◆展覧会についての最新情報は、各ギャラリーのサイトでご確認ください。

イムラアートギャラリー京都 imura art gallery Kyoto

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Aya Kawato × Masaomi Raku Exhibition


川人 綾
《CU:C/U_dccxxx-dccxxx_(b)_XVI》
木製パネルにアクリル絵具
73×73cm / 2023
photo by Takuya Oshima (Northern Studio)


樂 雅臣
《輪廻 芽生え・阿》
黒御影石
H70.5 x W20 x D12.5cm
(台座 H6 x W30 x D30cm)
2020

2023.9.16 (土)~ 10.14 (土)

イムラアートギャラリーでは、9月16日(土)から10月14日(土)まで川人綾と樂雅臣の二人展を開催いたします。是非ご高覧くださいませ。

京都市左京区丸太町通川端東入東丸太町31 Tel:075-761-7372 休廊日:日・月曜日&祝日

同時代ギャラリー DOHJIDAI GALLERY of ART

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〈ギャラリー〉

 

グルッポ・ルーチェ 第15回合同展


2023.9.18(月)〜 9.24(日)

写真の成立要件は、光と暗箱と感光材料の3つですが、その中でも最も重要な要素である光を意味するイタリア語「ルーチェ」をわたしたちのグループ名としました。

わたしたちにシャッターを押すその瞬間を教えてくれるのは、かすかな気配を通じた光の合図にほかならないからです。
グルッポ・ルーチェは、結成15年のグループですが、定期的に作品をもちより、合評をともにしながら、切磋琢磨を続けています。
そして、年1回の合同展を、それぞれが自らのコンセプトを構築し、活動を続けてゆくためのマイル・ストーンとして位置づけ、継続的に取り組んでいきたいと考えています。

 

自画像の多様な表現展
大阪成蹊大学芸術学部美術教材研究会


2023.9.26(火)〜 10.1(日)

本展覧会は、2019年度より実施している「大阪成蹊大学美術教材研究会」における研究を推進するために、中学校・高等学校における美術科教育(A表現・絵画領域)において、ポップカルチャーを有為に活かすための試みとして実践した題材「自画像の多様な表現」の実践をとりあげ、教材としての有意性を検討するため26名の学生が制作した35点の作品を展示するものです。

自画像制作において、自身の姿を写実的に再現することや、内面を表現すること、さまざまな感情を表現すること等は重要な制作のテーマです。ただ、これらに重きを置くだけではなく、自ら「スタイル」を選択して描くことで、「自画像」という課題に潜在する可能性を引き出すことができるのではないかと考えました。本題材は美術教育の需要者としての中・高校生の興味・関心を刺激し、多様な表現の可能性につながると仮定し実践したものです。テーマ設定においては、学生が身近に感じることができる「ポップ」、「カワイイ」、「レトロポップ」等を設定し、ポップカルチャーを自画像表現に取り入れることを意識しました。

 

Kao展 2023 / To be framed


2023.10.3(火)〜 10.8(日)

『写真家にとって写真とは顔そのものである』をコンセプトに、様々な『顔』が集まって写真文化を盛り上げて行きたい、との思いから始まった『Kao展』今回で第16回目の開催となります。

 

『創生気 第三章』
sumi-e,fabric,washi installation
artduo御目文字


2023.10.9(月)〜 10.15(日)

創生気と掲げたartduo御目文字の四回シリーズの作品展の始まりは2018年より
残されてきた形や文字の中に大切な思いを汲み取り・・・
歴史の変容に影響された題材に着目し
蔭にうつる人々の願いを根底に創作することから始まる
時代背景のインスピレーションを得て繋がるインスタレーション作品
◆第三章は起承転結の『転』
死生の間に発する気の瞬きは創造をうつし出す
第一章は古代から 第二章は平安から
第三章は鎌倉末期から安土桃山の流れに 最終章は江戸時代の予定。
紙漉きが平安から始まり、襖、屏風の大画面の絵画が登場。
「来迎図」に描かれた想像は人の願いを反映し極楽浄土は平安末期から鎌倉時代に変化。
救いの具現化は多様な存在を生み江戸時代へと視覚表現は空間を演出して高まる。

 

キャラデノ2023
京都精華大学マンガ学科
キャラクターデザインコース
西野ゼミ・ときまつゼミ三回生


2023.10.17(火)〜 10.22(日)

京都精華大学マンガ学科キャラクターデザインコース
西野ゼミ・ときまつゼミ三回生作品展

京都市中京区三条御幸町南東角 1928ビル2階 Tel:075-256-6155 休廊日:月曜日

エンアーツ eN arts

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exhibition 11
白子勝之 個展


untitled
2023
H300 x W30 x D30mm

©katsuyukishirako
photo takeru koroda

2023.9.1(金)〜 9.30(土)
会期中 金・土・日 12:00-18:00

アポイントメント 承ります

作品は特定の意味を有さず、複数のイメージを内包しながらただそこに在るだけである。

白子勝之


eN arts では 2023年9月1日より白子勝之個展「exhibition 11」を開催致します。白子の11回目の個展となる本展では数ある作品シリーズの中から assemble, scoop, scribbleの3つのシリーズより本展の為に制作した最新作を一挙にご紹介いたします。

assemble: 繊細に彫り上げたパーツを組み合わせるシリーズからは4点展示予定です。優美な曲線を描くパーツと多数の小さなパーツを組み合わせた有機的な作品は、鑑賞者に植物の芽が息吹く様子や、軽やかな羽根を想起させます。

scoop: 朴や桜の材を直方体や立方体に成形し、その一部を潔く削ぎ落とした(かのような)ミニマルなシェイプに仕立て上げるシリーズです。今回出展予定の7点は、全てを同素材・同サイズに揃えることにより生じる枠(制限)の中で、面や線の切り取り方、削ぎ落とす角度・方向・深さにより、各々が表情を変え、異なる魅力を放つ作品となるようチャレンジしました。どの角度から鑑賞しても美しく凛とした佇まいです。

scribble: フリーハンドで描かれた何百もの線描(スクリブル)から選び抜いたスクリブルを拡大し、一枚板あるいはMDFから立体的に削り出したものに、部分的、或いは全体に漆を施し作品とする、白子のシグニチャー的なシリーズです。本シリーズからは2点が出展されます。

削ぎ落とされた究極の美を追求し続ける白子勝之の個展「exhibition 11」を是非御高覧下さい。

eN arts

京都市東山区祇園北側627 円山公園内八坂神社北側 Tel:075-525-2355 開廊日:金・土・日曜日

ギャラリー16 galerie16

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内を外に出す行為
清水直子 展
—ロクブンノイチノ・・・—


2023.9.19(火) 〜 9.30(土)
9.30(土)は〈ニュイ・ブランシュKYOTO2023〉開催のため~21時迄

●ワークショップのご案内

今回は個展に因んで、織物以前の布「アンギン」の手法を用いたワークショップを開きます。作品の一部や、湖国近江の素材を編みます。
日時:9.22(金)・24(日)・30(土) 13〜16時[所要時間30〜60分]
参加費:無料
申し込み:当日先着順

 

平田洋一 個展


2023.10.3(火) 〜 10.14(土)

「ムシムシ」と平田さん

平田洋一さんの個人を中心とした年譜(彼は便利年譜と呼んでいる)は彼が生まれた時から始まっている。読んでいると実に面白い。
彼と私は立場こそ違っているが、年齢も似通い「美術」と係わることになった時期も近い。
年譜を見ても信濃橋画廊との付き合いが色濃いとわかるが、その時点ではまだ信濃橋画廊は存在していない。
信濃橋画廊の開廊は1965年で、閉廊されたのが2010年12月と云う事である。当時すでに開廊していたギャラリー16は1964年に福岡道雄さんを中心に結成されたばかりのグループ「アローライン」の展覧会を1965年に開催、又1967年には「New year 16 Works」展のメンバーの一人として、平田洋一さんとの付き合いが始まった。1963年に開催した京都国立近代美術館の開館展「現代美術の動向展」は1970年まで毎年開催された。平田洋一さんは1966年の現代美術の動向展に選ばれ「オオムシ・コムシ」「オオムシ」「ムシムシ・マルイエ」「ムシムシ立方体」などを出品した。

平田洋一作品を決定づけるのは、ポリエステル樹脂で作られた「ムシ」と呼ばれる2.4cm程の小さな作品の基礎となるものであり、彼の作品発想の根底にはこの「ムシ」がいるのである。それは2023年の今もなお引き続き彼の「ムシ」は健在である。

この度、平田洋一展を開く事になった。彼の新作「ファスナーのある円い絵(2021年作)」「老いた涙のコレクション(2022年作)」「ムシムシ・足踏み木工マシン(2023年作)」などは全てあの「ムシ」が巣くっているに違いない。是非ご高覧下さいますように。

ギャラリー16 井上道子

京都市東山区三条通白川橋上ル石泉院町394 戸川ビル3階 Tel:075-751-9238 休廊日:月曜日

ヴォイス・ギャラリー MATSUO MEGUMI+VOICE GALLERY pfs/w

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吉田芙希子
「常世の押し型」


「面影のキメラ」(部分)
2023
H 340mm × W 225mm
FRP、サーフェイサー

2023.9.20(水)〜 10.9(祝・月)
13~19時
休廊日=9.25(月)・26(火)・10.2(月)・3(火)・4(水)

1988年生まれ、京都在住。京都市立芸術大学大学院で絵画を学び、修士号取得。
架空の「美しい」存在を創造し、その現世と常世の狭間への視線は、磁器のような質感を持つ精巧なレリーフとして現れます。
当ギャラリーでは初個展。
受賞に、滋賀県次世代文化賞(2017年)、 BIWAKO大賞展大賞(2015年)、NHK京都放送局長賞(琳派400年記念展 新鋭選抜展2015)、H.P.FRANCE 賞・シュウ・ウエムラ賞(アートアワードトーキョー丸の内2013)、大学院市長賞(京都市立芸術大学作品展2013)。
作品が、京都市立芸術大学美術館、京都銀行、三菱地所(東京)に所蔵されている。


作者コメント:
この世ではない世界が壁の向こう側にある。
私はその壁に窓を描いて、むこうの世界を覗き見ている。
ふと「美しい人」があらわれ、脳裏に瞬間瞬間の姿が刻まれる。
否応なしに執着する自分にはうんざりする。

見たい欲望と対峙する恐怖心が拮抗する。
壁の向こうから「美しい人」の瞬間の像を引っ張る。
同時に完全な姿で現れることを拒絶し壁の中に留まらせようとする。
半分現れた姿は私にとって一番好ましい距離感を体現している。
まじまじと「美しい人」を眺めながら、永遠に目が合わないことの安楽にひたる。

吉田芙希子

京都市下京区富小路通高辻上る筋屋町147-1 Tel:075-341-0222 営業時間:11時~19時 休廊日:月・火曜日

京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA

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<@KCUA 1,2>

 

特別展
still moving final: うつしのまなざし
学長室壁画引越しプロジェクト(第1期)
川田知志


2023.8.19(土)〜 9.18(月)

企画:京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA
主催:京都市立芸術大学
協力:田口かおり(修復家/京都大学大学院人間・環境学研究科准教授)
前川佳文(壁画保存修復士/東京文化財研究所文化遺産国際協力センター主任研究員)
鷲田清一(哲学者/京都市立芸術大学前学長)
スパイスカレーIZON
映像記録:片山達貴
写真記録:来田猛


いよいよこの10月、京都市立芸術大学はJR京都駅東側エリアの新キャンパスへ移転します。@KCUAではこれまで、この移転に向けたプレ事業として「still moving」シリーズなどのさまざまな展覧会やイベントに取り組んできました。今回はその最終回として、沓掛キャンパス学長室の壁画を新キャンパスへと「引越し」させ、大学の有する芸術資源の保存・活用のあり方について考察するプロジェクトを実施します。

有史以前から現在に至るまで、人はその集団が活動する空間に壁画を制作してきました。持ち運びが可能な絵画が制作されるようになった後も、さまざまな意図で壁画は描かれ続けています。本プロジェクトでは、こうした古くからの「人の営み」に通じる表現である壁画をタイムベースト・メディアと捉え、解体・移動・再構築を通して、今日における壁画の再考察とその可能性の拡張に挑みます。

沓掛キャンパス学長室の壁画(フレスコ画)は、2015年度後期に当時の本学関係者の協力のもと、美術家の川田知志によって制作されたものです。制作から7年余りの時を経たこの壁画を、フレスコ画の移設技法であるストラッポを用いて壁面から描画層のみを引き剥がし、@KCUA(堀川御池)に運び込んで別の支持体にうつして移動可能な状態にしたのち、新キャンパスへと運び込みます。また壁画の一部は壁ごと取り外し、沓掛キャンパスのアーカイブとして保存されます。

川田は以前より、このストラッポの技法を用いて壁画の新たな可能性を探る作品を複数手がけてきました。@KCUAで昨年度実施した「うつしのまなざし」では、模写作品と向き合い、壁画の「うつし(写し、移し)」について探求を続けました。本プロジェクトで川田は、修復家の田口かおりなどの協力を得て、壁画の歴史・修復と移設の伝統技法をあらためて参照しながら、自身のこれまでの制作を見つめなおしつつ作業を進めます。その傍ら、昨年度の「うつしのまなざし」に引き続き、映像作家の片山達貴によって、壁画自体の物質性と川田の身体との関係に焦点を当て、制作・移設の過程で過去・現在・未来が交差するさまを映像化する「うつし(映し)」の試みがなされていきます。

@KCUA(堀川御池)で行われる第1期展示では、壁画移設のための修復・再構成の公開作業ならびに壁画の一部を含む、学長室壁画に関するさまざまなアーカイブの展示を行います。あわせて、昨年度の「うつしのまなざし」で制作された壁画作品のその後について、ストラッポ後の作品と記録映像を公開します。新キャンパスへの移動後に行われる第2期展示では、再構築し、展示可能な状態にした壁画ならびにプロジェクトの記録映像の展示を行います。大学の機能とともに膨大な数の芸術資源が一斉に移動するなか、元来その場所に合わせて制作される壁画が、移動によってその意味をどのような変化させるのかに思考をめぐらせつつ進んでいく、本プロジェクトの現在進行形にどうぞご注目ください。

京都市中京区油小路通御池押油小路町238番地の1 Tel:075-334-2204 休廊日:月曜日

MORI YU GALLERY 京都

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黒田アキ
「NEO SELF- PORTRAIT」


Aki Kuroda
"Neo Self- Portrait"
2023, 194×130.3cm,
acrylic on canvas

2023.4.8(土)— 5.21(日)
opening reception: 4.8(土) 15:00 – 17:30
休廊日:4.29 (土) – 5.5 (金)

モリユウ ギャラリーは4月8日(土)– 5月21日(日)まで、黒田アキ展「NEO SELF-PORTRAIT」を開催します。本展では黒田の新作絵画を展示いたします。みなさまどうぞご高覧ください。

黒田は、顔をモチーフにした作品をここ数年描いてきた。黄色やウルトラマリン・ブルー、水色といった鮮やかな色使い、とても激しいストロークによって描かれたその顔は、幼少期にみた書籍『ミノトール』からの影響が大きいと彼は語る。
30年前からすでに、ミノトールは黒田の中心モチーフとして描かれていた。

1993年東京国立近代美術館での個展に出品された『Minosideral 1』(ミノシデラル)』(Minos「ミノトール」とsideral「恒星の」を組み合わせた造語)は、3連からなる絵画作品である。白い地の上に描かれた真っ黒なミノトールを中心に据え、白い隕石が散りばめられたような印象を与える絵画2 点が両脇に配置される。勇者ベルセウスによって殺されたミノトールが星になり、暗黒のブラックホールから離れた場所に存在する。Minosideralは、絵画面では黒一色に塗りつぶされている。ただ、黒一色といってもそれは幾重にも重なった線の「縺れ」であり、解けた線の縺の端は宇宙空間を通り、果てはブラックホールへと繋がっている。またその線は、ミノトールが幽閉されていた迷宮と外の世界とを繋ぐアリアドネーの糸でもあった。
1990年代後半に、黒田は『Minotauromachine (ミノトロマシーン)』という作品を描いている。黒田によって宇宙に浮かぶ星へと復活したミノトールは、流星のように落下した。その後、黒田は瀕死のそれを手術するかのように機械と繋ぎ合わせて人造人間のように仕立て上げたのだ。

神話では、ミノス王の后であるパーシーパエーが名工ダイダロスに白い雌牛の模型をつくれと命じ、彼女はその白い雌牛の模型に入り込み、雄牛と関係を結び誕生したのがミノトールであった。黒田は、神話の登場人物すべての役を演じているかのように見えてくる。さらに、主人公たるミノトールとも交わったともとれるだろう。そして出来上がったものが2010年前後のシリーズであった。そのシリーズは白黒で表現され、青い目が埋め込まれていた。ミノトールの神秘性が非常に際立った作品だった。

2017年頃から制作され始めた『SELF-PORTRAIT』は、黒田自身の顔が前面に押し出され、もはやミノトールは一部になっている。それらは親近感と怖さの間で揺れ動きながら鑑賞者に迫ってくる。次に制作された『Super self-portrait』シリーズでは、顔だけにフォーカスしたものからズームアウトされ、全身(figure)が描かれたものだ。figureは浮遊感とともに空間に浮かんでおり、その片手にはSelf-portraitが切り取られたように抱えられている。そしてその空間の背後を時折、兎が顔を覗かせる。ミュータントのような兎(Lapin)だ。空間と時間をかき回すかのようにジャンプするLapinは、また別の作品へと我々を誘う。ある都市の風景だ。人や動物やミュータント、怪物。異空間へと繋がるトンネルや道路、小道、塔に城が混在しながら、得体の知れない黒い竜巻のようなものが描かれている。ブラックホールであろうか。すべてがそこに吸い込まれそうになるのだが、抱え込まれ、逃れつつも存在する黒い円筒は、『Super self-portrait』のfigureの変化した姿にもみえてくる。すべてが綯い交ぜになり、線のように縺れた結果できているcosmogarden(宇宙庭園)だ。

遠くに顔がポツンと存在しているのがみえる。それを 「NEO SELF- PORTRAIT」と黒田は名付けた。いつしかそれはミノトールをも超えて、黒田自らの世界へと我々を誘う。黒い髪の毛はそこだけ独立して面となり、黒い奥行きのある夜となり、そして時間のある異次元の空間へと広がり始める。闇が訪れ、顔はラパン(Lapin)に変わり、その目はいつしか宇宙に変わり、我々鑑賞者はそこに誘われ、色々なミュータントに出会うのだ。

京都市左京区聖護院蓮華蔵町4-19 Tel:075-950-5230 休廊日:月曜日・火曜日・祝日

ギャラリー ヒルゲート  Gallery Hillgate

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〈1F・2F〉
司 修
「わたしの絵本展-いつだってともだち」(水彩・油彩・版画 他)

2023.9.12 (火) ~ 9.24 (日)

菊池正・作《きょうも ともだち》(一九七三年)は、モノタイプという方法で絵を描きました。
しかし私がこの絵本を選んだ理由は絵画の方法ではありません。
コロナウィルスに閉じこめられた、幼年から老年に至るまでの、世界中の人々が、人との関係を遠ざけられた三年余におよぶ「事件」にあります。
《きょうも ともだち》は、幼い子のための物語ですが、「生きる」という喜びを、作りだして行きます、それは「きょうも ともだち」という関係からです。

 

〈1F・2F〉
ニュイブランシュ2023参加企画
-空中幽泳-
西久松友花 (陶)・藤田つぐみ (絵画) 二人展

2023.9.26 (火) ~ 10.1 (日)

漂うイメージは風に乗り水を流れ土に眠る。仮の姿かもしれないけれど、作家の目を通じてそれらは形作られる。もしくは作られたモノのなかに滑り込み、棲む。それは一枚の絵の中に憑依することもあれば、造形物の中に居場所を見出すこともある。

この2人展では陶芸作家の西久松友花と画家の藤田つぐみが依代(よりしろ)、遊戯(ゆげ)、霊(みたま)等の共通項を掲げ、それぞれの領域において見えるものと見えないものの接点を探る。


以前心霊番組か何かで、絵の中に霊が宿っているという放送を見たことがある。大抵は肖像画などに何か悪いものが憑いているというものが多いが、それは風景画だったと思う。綺麗な風景画の中に霊も入りたくなるのかと思ったことが今も頭の片隅にぼんやりと残っている。そもそも絵を描くこと自体が抽象概念や不定形のイメージが何らかの形象を得て宿るための場作りになっているのかもしれない。ドローイングのなかで産まれた羊にどこから来たのか訊ねてみたい。

藤田つぐみ

パンデミックを機に、救いや拠り所を求めて「見えない」或いは「見えにくい」としてきたものを見ようとする考え方に関心が高まったように思う。
土偶は、縄文人が思い描く精霊を具象化したものとも考えられているらしい。
文明の利器のない時代、古来の人々はそういった存在をより敏感に、そして身近に感じていたのかもしれない。
無視覚的存在の心象を表出させたものの中にその時代を生きる人間の生活、文化、精神性が隠れているのではないだろうか。
手の中で生まれた形の中に宿る”何か”が依代となり、目の前に鮮明な形が立ち現れてくる。

西久松友花

 

〈1F〉
中川妙子 展 (ミクストメディア)

2023.10.3 (火) ~ 10.8 (日)

 

〈2F〉
作陶35周年記念 向坂典子展
好きを描く、好きを作る (陶)

2023.10.3 (火) ~ 10.8 (日)

描き溜めている、野の花山の花のスケッチより生まれる百花小鉢
大好きな鳥獣戯画の立体
リアルな生き物を写しとった花生けなど
とにかく何が出来るのか
何を生み出したいのか。
なんでもやって俗に言う器用貧乏なのかもしれませんがそれを
逆手に、生み出せるもの全てをカタチに。
水上先生と出会い、一滴文庫の裏山を削り作陶をはじめ、最初の展示会がヒルゲートでした。
あれから35年、折々の作家たち展や心に響く小品展でもお世話になっていますが、ヒルゲートでの個展を初めて開催させて頂くことと相成りました。初心に戻り今の自分自身を表現できればと思っています。
ご多忙とは存じ上げますが皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

 

〈1 F〉
池田知嘉子 展

2023.10.10 (火) ~ 10.15 (日)

生と死を同時に内包しながら
循環する生命の化現として
巨樹はそこに在る

 

〈2 F〉
上杉 尚 展

 

2023.10.10 (火) ~ 10.15 (日)

 

〈奥庭空間〉
木村舜 展(立体造形)

2023.7.18(火) ~ 12.24(日)

RUST HUMAN
全ての物質は時間や外的要因により廃れてゆく。
それは環境や生物による侵食、外的要因による破壊、経年劣化など多岐に渡り、地球上の如何なる生物や物質であっても決して避けられぬ現象である。
こうした廃れという現象は人間が作り出した社会や生活といった概念的な括りの中にも無数に存在し、様々な人間が日々の日常を送る中で苦しみ、足掻き、もがき続け、その過程で人間という生物として他意的にもしくは直接的に自身の身体や人間社会といった概念の廃れを認識するのである。それと同時に新たな物事が発生、成長していくのである。

この様な現象が日常的には発生しているという事、そして廃れから新たに生じる変化、成長を移りゆく季節や気候の影響により変貌していく7つの作品を鑑賞していただき、現代を生きる人間や身の回りで起こり得る廃れ(RUST)を感じていただきたい。

木村 舜

人間社会や世界の動き、自分自身を含めた「人間」と対峙し、その過程で生まれる思想や考察、空想を自身の言葉や絵画、彫刻等様々な手段を用いて制作、表現を行う事によって自身の存在意義や無数に存在する「人間」を創出していく。

京都市中京区寺町通三条上る天性寺前町535番地 Tel:075-231-3702 休廊日:月曜日

京都芸術センター Kyoto Art Center

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<ギャラリー南>

 

サムソン・ヤン
「The World Falls Apart Into Facts」


©Lily Yiyi Chan

2023.9.30(土)〜 10.22(日)
※9.30(土)は22:00まで

KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2023

近寄ってみれば、だれもが複雑に混ざり合っている

香港を拠点に活躍し、2017年のヴェネツィア・ビエンナーレ香港代表を務めたサウンド・アーティスト、サムソン・ヤン。本作では、中国を代表する民謡「Molihua(茉莉花)」の系譜を辿る。この曲が清朝の時代に大英帝国を経てヨーロッパに伝わり、そこでアレンジされたものが中国に「再輸入」されたという経緯を、文化と政治の両面からリサーチし、映像とオブジェクトのインスタレーションとして制作。また、日本における唐楽(中国から朝鮮・日本に伝来した唐代の音楽で、雅楽の分類のひとつ)など、国と国を超えて作用する文化的系譜に関わるリサーチも、作品には含まれる。今回、ヤンは京都での滞在を通しても思索を深め、本作を再構成している。

今日、私たちが“日本的”ととらえる文化的系譜の多くは、歴史を振り返れば他国の文化を転用したものや、その影響下にあるものだ。国と文化を結びつけて語るとき、しばしば文化の純粋性や真正性といった概念を入れ込もうとする力が働くが、ヤンはそこにユーモアと疑問符をぶち込んでくれる。

サムソン・ヤンによるギャラリーツアー
日時:2023.9.30(土)12:30~13:30
言語:英語(日本語逐次通訳あり)
料金:参加無料・予約優先

京都市中京区室町通蛸薬師下る山伏山町546-2 Tel:075-213-1000

ギャラリー・パルク Gallery PARC

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菅 かおる
microcosm


《Origin(光の生成)》
2019
雲肌麻紙に岩絵の具・金箔
91 × 72.7cm

2023.9.2(土) ─ 9.24(日)
水・木曜休廊

主催:Gallery PARC

Gallery PARC[グランマーブル ギャラリー・パルク]では、2023年9月2日(土)から24日(日)まで、菅かおるによる個展「microcosm」を開催いたします。

菅かおる(かん・かおる/1976年・大分生まれ)は、2000年に京都造形芸術大学日本画コースを卒業し、千住博に師事。これまでに多くの個展・グループ展などによる作品発表に取り組むなど、現在まで積極的な活動を続けています。

菅は「水」をモチーフに、写生に基づく正確な描画力をベースに、伝統的な日本画における画材や技法に根ざした絵画制作に取り組んでいます。 しかし一方で、たとえば偶然性を借りて画面に様々な色面を生じさせ、そこに見出した平面性・空間性を手がかりに、自由奔放な曲線や、幾何学な直線を描き出すなど、その作品にはまた菅の興味や好奇心を出発点とする絵画的な探求をも重ねられています。

「私の描く絵の中では自然が生み出した豊かな曲線も法則的な直線も、等しく有機的なひとつの世界に包み込まれています」と語る菅の描き出す 「水のある景色・水に見る景色」とは、いわば「水=生命」として、そこに満ちて拡がる様相をひとつの宇宙として描き出しているともいえます。

タイトルを「microcosm(小宇宙)」とする本展は、菅が描き出したひとつひとつの「小宇宙」としての絵画を発表する機会であるとともに、菅の描き出す「浮遊感、重力からの解放」、「水と宇宙の繋がり」を展示空間での鑑賞体験の中にも織り込んでみようとするものです。そのための新たな要素として、本展で菅はモビール制作に取り組みます。色彩や光が固定された座標を離れて、空間を自由に漂うモビールは、光との関わりによって表情を変える日本画材の特性を活かす作品の在り方であるともいえます。また、重力から解放された色や光が空中を漂うヴィジョンは、菅の描き出す画中の世界にも似たものであり、鑑賞者にあらたな鑑賞(絵画)体験を提示するものとなります。


菅 かおる
私は水をモチーフに描き続けています。生命ある水の神秘、力強さに魅かれているからです。 私の描く絵の中では自然が生み出した豊かな曲線も法則的な直線 も、等しく有機的なひとつの世界に包み込まれています。 水に映し出される、色彩の美的で根源的な感覚を作品に注ぎたいと思っています。

京都市上京区皀莢町287 堀川新文化ビルヂング2階   開廊時間:13時~19時 休廊日:水・木曜日 

GALLERY TOMO

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常設展

常設展を不定期で行っています。
作家:篠原猛史、石原孟、板垣旭、こうす系
   鳥彦、杉谷一考、藤田薫、町田藻映子

展示・作品に対するお問い合わせは以下の連絡先までどうぞ。
GALLERY TOMO

京都市中京区寺町通丸太町東入る南側下御霊前町633 青山ビル1F Tel:075-585-4160 休廊日:月・火曜日

KUNST ARZT

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山下茜里 個展
ULTRA PLINIAN


naked No.11
2023
綿布、反応染料、わた、木材
身長約180cm

2023.9.23(土)〜 10.1(日)
9.30(土)のみ、ニュイブランシュ参加のために12:00から21:00

KUNST ARZTでは、昨年に引き続き3度目となる 山下茜里の個展を開催します。
山下茜里は、眼球剥き出しの皮膚を 剥がされたような人体表現を通して、 ヒトの本質を追究するアーティストです。
染色技法を駆使し、膨大な時間を費やして 丁寧に生み出された“血肉”生地で、 壁面全体、床面全体を覆い、 まるで建物と一体化したようなインスタレーションを 展開したり、人体のスケールを超える立体像を作ったり、 時には眼球部分のみで圧倒的な存在感を見せてきました。
「最大級の爆発」を意味する 「ULTRA PLINIAN」と題された本展。お楽しみに。

(KUNST ARZT 岡本光博)

<アーティスト・ステートメント>

身体の先まで張り巡らされている無数の管 血液を通して様々なものが行き交うこの身体は、 常に熱を帯びている。
真っ白な布の上に熱い郎が走り、幾層にも重なり、 やがて思い描く形に見えてくるその様は、 およそ40週間の時間をかけ、何もなかった母体から みるみるうちに形作られていく人間のようだ。
私は、重ねた熱の痕跡で「人」を作っている。
「人」を作るのに適した方法がこれだと思っている。
自分、そしてこれまでに出会った人々、 その誰しもが「ヒト」という単一の生き物だ。
その明白な事実と、自分が「人間」であることへの執着、 生き物としての「ヒト」への強い興味から、 「人間」を表現し続けている。
かつて遭遇した、ヒト特有の「ことば」や「ふるまい」「おもい」を 基に作品を制作している。そして、それを誰かに見られている 光景をわたしが見つめ、そうした行為の流れの中に わたしの作品は存在している。
また、「目」はわたしが「人間」を表現する上で不可欠な要素だ。
人の目は、他の生物にはない独特な眼差しと、 その内にある個人性を強く覗かせている。
それは「目」が人体で唯一むき出しに された透明の臓器だからかもしれない。
自身の内と外を通ずる唯一の窓だからかもしれない。

 

田中佐弥 個展
「現代暗黒寓話」


248年
2022
人体骨格模型、和紙、樹脂、
時計パーツ、錫杖、ロザリオ、
鹿頭骨、鹿毛皮、書籍(法の書)、
アンティーク帽子及びマント

2023.10.3(火)〜 10.8(日)

KUNST ARZTでは、昨年に引き続き2度目となる、 田中佐弥の個展を開催します。
田中佐弥は、剥製や古道具などによる立体コラージュによって、 事の本質を追求するアーティストです。
占い師でもある美術家として、運命のように引き寄せてきた モノたちを代弁者として、今伝えるべきメッセージを 立体コラージュに内包します。
今回の展示では、「資本至上主義社会の人間の行末を、 剥製により擬人化した動物の姿で、寓話的に表現」する インスタレーションになります。

(KUNST ARZT 岡本光博)

<アーティスト・ステートメント, 展覧会コンセプト>

思いがけない物が手元にきた時、 不思議なイメージが浮かぶ瞬間がある。
やがて、ただの思いがけない物は、 私にそのイメージの意味を語りだす。
今回もそうしたイメージの意味に駆られ制作した作品である。

羊の頭(ovis caput) とはラテン語で、資本(capital)の語源である。
人間は羊などの家畜によって豊かさを手に入れ、 資本による新たな社会システムを生み出した。
しかし現在、我々は行き過ぎた資本主義の虜になっていて、 資本至上主義がもたらす残酷なもう一つの姿を、 見ようとしていないのではないのか?

今回の展示では、資本至上主義社会の人間の行末を、 剥製により擬人化した動物の姿で、寓話的に表現してみた。

古代からイソップの寓話のように、擬人化された動物の話によって、 人々はそこに人間の姿を重ね戒めてきた。
我々を取り巻く本質的な問題が見えにくい現代であっても、 寓話で有れば様々な制限を超えて、この物語を通して、 危うい現代と自身の姿を見出すのかもしれない。

京都市東山区夷町155-7 2F Tel:090-9697-3786 休廊日:月曜日

ギャラリー恵風  Gallery Keifu

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*今後周囲の状況を鑑み、変更することもございますので、ご来場の際はホームページやFacebookでご確認くださいませ。

 

〈1F〉
栗本 夏樹 展 -漆石-


2023.9.21(木)~ 10.1(日) ※ 9.25 (月)休廊 

ギャラリー恵風での3年ぶりの個展を開催します。恵風での個展で初めて石に漆を塗った漆石作品を発表しました。前回は、一点だけが青い色の漆石で、残りはすべて黒色でした。今回は赤、緑、金、青などカラフルな漆石がたくさん並びます。また、前回はなかった漆石を使った壁面作品も多数、展示する予定です。3年間で成長した漆石シリーズを皆様にご覧頂けるのを楽しみにしています。(栗本)

 

〈2F〉
漆 加飾三人展 [種]
賀蘭、小峰花香、呉雯雯


2023.9.21(木)~ 10.1(日) ※ 9.25 (月)休廊 

この度、京芸漆工専攻加飾ゼミの三人は、漆という共通の「種」を用いて、それぞれが抱える課題意識を独自の技法を用いて表現しています。
本展では、現代アートにおける漆の新しい可能性を探究する賀蘭と、青銅器や生き物などの文様に注目し、物の生き生きとした様子や装飾の美しさを表現する小峰花香、または、中國の漢字と⼭⽔画や⽇本の葦⼿絵などをグラフィックデザインやレーザーカッターを手段として、新たな漆を表現する呉雯雯 の作品を展示いたします。
三人が加飾に対する考え方や制作意識はそれぞれに異なる点がとても面白く、同じ空間で全く違う漆の不思議な「変種」をぜひご高覧ください。(一同)

京都市左京区聖護院山王町21-3 TEL:075-771-1011 休廊日:月曜日

2kw gallery

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℃ノ汀 cold traces in a transition
葛本康彰 個展


2023.9.2(土) 〜 9.24(日)

滋賀県大津市音羽台3-29-1 TEL:090-5241-8096 休廊日:月・火・水曜日

Gallery G-77

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アレナ・ブラコワ個展
「Unveiled: 隠された女性の探索」


すべてはコントロールされている
2021年
紙上写真
42 x 29 cm

2023.8.2 (水) ~ 8.6 (日)

アレナ・ブラコワの展覧会へようこそ。この展覧会では是非、人間の形態についての瞑想的な探究を深めてください。 私たちの目的は、衝撃を与えたり挑発したりすることではなく、むしろ作品に取り組む際に内省と理解を促すことです。 それぞれの作品は、あなた自身の経験、記憶、連想をもとに、個人的な旅に出かけるようあなたを誘います。

本展では、人間の裸体の美しさと脆弱さを掘り下げた、過去5年間に制作された作品群を展示します。 ヌードは繰り返し登場するテーマですが、これらの作品は単なるエロティシズムをはるかに超えています。 彼らは私たちの存在の深い心理的側面を掘り下げます。

本展では、女性をフィーチャーした多彩な写真を展示します。 慎重に調整された写真撮影中に撮影されたものもあれば、自然な瞬間を捉えたものもあります。 それぞれの画像は、描かれているモデルのユニークな特徴と個性を明らかにします。

この写真家は、無防備な真実の瞬間を捉える卓越したスキルを持っています。 ポーズをとっているときでさえ、モデルたちはカメラのことを一瞬忘れて、思いがけず本当の自分を輝かせることができます。 写真家の焦点は、被写体を欲望の対象として客観化することではなく、むしろ個人としての本質を捉えることにあることに注意することが重要です。 このアプローチは、ヌードという最も脆弱な主題を探求する場合に特に重要です。 写真家にとって、カメラはモデルの経験を微妙に理解できる研究ツールです。 繊細で微妙な対話を通じて、アーティストは美の予期せぬ側面を明らかにします。

この展覧会全体に織り込まれた中心テーマは、女性らしさ、女性の性質、性格を中心に展開します。 芸術家は、美の多様な表現を称賛し、裸体の美学を受け入れ、身体の受容を通じて自己認識を育むことに大きな意義を見出しています。 さらに、この探求は、変化と自己発見の瞬間に生じる感情を掘り下げます。

アーティスト自身の言葉を紹介しましょう。「心理学者としても写真家としても、私の仕事には広い心と高められた共感の感覚が求められます。私はそれぞれのモデルの中に自分自身を垣間見て、彼らのユニークな本質を理解しようと努めています。 カメラは本質的に誠実な道具であり、私の個人的な視点から重要なディテールや瞬間を忠実に記録します。だからこそ、写真撮影中は私のアイデンティティとモデルのアイデンティティを融合させ、真に彼女のキャラクターを理解することを目指しています。したがって、私はフィルターやソフトウェアの強化に頼るのではなく、ガラスの水や鏡の反射などの自然な効果を取り入れることを好みます。この環境は真の自己反映を可能にします。」

人間の姿が称賛され、脆弱性が受け入れられ、自己発見の旅が展開される、この考えさせられる展覧会にぜひ浸ってみてください。

●展覧会ページ

京都市中京区中之町73-3 Tel:090-9419-2326 休廊日:月・火曜日

現代美術 艸居

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<艸居>

 

堀江美佳
「木、水、そして光」


堀江美佳《Ori》
2023
H40 × W57.5 cm
手漉き和紙雁皮紙にサイアノタイプ・プリント

2023.9.7(木)〜 11.1(水)

艸居(京都)では、堀江美佳「木、水、そして光」を開催いたします。堀江は京都で育ち、京都芸術大学で写真とデザインを学んだ後、ロンドンのキングストン大学へ留学します。帰国後の2013年より、石川県加賀市山中温泉を活動の拠点としています。住居兼アトリエである古⺠家近くの山から、高級和紙の原料として有名な雁皮 (がんぴ)という植物を採取し、側に流れる天然水を用いて和紙を漉き作品の支持体としてきました。カメラで撮影をした後自身で漉いた和紙にプリントした作品は、海外の展覧会に参加するなど注目を集めています。19世紀に発明された古くからある写真方式「サイアノタイプ」を用いている点も堀江の作品の大きな特徴です。⻘一色で表現されるこの写真は、太陽光によって印画することができ、日本語の「⻘写真」という単語の語源にもなっています。

石川県の雁皮だけでなく、写真を現像する、和紙を漉くなどの作業に欠かせないきれいな水があることも制作において重要な事柄です。堀江の作品づくりにぴったりともいえる現在の環境に移り住んでから10 年が経過しました。自然のうつろいを夢中になって撮影してきた堀江にとって、近年は万葉集の歌に出てくる日本古来の花や日本の織りや着物など、いつか途絶えるかもしれない日本文化を「学びたい、写したい、そして残したい」という強い思いを持ちながら生活・制作していると述べています。

太陽光で露光をする古典的写真技法と、地域に由来する手漉き和紙で表現する堀江の作品には美しさや儚さ、強さが共存しています。その⻘色の豊かな階調には、文化の違いや時間経過を忘れて没入してしまうような奥深さや郷愁を感じることができるでしょう。艸居では初の個展となるこの貴重な機会に是非ともご高覧いただければ幸いです。また本展に関連して、10月28日より国立京都国際会館にて開催される Art Collaboration Kyoto(ACK) の艸居ブースにおいても堀江の作品を展示いたします。こちらもあわせてご覧いただきますようよろしくお願い申し上げます。

京都市東山区元町381-2 Tel: 075-746-4456 開廊時間:10:00AM- 6:00PM 休廊日: 日・月曜日

美術館情報

京都市京セラ美術館
本館 北回廊1階
新館 東山キューブ

ルーヴル美術館展
愛を描く
2023.6.27(火) - 9.24(日)



MUCA展
ICONS of Urban Art
~ バンクシーからカウズまで ~
2023.10.20(金)- 2024.1.8(月・祝)


Photo by © MUCA /
wonderland media


京都市京セラ美術館
ザ・トライアングル

米村優人:BAROM
(あるいは幾つかの長い話)
2023.6.20(火)- 9.24(日)


「BAROROMSQUAUD/
1人でも立ってられるって!」
展示風景 2022年
撮影:岡はるか


京都国立近代美術館

開館60周年記念
走泥社再考
前衛陶芸が生まれた時代
2023.7.19(水) - 9.24(日)


開館60周年記念
京都画壇の青春
―栖鳳、松園につづく新世代たち
2023.10.13(金) - 12.10(日)


美術館「えき」KYOTO

芭蕉布
人間国宝・平良敏子と喜如嘉の手仕事
2023.9.9(土)– 10.29(日)


煮綛芭蕉布 琉装着物
「黄地 絽織 経縞」
平成16年
喜如嘉の芭蕉布保存会
©つは写真館 比嘉厚