の両側面からアプローチし、肉感的でリアルな内面の形を描き出し再現する試みである。
描き終えたときに初めて、それまで掴みどころのなかった心の有り様が見えてくることがある。
そうして心にフォーカスし続けた結果、絵は様々な色と形として表出するのだ。

西島勇希

<6F アートウォール>

 

木原優大 個展
「FOCUS」


《Multiple lights》

2025.12.30(火) ~ 2026 1.19(月)

主催:京都 蔦屋書店

木原優大は現在、大阪芸術大学芸術学科に在籍中の4年生。主に日常で目にした風景を描いています。 本展では、木原が見た"自分だけにしか存在しない"ように感じる風景をテーマに、木原が見る曖昧な周囲の存在を作品を通じて表現します。
彼の制作プロセスではまず、自身の主観で風景を輪郭として単純化させ、その後、曖昧さを表現することのできるエアブラシを使用して輪郭を不確かなものへと変化させます。そして「描く」という行為を通して曖昧な記憶を可視化し、その存在を確かめようとします。
また、同じ大阪芸術大学を卒業した西島勇希の個展を同タイトル、同スペースで開催。二人の作家のそれぞれの視点による作品を展開します。

<アーティストステートメント>

私は普段から物や人の存在に対して懐疑的になる時があり、本当にその物は存在するのか、今見えている物は確かなのか、と考えることがあります。
何気ない風景は、私が見ることを意識することで初めてこの世に「存在」し、見ることを意識されていない風景は曖昧で、今も変容し続けているような感覚があります。
私はこれらの対象を「線」で捉え、単純化します。
本来あるはずのない形や光を「線」で捉えることは、私自身の手で境界を与え、「確かなもの」として存在させようとする行為の痕跡であると考えています。
また、私にとって「描く」という行為そのものが重要です。
描くことは、自身の中に対象を取り込み咀嚼し、その時に見た「記憶」を可視化して、その「存在」と繋ぎ合わせる行為であると感じています。

木原優大

<6F ギャラリースペース>

 

田中 嵐 個展
「Mimesis」


《Raindrop of crystal》

2026.1.10(土) ~ 2.3(火)

主催:京都 蔦屋書店

田中嵐は、2000年福岡出身のアーティスト。鉱物を主成分とした結晶液に、自身が撮影した風景や人物の写真を浸し、表面を結晶化させた作品を手掛けています。結晶化の工程では、雨の音や被写体の心音などといった写真と関連する音をスピーカーから流し、音の振動によってあえて不均等な結晶を生み出します。

「私にとって『結晶化』とは、単なる物質変化ではなく、私たちが紡いできた⽣命や記憶を、⽴体化し可視化する⾏為である。⾬が落下し、氷華が⽣まれ、やがて融解してゆくように、⾃然と⽣命が異なる時間と世界で絶え間なく進むその過程が、結晶化を通じて重なり合う。振動によって形態が変化する結晶化現象は、『重なり』の可視化である。⼼⾳など⽣命の⿎動、遠い国の海の⾳、⾬の⼀粒、気配、湿度、記憶――それら不可視の情報を結晶が凍結する。結晶の輪郭は、時間・記憶・⽣命の煌めきとなり、彫刻へと変容する。」

本展では、人物、海景をテーマにした「Portraitシリーズ」と「Crystalscapeシリーズ」、自然の循環と雨滴に込められた歴史や記憶をテーマにした《Raindrop of crystal》から新作を中心に約10点を展示。⾃然の美を写し取り、対象が刻んだ記憶と時間を結晶化というプロセスを通じて再構築することで、作品として可視化します。

<本展に寄せて>

“Art is the imitation of nature in her operation.” ̶ Aristotle
芸術とは、⾃然そのものの作⽤を模倣することである。 ̶ アリストテレス

本展の《Mimesis》は古代ギリシャの思想を引⽤している。
私は制作を通して、「⾃然とは何か」「美とはどこに宿るのか」を問い続けている。
幼い頃から海で過ごし、サーフィンを通して、私は常に⾃然とともにあった。 海⾯に反射する光、波が崩れる⾳、雪が肌に触れる冷たさ――⾃然の純粋な形や気配は、⾔語を超えて私の深層に刻まれている。それらの⼀瞬は複製不可能でありながら、確かに存在し、消えていく。私はその⾃然が織りなす儚さと壮⼤さに、今⽇まで魅了され続けている。――もし⾃然そのものを空間に展⽰できたなら、それはどれほど美しいだろうか。この問いが、私の根源的な美意識の起点となっている。

結晶は、⼈⼯物でありながら⾃然に委ねられた存在である。⼈間が意図しきれない揺らぎ、偶然、微細な差異が作⽤することで、その形態は半永久的に変化し続ける。私はその⽣成の過程を「模倣」と捉える。――しかし、それは単なる複製ではない。
芸術における模倣(Mimesis)とは、世界を再現するのではなく、世界を理解し、再び世界と関わるための思考の形式である。そして新しい美として⽣まれ変わるのではないだろうか。

私の作品は、⾃然の美を写し取ろうとする⾏為であり、結晶化を通じて、⽣命が刻んだ記憶と時間が再構築される場所となる。個展を通して鑑賞者が作品の前で⽴ち⽌まり、呼吸し、静けさに触れることで、その内側に眠る「もうひとつ」が⽴ち上がることを願っている。

田中 嵐

<5F エキシビションスペース>

 

池田光弘 個展
「afterimage/ghost」


《untitled(figure no.13)》2025

2026 1.16(金) ~ 2.17(火)

主催:京都 蔦屋書店
協力:Satoko Oe Contemporary

池田光弘は、これまで画家として、神話や物語、宗教など、人間が生み出してきた文化的営為の起源や生成のプロセスに関心を寄せ、活動してきました。池田の作品は、イメージと絵具の物質性が互いに支え合う関係を前提にした、具象と抽象の境界が揺らぎながら立ち上がる独自の画面構成を特徴としています。いずれも、描写の精度と筆触のレイヤー、偶然性を含む転写的な痕跡が重なり合い、現実の風景を手がかりにしつつ、やがて別の次元のイメージへと変容していくような印象を与えます。

本展では、2023〜2025年に制作された作品を展示します。制作プロセスにおいては、旅先で撮影した写真に写り込んだ人物や風景を丁寧に描き起こし、それらをモノタイプ(※)で写し取り、その図像をキャンバス上で再構成しています。通常は一枚のみを刷るモノタイプにあえて刷りを重ねることで、図像は徐々に輪郭を失い、記憶の残像や作家自身の動機となる内的イメージと混ざり合いながら、元の風景とは異なる新たな情景が浮かび上がっていきます。こうして生まれた画面には、モノタイプ独特の刷りの風合いや支持体の素材感などを精緻にキャンバスに写し取る工程と、キャンバス上での作業によって生み出される筆致やテクスチャとが、多層的に蓄積され、イメージと物質性が巧妙に均衡を保ちながら共存しています。
池田が探求してきた、宗教や神話の源流に潜む「イメージが立ち上がる奇跡的な瞬間」と、風景の記憶から立ち上がる新たな物語性を、会場の作品でぜひご体感ください。

※版画技法の一種で、ガラスやアクリル板などの平滑な版に直接絵具やインクを載せ、刷り取る。製版作業がなく、1枚しか刷れない(モノ)ため、版画でありながら、1点物のような風合いや偶然性を持つ。

<アーティストステートメント>

afterimage / ghost
美しさと恐怖のグラデーションの中に、遠い微かな記憶、そして僅かな予兆を感じ取る。
棘のように突き刺さる時や光景、それはおそらく過去にどこかで見てきたものであり、忘れたふりをしていた像の断片である。
風雪に捩れた木々の姿、形式に縛られた人間関係、そしてあからさまではない暴力。
それらはいつも視界の端に、意識の深層に、形にならないままとり残されている。
絵を描くプロセスにおいて、イメージは削られ、曖昧に、輪郭を失いながら、ふたたび立ち上がる。微かな記憶、僅かな予兆が、触れられるものとしてそこに現れる。

池田光弘

京都市下京区四条通寺町東入ニ丁目御旅町35 京都髙島屋S.C.[T8]5・6階
Tel: 075-606-4525 営業時間:10:00~20:00 (不定休)

美術館情報

京都市京セラ美術館
本館 北回廊1F

⻄洋絵画400年の旅
―珠⽟の
東京富⼠美術館
コレクション
2026.3.20(⾦・祝)-
5.24(日)



京都市京セラ美術館
新館 東山キューブ

特別展
日本画
アヴァンギャルド
KYOTO 1948-1970
2026.2.7(土)-
5.6(水・祝)



京都市京セラ美術館
ザ・トライアングル

佐俣和⽊
PLAYSCAPE KYOTO!
2025.12.3(水)-
2026.2.15(日)



京都国立近代美術館

セカイノコトワリ
― 私たちの時代の美術
2025.12.20(土)-
2026.3.8(日)



京都文化博物館

特別展
原安三郎コレクション
北斎×広重
2026.4.18(土)-
6.14(日)



京都国立博物館

特別展
北野天神
2026.4.18(土)–
6.14(日)



細見美術館

妃たちの
オーダーメイド
セーヴル
フランス宮廷の磁器

マダム・ポンパドゥール、
マリー=アントワネット、
マリー=ルイーズ
の愛した名窯-
2025.10.25(土)-
2026.2.1(日)